ポリオ根絶への折れない心

列車事故で両足を失っても揺らがない、ポリオ根絶への決意   

フーマ・アシュラフさんについて世間で知られている唯一のこと、それはヘルスワーカーとしての活動です。

2023年9月11日、人生の岐路となる出来事が起きたその日も、彼女はヘルスワーカーとして外に出ていました。線路沿いのスラム街で活動していたときに列車事故に巻き込まれ、カラチ(パキスタン)の病院に救急車で運ばれたのです。

「あっという間の出来事でした。線路の向こうにある家を訪問しなければならなかったのですが、そこへ行くには線路を横切るしかありませんでした」。フーマさんは、事故当時のことを冷静に思い出します。「列車はまだ遠くにいるように見えたので渡れると思ったのですが、風が吹いて、私のドゥパッタ(スカーフ)が列車に巻き込まれてしまったのです」

一瞬の間に、彼女は両足を失いました。

事故を目撃した人たちが救急車を呼ぶ中、彼女は驚くほど冷静に、手術による再接着を願って足を拾い、行きたい病院を指定しました。

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若い世代を起用して魅力あるイベントを

END POLIO NOWチャリティイベントをローターアクターが企画

寄稿者:延原健二(2023‐24年度第2660地区ガバナー、大阪大淀ロータリークラブ会員)

ロータリーには若い人の入会が望まれますが、若い人にとって入会のハードルとなるのは時間とお金です。もう一つ、世代間ギャップも原因の一つであると思われます。

中高年と若い世代との間で、楽しいと感じることにギャップがあるのは当然です。若い人たちが楽しめるロータリーにするには、若い人のアイデアを進んで取り入れる必要があります。そのような思いから、「若い人たちが楽しめるポリオ根絶支援イベントを企画・開催してほしい」と地区内のローターアクターにお願いしました。また、その様子をSNSで発信し、若い人の共感を呼んでロータリーの公共イメージを高め、叶うならば、会員増強につなげたいと思いました。「高齢者が集うロータリー」というイメージ払拭の狙いもありました。

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再生可能エネルギーがポリオ根絶活動に変化をもたらす

© WHO/Chad

世界では10億人近くの人びとが、安定した電力が供給されない施設で医療サービスを受けています。電力が不安定である場合、診断やワクチン保冷を含む医療活動が中断されます。熱波、洪水、その他の異常気象が増えるにつれ、停電や熱需要の上昇などによる電力停止が増加すると予想されます。ポリオ根絶活動のラストスパートにおけるこうした課題に対応し、二酸化炭素排出量を削減するため、GPEI(世界ポリオ根絶推進活動)とそのパートナー団体は太陽光発電に目を向けました。太陽光発電は、より安価で信頼性が高く、気候変動にも強く、予防接種とサーベイランスに必要とされる電力の確保に役立ちます。

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安全な水とワクチン投与を通じてパキスタンでのポリオ根絶を目指す

寄稿者:溝畑 正信 (大阪帝塚山ロータリークラブ会員

2023年2月12日から14日の3日間、私はパキスタンのカラチを訪れ、昨年に実施したグローバル補助金プロジェクトの成果の視察を行うとともに、現地でのポリオワクチン投与活動に参加しました。

カラチでの太陽光発電浄水設備設置プロジェクト

給水所で水を利用する女性と子どもたち。

パキスタンでは、地域によって劣悪な衛生状態が続いており、正式な医療サービスがなく、飲料水も不足しています。水を媒介とする伝染病の多くは、不潔で汚染された水を介して伝染し、人びとの生命を脅かしています。もちろん、ポリオもその一つです。

2022年1月から10月にかけて、カラチ・ロータリークラブ、大阪アーバンロータリークラブ、第2660地区(大阪府北部)、セントキャサリンズ・サウス・ロータリークラブ(カナダ)が提唱者となり、カラチ内5カ所のスラム地域に太陽光発電浄水設備を設置するグローバル補助金プロジェクトを実施しました。これらはポリオ感染のリスクが高い地域であり、安全な飲み水を提供することでポリオウイルスの感染を阻止する狙いもありました。

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アフガニスタンでポリオを根絶する機会

日本でポリオ根絶に携わるアフガニスタン人疫学者が現地のポリオ事情を説明

寄稿者:サバウヌ・ウリシュミン(一般社団法人リエゾン シニア・アドバイザー、元アフガニスタン大統領府 ポリオ根絶フォーカルポイント疫学者)

アフガニスタンは、ポリオ根絶が世界で最も困難な国と考えられていました。その主な理由は、同国政府と当時のソ連の同盟国であるムジャヒディーンとの間の戦争、ムジャヒディーンとタリバンとの間の交戦、タリバンとアフガニスタン政府および北大西洋条約機構(NATO)の同盟国との間の戦争など、長く続いた内戦と国際戦争があったことです。最近の戦争は20年近く続き、2021年8月にはNATOが支援する政府がタリバンに崩壊されました。

この政権交代は、経済的困窮、人道的危機、医療を含むサービスの途絶、女性の政治からの孤立、女子の中学・高校・大学への進学禁止と関連していることが、マスメディアを通じて広く伝えられています。しかし、マスメディアは政権交代に伴う前向きな進展(例えばポリオ根絶のような世界的な健康問題への影響)を無視することが少なくありません。

