気候変動と食料問題解決のための啓発ウォーク

ロータリアン、ローターアクター、有名人、地元市民がメッセージを掲げてカトマンズを行進

寄稿者:プラヤ・カーキ、プリンス・シャー(ネパール、カトマンズ・ローターアクトクラブ)

「気候変動」と聞いて気温上昇を思い浮かべる人が多いかもしれませんが、食料への悪影響について考える人は少ないでしょう。気候変動は農業パターンに悪影響を与え、不作や食料不足といった問題を引き起こします。これによって貧困と不平等が悪化し、恵まれないコミュニティがさらに飢えに苦しむことになります。

食料不足は、単に食べ物が足りないというだけでなく、人びとが必要な栄養を摂取できないことも意味します。都市部では、農業への悪影響によってジャンクフードへの依存や農薬に汚染された食べ物の消費が目立っています。ネパールの主要都市では、特に成長期の子どものいる家庭では、農薬汚染を恐れて市場で農産物を買うのを避ける人もいます。

こうした問題を受け、私たちは、この問題について啓発し、行動を呼びかけるための市民参加型のウォークイベントを企画しました。この取り組みへの強い意欲を示すため、多くの人がまだ寝ている土曜日の早朝7時に街頭にくり出しました。

伝統的な太鼓を叩きながら歩く参加者たち

朝日が降り注ぐ中、「FutureFeed」(*)の第1回イベントに大勢の人が集まりました。WWFネパールセーブ・ザ・チルドレン・ネパールとのコラボレーションで実現したこのイベントは、楽しさを交えることで幅広い層に参加してもらい、気候変動と食料不足という切迫した問題への意識を喚起することが目的でした。 多様な年齢層の総勢510人が参加。有名人や一般市民、多様な民族の人たちが、伝統的な太鼓のリズムとともに、バナーを掲げて歩きながらスローガンを唱えました。参加者たちは強い結束感を抱き、持続可能な明るい未来に向かって力強く行進しました。ゴール地点の近くでは、フラッシュモブ(**)によるパフォーマンスも行われました。

フラッシュモブのパフォーマンスで街の人びとの注目を集めました

気候変動や食料不足は人類共通の課題であり、解決するにはみんなが行動を起こす必要があります。参加した人たちは、ウォークが終わった後もこの問題や個人的な体験について語り合いました。SNSで投稿が拡散され、地元メディアでも報道されたため、私たちのメッセージを多くの人に伝えることができました。

どんな変化も最初の一歩から始まります。そして、大勢が一斉に行動することで勢いが生まれます。今回のイベントは、単なるウォークというより、気候変動の影響がより少ない未来に向けた大きな一歩です。空腹のまま寝床に入ったり、汚染された食べ物に依存したりしなければならない人が、誰一人あってはなりません。年齢や背景を問わず、誰もが、より持続可能な社会を生むために貢献できるのです。


*「FutureFeed Nepal」は、カトマンズ・ローターアクトクラブカトマンズ・ロータリークラブがWWF(世界自然保護基金)およびセーブ・ザ・チルドレンとパートナーシップを組んで合同で取り組んでいるキャンペーンです。

**フラッシュモブ:ネットでの呼びかけ等を通じて集まった大勢の人が公共の場で短いサプライズパフォーマンスを行うこと。

【最近の記事】
>> 安全な水とワクチン投与を通じてパキスタンでのポリオ根絶を目指す
>> ネパール先住民居住区での持続可能な農村開発
>> アフガニスタンでポリオを根絶する機会

コメントを残す