人身売買の撲滅をめざす世界初のクラブ

寄稿:ウーシャ・レディ(Community Action Against Human Traffickingロータリークラブ会長)

教師である私は、自分が務める学校の生徒たちがお金のために性的搾取の犠牲となっていることを知りました。中には6歳の生徒もおり、しかも、それが麻薬を買う金稼ぎのために家族によって行われていました。子どもが2~3日連れ出され、また家に戻ってくるのです。私は自分に何もできないことに無力さを感じていました。

モデルやダンサーのスカウトと偽る人に勧誘されたという大学生たちとも話をしました。学生たちはそのことを恥じ、誰かに打ち明けるのをためらい、特に警察には話したがりません。

人身売買は現実の問題であり、皆さんが思っているよりも身近に起きています。2019年夏、トピーカ・ロータリークラブ(米国カンザス州)会員の声かけで、複数のクラブのロータリー会員が集まり、人身売買の社会的問題について、またそのために何をすべきかについて話し合いました。その2年後となる2021年1月には、Rotary Club of Community Action Against Human Trafficking (CAAHT)(人身売買と闘うコミュニティのロータリークラブ)が加盟認証されました。このクラブは、カンザスで初の分野特化型Eクラブ、また人身売買の撲滅に焦点を当てた世界初のクラブです。

私がクラブの初代会長を務めました。人身売買は、私にとって思い入れがある問題です。数年前、地元の郡警察の委員だった私は、人身売買に関する会議に出席して驚愕しました。地元で性的人身売買が横行し、それに関する対策がほとんど取られていなかったのです。

2019年、市のコミッショナーだった私は、元市長と協力して、マッサージ療法士、市当局スタッフ、地方検事、地元警察らとともに、マッサージ業界での人身売買防止を目的とする条例の可決に取り組みました。規制されていないマッサージ業界が、性的人身売買に悪用されていたのです。地方検事が地域社会での性的人身売買について、またその撲滅をめざす市の法律制定を支持する書簡を公表しました。この条例は解決策の一部でしかありませんが、これが実現したことで希望が見えはじめ、人身売買と性的搾取の撲滅への決意がさらに強まりました。

人身売買は複雑な問題であり、その多くが報告されることはありません。人種、社会的地位、性別、性的指向、学歴、年齢にかかわらず、誰でもその犠牲になり得ます。私たちのミッションは、人身売買を撲滅することです。

当クラブは現在、性的な搾取・人身売買の被害者の社会復帰をめざすプロジェクトのためにグローバル補助金を申請しています。第5710地区とケープタウン(南アフリカ)Eクラブをはじめ、カンザス州とケープタウンの複数のクラブとともに、性的搾取の犠牲者の支援団体Rended Heartと協力して、被害者の支援、研修、リソース提供、モニタリングなどを行う計画を立てています。

この新しいクラブの一員であることを誇りに思います。私たちのクラブは、世界を変える行動人として人身売買の撲滅に挑んでいきます。

詳しくは、CAAHTロータリークラブのウェブサイトFacebookTwitterInstagramをご覧ください。

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