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登山にチャレンジしてポリオ根絶をサポート

ポリオサバイバーの友人のためにローターアクターが立ち上がる

寄稿者: アメリ・ペルフェッティ(フランス、サンディジエ・ロータリークラブ)

数年前、フランス、パリの二人のローターアクト会員、ミニさんとラシッドさんは登山を通じてポリオ根絶への募金をするプロジェクトを立ち上げました。きっかけは、二人の友人で、ポリオサバイバーであるイブラヒムさんがよく言っていた次の言葉でした。「自分にとって学校に通うことは、毎日登山するような(大変な)ものなんだ」

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ポリオ根絶のために笑顔で走る

昨年、ポリオプラス基金への寄付を募るため、自転車での日本縦断チャレンジに挑んだ宮崎陽市郎さん(東京三鷹ロータリークラブ会員)。地区ガバナーに就任した今年、ポリオプラス・ソサエティを促進するために新たなチャレンジに挑みます。写真をクリックすると、別のページで拡大してみることができます。

昨年、ポリオ根絶のためのファンドレイジングを立ち上げ、ロードバイクで日本縦断を達成したガバナーエレクトが、今年はガバナーとして、ポリオプラス・ソサエティの推進のためにペダルをこぎます。

第2750地区ガバナーの宮崎陽市郎さん(東京三鷹ロータリークラブ)が昨年11月に挑んだ道のりは、宗谷岬(北海道)から佐多岬(鹿児島)にいたる約2,750キロメートル。その走行距離は、米国メイン州にあるカナダとの国境から南端フロリダ州のオーランドまでの移動距離にも勝ります。平坦な道ばかりではなく、海岸沿いでは強風に襲われます。長く暗いトンネルではバランス感覚が麻痺し、経験者曰く、上り坂なのか下り坂なのか、まるで「空中をこいでいる」ような危険な状況に陥ることもあります。

宮崎さんは、この道のりを10月上旬から世界ポリオデーにかけての約3週間で走破しました。道中、同期のガバナーが応援に駆け付け、地元会員のほか、市長や一般人、北京オリンピックに出場したロードレース元全日本チャンピオンも一緒に走ることがありました。それぞれの日のゴール地点には、宮崎さんの無事を祈り、直接会ってエールを送ろうと集まった多くの会員がいました。ゆく先々での人との出会い。「最初から最後までずっと楽しかった」と、宮崎さんは清々しい表情で話します。また、チャレンジの規模の大きさから、ジョン・ヒューコ国際ロータリー事務総長からの応援ビデオメッセージも寄せられました。

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障がいを成功の原動力に

寄稿者:バダラ・ダフェ(セネガル、Dakar Soleilロータリークラブ)

Badara Dafé

ポリオは、否応なしに身体の自由を奪う病気です。しかし、ポリオサバイバーである私は、ポリオが残した障害から特別なモチベーションを引き出すことができました。努力と苦労の味を知ることができ、脅威と思われたものをチャンスに変えることができました。

私は1歳のときにセネガルのダカールでポリオに感染しました。熱は何日も続き、特に右足にまひ症状が現れました。医師は当初、マラリアだと考えましたが、それはポリオでした。

数回の手術と、運動機能を回復させるための数え切れないほどのリハビリの後、松葉杖で歩けるようになりました。障がいがあっても、友だちとサッカーをしたり、海に行ったりすることを諦めませんでした。全体的に、私は子ども時代の素晴らしい思い出を持っています。

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ポリオ根絶へのコミットメント:活動の記録にご協力ください

10月24日は「世界ポリオデー」です。

ポリオ根絶は、30年以上にわたりロータリーの最優先目標となってきました。会員はポリオ根絶の誓いに現在も熱意をもち、行動しています。そのことを広く伝え、ポリオ根絶への認識を高めましょう。

イベントやファンドレイジングの実施、ソーシャルメディアでのメッセージ発信、または例会中のプレゼンテーションなど、私たちの行動を示すことでより多くの人にポリオ根絶の重要性を知ってもらうことができます。

クラブでポリオ根絶活動に取り組んだ場合は、ロータリー世界全体がコミットメントをもっていることを示すため、こちらから活動の記録にご協力ください(「クラブのポリオ根絶活動を記録しよう」というボタンをクリックするとフォームが開きます)。地区や地域の行事など、複数のクラブが参加するという場合、各クラブによって記録していただくことができます。また、詳しく活動について紹介してもよいというクラブは、「活動成果の報告用フォーム」と「写真・動画の提出用フォーム」をご利用ください。お寄せいただいた情報は、今後の記事やソーシャルメディアで紹介させていただく場合があります。

ご協力を何卒お願い申し上げます。

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ポリオ根絶活動の現場から:研究所のイノベーションをリードする女性たち

ポリオ根絶活動のあらゆるレベルで、女性は重要かつ不可欠な役割を担っています。この度、デジタル技術を駆使して意思決定を行うWHO EMRO(世界保健機関の東地中海地域事務局)の4人の女性の視点に迫りました。

社会的規範への取り組み

©WHO/Pakistan

エジプトのギザには、世界的に有名なピラミッドだけでなく、現代医療の粋を集めたポリオ研究所(Polio Regional Reference Laboratory、略称RRL)があります。

そこで所長を務めるアミラ・ザグルールさんは、五つの部門を統括し、25人のチームと密に連携しています。彼らは子どもから採取した便や汚水サンプルを基に、定期的なポリオウイルス検査を行っています。さらに、エジプト、イラン、イラク、ヨルダン、スーダン、シリアでポリオ陽性と確認されたサンプルの塩基配列を確認し、その配列がほかのポリオウイルスと関連しているかどうかの判断を行っています。ポリオウイルスが検出された際に、厳しい時間的制約の中で迅速に対応することを目標としています。

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日本各地でのポリオ根絶活動に感謝

ポリオ根絶支援サイトからお寄せいただいたご活動の場所。このほかにも多くの活動が各地で実施されています。

今年も、10月24日の世界ポリオデーに合わせ、日本各地のクラブ・地区によってポリオ根絶活動が実施されました。子どもたちをポリオから守るためのご尽力、ありがとうございます!

10月24日の時点で、日本から40のクラブより活動情報をポリオ根絶支援サイトよりお寄せいただき、世界全体では4,000近くのご活動をご紹介いただきました。当サイトに寄せられたご活動のほかにも、世界・日本の多くのご活動やイベント、また個人によるポリオ根絶の取り組みも多く、その活動内容は多様性を増しています。

ご活動の一部をご紹介いたします。

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人生の70年をポリオとともに

寄稿者:リ・ジョン-グエン(ウォンジュ・ロータリークラブ会員、第3730地区ポリオプラス委員長)

ポリオ根絶の研修で講師を務めるリさん。

朝鮮戦争の終戦から1年後、私は韓国南部の村に生まれました。医療の状況が思わしくなく、生後9カ月でポリオに感染。高熱が数日間続き、両足がまひして動かなくなりました。両親は教師でしたが、当時はポリオに関する知識がほとんどなく、迷信的な方法や祈祷に頼るばかりでした。2歳になったとき、ようやくポリオと診断されました。

松葉づえなしでは歩けませんでしたが、明るく活発な性格だったので、村の友だちたちと楽しい幼少時代を過ごしました。入学してからは通学時に弟がかばんを持ってくれました。級友たちは、階上の教室に行くときは私をおぶってくれましたし、学校近くの丘の上にあった自宅まで送ってくれました。こうした周囲の温かい支えはありましたが、歩行器のネジがゆるんだり、松葉づえが何かにぶつかったりしたときに、転ぶこともよくありました。

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世界ポリオデーの特別プログラム

10月24日、ロータリーはソーシャルメディアで、世界ポリオデーのオンライン特別プログラムを放映します。このプログラムはセグメントごとに分かれているため、関心のあるトピックを選んで先に見ることができます。

今年のプログラムのハイライトは以下の通りです。

ジェンダー戦略:パキスタンにおけるポリオ根絶活動において、ジェンダーがいかに重要な役割を果たしているかに焦点を置き、ジェニファー・ジョーンズ国際ロータリー会長、ザイヌル・アベディン・カーン博士、ソフィア・ユヌス博士が話をします。

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ユニークなだけじゃない、世界各地のポリオ根絶活動

ポリオの根絶は、ロータリーが最も長く続けている重要なイニシアチブの一つです。パートナーとともに、122カ国で26億人以上の子どもたちにポリオの予防接種を行いました。ポリオの発症数は世界で99.9%減少しており、この疾病を永久になくすまで、私たちは活動を続けます。

今年も、各地のクラブや地区によって、さまざまな活動が実施されており、個々の取り組みが大きなインパクトを生んでいます。世界中のロータリー会員がどのようにポリオとの闘いを支えているか、以下にご紹介します。

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定年後の人生をポリオ根絶に捧げる

生涯をかけてポリオ根絶に取り組む人にとって、定年や引退は必ずしも休息を意味しません。何年もポリオ根絶に身を捧げてきた今も、ポリオの危険にさらされる子どもたちのために、意欲を新たに次世代の活動家を鼓舞し続けています。

アリ・ファラーさん(ソマリア)

© Dr Ali Farah

1997年、壊滅的な内戦の最中、アリ・ファラーさんは、ソマリア初の全国予防接種日(NID)の試験的プロジェクトを開始しました。その活動があって今、ソマリアは7年以上にわたって野生型ポリオウイルスの感染者を出していません。

ファラーさんは、医師としてリスク下での激務を終え、2015年に引退。しかし現在も、ポリオチームへの技術支援、社会動員、予防接種員などの研修を通じて、ポリオとの闘いを続けています。

「ポリオ根絶のために活動を続けなければならないと常に思っています。これは人道的な活動です。今でもときどき専門スタッフから電話があり、AFP(急性弛緩性まひ)の事例やその他の専門的なことについて質問を受けています。必要なときにアドバイスやサポートができるのは幸せなことだと思います」

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広島から世界に目を向けて ~ここで自分たちにできることを

マツダ スタジアムで実現した「ロータリー奉仕デー」

寄稿者:田中 朋博(広島西南ロータリークラブ会員国際ロータリー第2710地区公共イメージ委員長)

カープロードなど、7ケ所で募金の呼び掛け

国際ロータリー第2710地区では、広島県と山口県の72のロータリークラブがそれぞれの地域ならではの奉仕活動を行っています。

コロナ禍で迎えた3年目の春、2022年4月28日に、初めての地区内クラブ合同奉仕事業となる『国際ロータリー第2710地区 ロータリー奉仕デー in マツダ スタジアム』を実施。広島東洋カープの主催試合にあわせて、マツダ スタジアム、広島駅とマツダ スタジアムをつなぐカープロードなど計7カ所で募金を呼びかけ、スタジアムの入場ゲートなどで資料配布やロータリークラブの公共イメージ調査を行いました。

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日本発 & 世界各地のポリオ根絶活動

いよいよ世界ポリオデー(10月24日)が間近に迫ってきました! 現在、世界各地でポリオ根絶活動が実施されており、日本でも今までにない大きな規模の活動が実施されています。

ポリオの根絶は、ロータリーが長年にわたって取り組んできた最も重要な活動の一つ。みんなで盛り上げましょう!

世界中のロータリー会員がどのようにポリオとの闘いを支えているかをご紹介します。

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ポリオ根絶へのコミットメント:クラブ支援の記録にご協力ください

簡単に入力できるようになりました!

10月24日は「世界ポリオデー」です。皆さまのクラブにおけるポリオ根絶へのコミットメントを世界に示すため、活動その他の支援の記録にご協力ください。

これにより、何十年も前にロータリーが行ったポリオ根絶の誓いに現在も会員が熱意をもち、行動していることを伝え、ポリオ根絶の重要性への認識を高めることができます。

こちらからご入力いただけます: www.endpolio.org/ja/register-your-event *
(入力時にエラーが生じる場合は英語のページでお試しください)

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世界ポリオデー2020:コロナに負けず今年も

「新型コロナの流行により世界は大きく変わりました。しかし、変わらないものが一つあります。それは、ポリオ根絶の必要性です」~アデ・アデピタン(BBCテレビ司会者、元パラリンピック選手、ポリオサバイバー)

今年は長引くコロナ禍の影響で、生活や仕事や学業などにおいてすべての人に影響が及んでいます。そんな中でも、10月24日の「世界ポリオデー」には、ポリオを世界から根絶するために、多くのロータリーファミリーが募金や認識向上に立ち上がりました。さまざまな制約や困難に直面しながらも、「ポリオのない世界」を目指してご尽力くださった皆さまに、心より御礼申し上げます。ほんの一部ですが、今年の世界ポリオデーに日本で実施された活動やイベントをいくつかご紹介します。

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ポリオ根絶のために自転車をこぎつづける

寄稿者:ジョン・ヒューコ(国際ロータリー事務総長)

ジョン・ヒューコ国際ロータリー事務総長

コロナ禍により、この1年間に本当に多くのことが変わりました。毎年恒例のEl Tour de Tucson自転車レースでの Miles to End Polio(自転車をこいでポリオを根絶)が延期されたのも、その一つです。2013年以来、私は毎年、世界中のロータリー会員や国際ロータリー事務局の熱心なスタッフたちとともに、El Tour de Tucsonレースに参戦してポリオ根絶を支援してきました。これまでに、「ポリオのない世界」の実現のためにMiles to End Polioを通じてみんなで集めた資金は、5800万ドル以上に上ります(ビル&メリンダ・ゲイツ財団からの上乗せを含む)。

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ロータリー学友参加推進週間に寄せて

寄稿者:吉岡 毅(国際ロータリー第2650地区学友会、ロータリーフェローズ2650)

~ロータリーと再び関わるチャンス

<10月5日からの一週間はロータリーの「学友参加推進週間(Reconnect Week)」です。今回は学友からの寄稿をご紹介します。>

ポリオ根絶を支援する募金活動の様子

15歳からロータリーに参加

私は15歳の時、奈良ロータリークラブが提唱する一条高校インターアクトクラブに友達に誘われて入会しました。このとき初めて「ロータリー」の世界に出会いました。インターアクトクラブでは、学校内の清掃活動や地域で開かれるイベントへの参加を経験しました。

その活動が楽しく、大学の進学とともに、奈良ローターアクトクラブに入会しました。23歳の時にローターアクターとしてロータリー青少年指導者養成プログラム(RYLA)にも参加しました。

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この日、世界がポリオに目を向ける:世界ポリオデー

コロナ禍によりロータリーの活動や行事の実施が困難な状況となっていますが、ロータリーは引き続きポリオ根絶を最優先目標として掲げています。10月24日の世界ポリオデーには、例年、日本を含む世界中のクラブや地区がイベントを実施しており、今年もオンラインや三密を避けた活動など、工夫を凝らしてポリオへの認識向上や募金を行うことができます。

これまでにロータリーをはじめとする世界ポリオ根絶推進活動(GPEI)によって築かれてきたポリオ根絶のインフラは、新型コロナウイルス対応においても、ウイルスの追跡やサーベイランスのために役立てられています。ロータリーは、1918年のスペインかぜ、ポリオ、新型コロナウイルスなど、ウイルスの世界的流行時に率先して行動を起こしてきました。

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たった2滴のワクチンがあの時あれば

寄稿者:石毛 良治(東京後楽ロータリークラブ)

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インドで経口生ワクチンを投与する石毛さん

きっかけは突然に
『ロータリーの友』2019年11月号に載っていた「内外よろず案内」の「インドでポリオワクチン投与をしませんか」という記事をふと見つけるまでは、まさか自分がインドに行くとは思ってもみませんでした。

それまでロータリーの奉仕活動はそれぞれのクラブで決めた方針に沿って行われるものと思っていた私にとって、個人の活動は初めての経験です。問い合わせ先に連絡してみると、幸いにもまだ参加者を募集中で、妻が背中を押してくれたこともあり、思い切ってインド行きを申し込みました。 続きを読む

ポリオ根絶 次はパキスタン

寄稿者:大和 豊子(岡山南ロータリークラブ、チームポリオジャパン)

Pakistan NID photo_2GPEI(世界ポリオ根絶推進活動)から毎週報告される野生株ポリオ発症数は、2018年の33例(パキスタン12例、アフガニスタン21例)と比べて、2019年は173例(パキスタン144例、アフガニスタン29例)とパキスタンで爆発的増加を示しています(2020年2月4日現在)。2020年にも新たな症例が報告されており、非常に厳しい現実です。

Pakistan NID photo_7 1月のポリオのデータ(クリックして拡大)

2019年12月、パキスタンのNIDs(全国予防接種日)に2日間参加した私たち「チームポリオジャパン」の13人は、現地のロータリアンから「2020年の発症を0にする」という意気込みを聞いたばかりでした。 続きを読む

世界ポリオデーに世界中のロータリアンがイベントを実施

WPD recap 2「世界ポリオデー」である10月24日、世界各地のロータリアンがクラブや地域社会と一体となり、ポリオ根絶のための活動を実施しました。136カ国で4,000を超えるクラブが5,600件以上のイベントを立ち上げ、ポリオ根絶の啓蒙や募金に貢献。また、アートやスポーツ、ダンスフェスティバル、認識向上など、多種多様なイベントが実施されました。 続きを読む

リンゴに込めた END POLIO の願い

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写真提供:国際ロータリー第2530地区 (クリックすると拡大表示されます)

寄稿者:相良元章
(RID2530公共イメージIT委員⻑)

市⺠にもっと知って欲しい

地元市⺠に、もっとロータリーのポリオ根絶活動を知ってもらうにはどうしたら良いのだろう?と⽇々考えている⽅は多いのではないでしょうか。

市⺠の関⼼を引くことは簡単ではありません。ましてやポリオワクチン接種が当たり前になっている⽇本ではなおさらです。

私たちは、福島名産のふじリンゴに 続きを読む

今年も日本発:世界ポリオデー2019

10月24日の世界ポリオデーには、世界中で昨年を大きく上回る5600件以上のイベントが実施されました。国別では、ポリオ予防接種に対する一般の関心が高いブラジルで最も多い1257件、続いて米国の805件、ナイジェリアの779件となっています。日本からも108件のイベントの情報が寄せられ、全国で赤い「END POLIO NOW」のシャツを着た大勢のロータリー会員がポリオ根絶の募金や認識向上に奮闘しました。

今年、日本で行われたポリオ根絶活動をいくつかピックアップしてご紹介します。

WPD 2019 2770 クリックして拡大

第2770地区(埼玉東部)
ポリオサバイバーである小林操ガバナーのポリオ根絶に対する強い思いを受け、地区内の全74クラが世界ポリオデーにイベントを実施しました。 続きを読む

自転車をこいでポリオ根絶

寄稿者:加藤まさ(ロータリー世界本部事務局スタッフ)Capture_MTEP

読者の皆さま、はじめまして。私はエバンストン事務局に勤務している加藤と申します。2019年11月23日、ポリオ根絶のための自転車レースにスタッフメンバーとして出場します。ポリオ根絶活動を応援し、日本からの関心と支援を高めたいという気持ちから、本稿を紹介させていただきます。

本稿をお読みの上、よろしければ下の項目で紹介されている方法で、ポリオ根絶自転車レースへの個人のご支援をご検討いただければ誠に幸いです。ご寄付を遠慮される場合でも、参考としてお読みいただければと思います。

自転車レースとチーム

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ポリオサバイバーとして ロータリアンとして

寄稿者:小林 操(国際ロータリー第2770地区ガバナー、2019-20年度)

給食トリミング

おいしそうに給食を食べる小林少年

ポリオに罹患して
ロータリー生活の中、自分自身がポリオ(小児まひ)サバイバーであり、いつかは自分の思いを行動に移せれば、と思ってきた私にとって、地区のリーダーになって、いよいよその機会をいただけたことは本当にありがたいことです。

ロータリーは、世界ポリオ根絶推進活動(GPEIを中心に、三〇余年にわたってポリオ根絶活動を行ってきました。その実績は、世界で数十万件だった野生株の症例数が今では2桁に減り、しかもポリオ常在国が世界で2カ国になるところまできたことに示されています。長引く根絶活動から、ロータリアンの中には「根絶は無理」「他にプログラムがある」といった意見もありましたが、世界への約束は必ず守る、という信念の下、私たちは粘り強く活動を続けています。

ポリオは、今では紛争地域に残る感染症という感覚ですが、ワクチン投与が広まる以前は、日本でも多くの人が感染していました。 続きを読む

ポリオ vs 天然痘

以下のインタビューは、GPEI(世界ポリオ根絶推進活動)のウェブサイトの記事から一部を抜粋したものです。ポリオと天然痘の違いに関して、専門家であるデイビッド・ヘイマン氏とのインタビューを紹介しています。同氏はこれまでに、ポリオと天然痘のほかにも、SARS(重症急性呼吸器症候群)、エボラ出血熱、ジカウイルス、HIV、マラリア、はしかへの対策にも取り組んできました。現在は、ロンドン大学 続きを読む

「世界ポリオデー2019」 クラブでできること

WPD Flyer 上の画像をクリックすればチラシをダウンロードできます。クラブへの配布用にぜひご活用ください。

10月24日は「世界ポリオデー」

ナイジェリアで最後の野生型ポリオ症例が報告されてから、8月21日で3年が経過しました。早ければ2020年半ばには、世界保健機関(WHO)が定めるアフリカ地域全体のポリオフリーが認定される可能性があります。

また、先日大阪で開かれたG20では、 続きを読む

ポリオが根絶可能である5つの理由

WPD Grahpic 2ポリオは根絶可能な疾病であり、私たちは根絶を必ず成し遂げます。なぜそう言い切れるのでしょうか。

ヒトの病気で唯一根絶に成功した疾病があります。それは天然痘です。今回は根絶可能な疾病の条件についてご説明します。

1. ポリオウイルスの感染期間は非持続的

ポリオウイルスの感染は短期的です。つまり、ポリオに感染した場合、感染力のある期間は限られています。 続きを読む

G20大阪サミットでポリオ根絶へのコミットメントを再確認

~ 日本のリーダーシップの下、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ、プライマリ・ヘルス・ケア、そしてポリオ根絶への決意を宣言

G20 Osaka

2019年6月のG20大阪サミットでポリオ根絶へのコミットメントを表明した各国首脳。 ©G20

(※この記事はGPEIウェブサイトの記事からの日本語訳です。)

2019年6月28日と29日、大阪でG20サミットが開かれ、ポリオ根絶をはじめとする世界の諸問題について各国首脳が協議しました。

「G20大阪首脳宣言」は次のように述べています。「我々は、ポリオを撲滅し、エイズ、結核及びマラリアの流行を終わらせるとのコミットメントを再確認するとともに、世界エイズ・結核・マラリア対策基金の第6次増資の成功を期待する」。 続きを読む

いつまでも教育者として

Dr. Ella Lacy. 1 June 2019, Hamburg, Germany.

エラ・レイシーさん。2019年6月1日、ハンブルグ(ドイツ)にて。

エラ・フィリップス・レイシーさん
カーボンデール・ロータリークラブ(米国イリノイ州)会員

私は22年間、南イリノイ大学医学部で教鞭を執りました。専門は保健教育で、博士号をもっています。1994年の終わりに退職した私は、平和部隊に参加しました。私にとってこれは大きな転機でしたが、引退した人には素晴らしい機会だと思います。自分が慣れ親しんだ文化と違うマラウイのような国で仕事をするだけでも、貴重な人生経験です。大学卒業時に「必要なことはすべて学んだ」と思いがちですが、まだ学べることはあるのです。 続きを読む

私の情熱、ポリオとの闘い

Deli Levi-Jensen. 1 June 2019, Hamburg, Germany.

レビ-ジェンセン。2019年6月1日、ロータリー国際大会が開催中のハンブルグ(ドイツ)にて。

デリ・レビ-ジェンセン
ヘルニング・インターナショナル・ロータリークラブ(デンマーク)

イスラエルからデンマークへ移住した私は、自分の人生に何かが欠けているように感じていました。仕事は順調で、素晴らしい家族や友人にも恵まれていました。ただ、生きている本当の充足感を得るには、何かもっと大きなことに貢献する必要があったんです。

ロータリアンである義父がロータリーへの入会を勧めてくれました。ロータリーでは、たいてい年配の会員が集まってタバコでもふかしているのだろうと思っていましたが、その年、イスラエルを訪れたときに強く関心を引かれることがありました。 続きを読む

ポリオとの闘いがほかの疾病にも大きな影響をもたらす5つの理由

By ダニエラ・ガルシア20080423_IN_004

ポリオは特に幼い子どもにも起こりうる生涯にわたる麻痺で、1955年にジョナス・ソーク博士がポリオワクチンを導入したときに予防可能になりました。ロータリーとGPEIのパートナー団体は、ポリオとの闘いを始めて以来、予防接種とポリオフリーをめざす活動を促進するシステムを開発してきました。このポリオとの闘いで築かれたインフラのおかげで、ポリオのない世界へと近づくことができます。

しかし、ほかの病気との闘いでも、このインフラが役立つことをご存じでしたか。

1.コールドチェーン 続きを読む

2018年のブログ閲覧数トップ5

寄稿者:国際ロータリースタッフ

早いもので、2018年も終わろうとしています。今年も「ロータリーボイス」をご愛読いただき、誠にありがとうございました。1年を振り返る意味でも、2018年の年間ブログ閲覧数トップ5に入った記事をご紹介します。1a38474580cdc0d5a1ce7d5e4c821262_s 続きを読む

日本発:世界ポリオデー2018

10月24日の「世界ポリオデー」の前後に世界中でポリオ撲滅のためのイベントが行われ、日本でも数多くのイベントが実施されました。情報が寄せられた世界のイベント数は4,005件、日本からも128件のイベント情報が寄せられました。

ごく一部ですが、日本で行われたイベントをいくつかご紹介します。

2680地区(兵庫)Hyogo 1
「地球のために、平和のために、未来のために」をテーマに、11月3・4日に神戸メリケンパークにて「ひょうご五国+ワールドフェスタ」を開催。兵庫県から「兵庫県政150周年記念事業」としてご協力いただき、五国からの「ゆるキャラ」20体も大集合。約75,000人が来場しました。END POLIOの募金のほか、インターアクターが奉仕活動紹介やキッズコーナーでの子どもたちの世話をし、ローターアクターが独自の活動を紹介。青少年交換来日学生とVTT研修生、米山学友、財団学友、RYLA学友会も大活躍し、まさにロータリーファミリーが一丸となってイベントを作り上げました。 続きを読む

『ワールド・フード+ふれ愛フェスタ』は今年も大盛況

寄稿者:福田哲三(名古屋和合ロータリークラブ)

当地区では毎年名古屋市中心部の公園でファンドレイジングのイベント(ワールド・フード+ふれ愛フェスタ[WFF])を開催しています。第6回を迎えた今回は10月27日と28日に開催されました。2日間とも好天に恵まれ、約7万人の来場者で盛り上がる中、協賛チケット、広告協賛、会場での寄付金などすべて前年度を上回り過去最高を記録しました。収益金は毎回ポリオ撲滅への寄付とアジアの子供たちへの支援事業に使われており、今回はポリオ撲滅基金への寄付に加えパキスタンでの教育支援に使われます。çC Rotarians from D3790 続きを読む

世界ポリオ根絶推進活動(GPEI) 今年で30周年

「ロータリーの先見性のおかげで、私たちは歴史的な公衆衛生における偉業に近づいています。皆さんのおかげで、ポリオの根絶は本当にあと少しです」
(マーガレット・チャン、
WHO元事務局長)

皆さんは「世界ポリオ根絶推進活動(Global Polio Eradication Initiative=GPEI)」という言葉を聞いたことがありますか。これは、国際ロータリーをはじめとするパートナー団体と各国政府による、世界からポリオを根絶することを使命とする官民共同のパートナーシップです。 続きを読む

『ブレス しあわせの呼吸』~鑑賞した会員の声

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©2017 Breathe Films Limited, British Broadcasting Corporation and The British Film Institute. All Rights Reserved

映画「ブレス しあわせの呼吸」が9月7日から劇場で公開されます。この映画は、1950 年代にアフリカでポリオに感染した父親のロビン・カヴェンディッシュとその妻ダイアナの激動の半生を、息子であるジョナサン・カヴェンディッシュが自ら映画化した感動作です。

この映画の公開に向けて、国際ロータリーが協力し、本作の公式ウェブサイト、ポスター、チラシ、映画本編のオープニングクレジットにRotaryとEND POLIO NOW のロゴが入っています。

作品の公開に先駆け、ロータリアンに鑑賞していただき、コメントをいただきましたのでご紹介します。 続きを読む

世界ポリオデー イベント実施が大切な理由

袋井RC(写真)_210月24日の「世界ポリオデー」まであと2カ月余りとなりました。クラブや地区でのイベントの計画は進んでいますか?「世界ポリオデーとは関係なくても、ポリオ募金は毎年やっている」とか、「なぜわざわざ世界ポリオデーにイベントをするの?」とお考えのクラブもあるでしょう。

世界ポリオデーにちなんでその前後にイベントを行うことは、なぜ重要なのでしょうか。

1.  一斉に推進して認識向上の効果アップ

メディアは「…の日」とか「…デー」の話題を好みます。 続きを読む

ポリオが残したもの

~映画『ブレス しあわせの呼吸』を観て

寄稿者:稲村敦子(「ポリオの会」世話役、ポリオサバイバー)

Breathe Inamura photoこの映画の主人公ロビンは、28歳でポリオに罹患。余命数カ月を宣告されて36年、人工呼吸器と共に、世界一幸せに生きた男とその家族の奇跡の実話です。

主人公ロビンはまぎれもなくポリオサバイバーとして生きたのですが、その姿は一般的なポリオサバイバーとは少し違うかもしれません。ポリオを知る人は「えっ!ポリオ?」と思うでしょう。それはロビンが大人になって骨格が完成してから罹患したことと、もうひとつ、ロビンのような致命的とも思える呼吸まひを伴った人の生存率は非常に低かったからです。 続きを読む

『ブレス しあわせの呼吸』 この秋日本で公開

ポリオサバイバーの実話を描いた感動作  9月7日に全国ロードショー

運命の恋に落ち、家族や友人に祝福されて結婚し、最高に幸せな日々を送っていたロビンとダイアナ。ところが、出張先 のナイロビで、突然ロビンが倒れてしまう。診断結果はポリオ、首から下が全身マヒとなり人工呼吸器なしでは息もできない。時は1959年、医師からは「余命数カ月」と宣告される。英国に戻り息子が生まれたが、ロビンは絶望の中にいた。病院を出たいと望むロビンのために、医師の反対を押し切り自宅で看病する決意をするダイアナ。彼女の決断は、ロビンの運命を大きく変えていく――(引用元:KADOKAWA)

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WHOが3つのポリオ動画を公開

世界保健機関(WHO)が作成した、ポリオ撲滅活動に関する3つの動画。皆さんはすでにご覧になりましたか。いずれも2分ほどで、日本語字幕も付いています。

最初の動画は、ワクチンを届けるために奮闘している保健員にスポットライトを当てています。交通手段がなく治安の悪いところでも、保健員はがんばっています。

続いての動画は、ポリオウイルスの監視システムについて。たった1件の発症でも、ウイルス源を突き止めるために想像を超える規模の対応がなされています。たとえば、WHOは年に何回、検便を行っていると思いますか? 続きを読む

END POLIOへの支援とロータリーの公共イメージ向上

寄稿者:野木秀明(国際ロータリー第2620地区 公共イメージ向上委員長)WPD chikuyakuin_Dist2620 (1)

本年度、私たちの地区(静岡・山梨)は重点目標の1つとしてポリオ撲滅を掲げ、世界ポリオデーに向けたキャンペーンとして「撲滅まで『あと少し』@世界ポリオデー」を企画して、各クラブの活動を促進・支援する計画をたてました。

「END POLIO NOW」はロータリーの活動として地域の人々に理解していただきやすく、他の団体との差別化を最も強調できることから、「世界ポリオデー」のキャンペーンを通じてロータリーの認知度アップを図ることも目的の一つでした。 続きを読む

ポリオとともに生きる

寄稿者:小山万里子(「ポリオの会」責任者、ポリオサバイバー)

1歳でポリオに罹患し、40代でポリオ後症候群を発症Mariko Koyama 1

野生株ポリオに1歳9か月頃罹患した私は、もう70年近くポリオと<ともに>生きています。人生最初の記憶は、脊髄穿刺の痛みに耐えていたこと。やがて、ポリオによる障害を隠して生きていけると思えるほどに、麻痺は回復しました。

しかし、40代、仕事に打ち込んでいた時、よいはずの部位に激しい痛みや新たな筋萎縮といった症状が出てきました。当時は、ポリオ後遅発性進行性筋萎縮症という病名でしたが、現在はポリオ後症候群、ポストポリオという病名が一般的です。ポリオ発症から十数年~数十年して新たに症状が現れるのです。発症時、どこまで悪化するのか、治療の方法はと、先の見えない孤独感、不安、症状悪化に打ちのめされて、電車ホームに立っていると思わず飛び込もうとする自分が恐ろしかったのです。「先生、私は松葉づえですか、車いすですか」と問いかけ、ドクターショッピングをし、左足だけと思っていた症状が右足にも両手にも出てきて、耐えがたい思いでした。 続きを読む

ポリオ撲滅の実現がソーク博士とセービン博士への恩返し

(本記事は、ロータリー・インターナショナル・ポリオプラス委員会のジョン・セバー副委員長による講演からの抜粋です(Rotary Voicesブログに2014年に掲載)。本講演は、世界ポリオデーとソーク博士生誕100周年に寄せて、ポリオワクチン発明者であるジョナス・ソークとアルバート・セービンの功績をたたえるInnovations in Healthcareシンポジウム〔2014年10月23日、於ニューヨーク〕にて行われました。)EPN story photo

私は幸いにも、学会や国立保健研究所にある私のオフィスで、ソーク博士とセービン博士とお目にかかる機会に恵まれました。

特に記憶に残っているのは、1960年代にフロリダで開かれ、セービン博士と私が発表をした学会でのことです。初日の朝、妻と朝食のためにホテル階下に降りると、一人で朝食を取っていたセービン博士が一緒に食べようと誘ってくれました。博士は、キューバの医師たちが経口ポリオワクチンを新しい方法で使っているとの報告に喜んでいました。 続きを読む

ポリオ撲滅 ロータリーへの期待

寄稿者:岡安 裕正(ジュネーブインターナショナル・ロータリークラブ、WHO世界保健機関ポリオ撲滅イニシアティブ)polio blog okayasu

有史以来、人類を苦しめてきたポリオ(小児麻痺)。そのポリオを地上から撲滅するという大きな夢が実現する日が近づいています。7月21日現在、2017年に報告された野生株ポリオの症例数はわずか8例(アフガニスタン5例、パキスタン3例)で昨年同時期の19例を大きく下回っています。

先月のロータリー国際大会では、各国政府や主要ドナーが改めてポリオ撲滅に向けた決意を新たにするとともに、13億ドルの寄付を約束しました。

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たった2滴のワクチンで… 海をこえたワクチン投与体験記

寄稿:田代恭子(箱根ロータリークラブ)

もうすぐデリー。ヒマラヤからくる川は夕日に光っていた。

夕方6時、デリーのインデラ国際空港に到着。4回目のインド訪問である。入国手続きを済ませ、いつものガイドと落ちあう。インドの街は来るたびに進化しているが、三輪車の後ろに人が鈴なりに乗って、バイクは人をたくさん乗せて車のあいだをすり抜ける。混NID2017_4沌として、通りには牛や水牛、ヤギまでも … まるで動物園だ。

ロータリーのシャツと帽子をかぶって、街を歩く。世界に猛威をふるったポリオ(小児まひ)を撲滅するのも、あと少し。ポリオ撲滅には日本人のかかわりが大きい。インドではさまざまな工夫を凝らして、国全土で二度と罹患者が出ないよう、5歳以下の子どもたちに全国一斉でワクチンを投与するようになった。ワクチンの保存用冷凍庫も研究された。

今回、ロータリー第2780地区(川崎と横浜を除く神奈川)のポリオ撲滅行動グループは、貧困レベルが最も厳しい地域を担当した。 続きを読む

2016年インドポリオ投与活動を振り返って

 

寄稿者: 長尾 衣李子 (第2830地区ローターアクト直前地区代表)

私は昨年2月、インドでのポリオワクチン投与活動(NID)に参加しrotaract-india-2ました。そのときの体験談を紹介いたします。

この活動には、日本から総勢50人のロータリアン、その家族、ROTEX、ローターアクターが参加しました。その目的は、ポリオを世界から撲滅するため、実際にインドの現地に赴いてワクチンを子どもたちに投与することです。夜にデリー空港に着き、翌日活動を始めました。

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