行動計画シリーズその2:ハリデイさんにお聞きしました
Q. ロータリーの行動計画は、参加者の基盤を広げることを呼びかけています。単に会員数を増やすというだけではなく、会員基盤についてどのようにもっと幅広く考えることができるでしょうか。
ハリデイ:これまでは会員数の目標、つまり「何名が入会したか?」に主な焦点を置いてきました。しかし、ロータリーが強く、効果的となり、次世代のリーダーを育てたいと願うのであれば、もっと多くの人を歓迎し、その後もずっとロータリーが居心地の良い場所であると感じてもらえるようにする必要があります。これは、もっと多様でインクルーシブ(包摂的)になり、すべての人に公平な機会を与えなければならないことを意味します。
Q. ロータリーが参加者の基盤を広げる上で、多様性、公平さ、インクルージョン(DEI)が重要なのはなぜですか。
ハリデイ:何より、それは正しいことだからです。多様性、公平さ、インクルージョンは政治的な問題ではありません。それは、私たちが互いに、そして地域社会に対して持つ責任です。私たちは皆、尊厳と尊重をもって扱われ、親睦と奉仕の平等な機会、そして、発言する平等な機会を持つ権利があります。ロータリーはグローバルな草の根の団体として、主導的な役割を担わなければなりません。
同時に、これは賢いことでもあります。入会候補者、特に職場でDEIを率先して実践した経験がある人は、DEIに消極的なクラブに嫌気がさすかもしれません。逆に、こうした人が、誰でも、どんなリーダーでも快く迎えているクラブに接すれば、最も効果的な親善大使となり、友人や知り合いにロータリーについて話してくれるでしょう。
さらに、異なる多くの視点をもつ参加者がいることで、より大きなインパクトをもたらすためのアイデアやプロジェクトの案が生まれると、クラブからも報告されています。これは驚くことではありません。職場での多様性、公平さ、インクルージョンの調査によると、背景、経験、意見の多様性は強みであることが示されています。
これは継続的な取り組みであり、成長し続けていくための機会です。大多数の会員は、ロータリーが取り入れている前向きな変化に勇気づけられ、やる気を高めていると思います。
DEIは全員で取り組むことができ、また、そうするべきであるということです。リーダーだけでできることではありません
ケイティ・ハリデイ
Q. クラブはどのようにして参加者の基盤を広げ、DEIへのコミットメントを実践できますか。
ハリデイ:重要な点が三つあります。まず、柔軟な会員モデルや例会の形式を通じて、クラブに参加しやすくすること。第二に、すべての会員が有意義な活動ができるようにすること。多様な背景をもつ人を例会や行事に招くだけでは十分ではありません。企画や意思決定にかかわってもらい、その貢献の価値を認める必要があります。最後に、外部の人の助けを借りること。多様性、公平さ、インクルージョンの研修において、地元の専門家と協力しましょう。これは、新たなパートナーシップを築く素晴らしい方法でもあります。
ロータリーには非常に多くのリソースがあります。「ロータリーボイス」のブログで参考となるDEI関連の記事やアイデアをお読みいただけるほか、my.rotary.org/membershipからダウンロードできる「多様な会員が集まるクラブに」(多様性調査)を使って計画を立てることができます。また、ロータリーのラーニングセンターにあるDEI関連コースの利用もお勧めします。
Q. DEIについてすべてのロータリー会員が知っておくべきことは何ですか。
ハリデイ:DEIは全員で取り組むことができ、また、そうするべきであるということです。リーダーだけでできることではありません。真に多様性があり、公平で、インクルーシブな文化があれば、持続可能な良い変化を生み、人びとが手を取り合って行動する世界というビジョンを実現できる可能性が広がります。

【プロフィール】
ケイティ・ハリデイ(Katey Halliday)
アデレード・ライト・ロータリークラブ(オーストラリア)に所属。アデレードシティ・ローターアクトクラブ創立会員。多様性・公平さ・インクルージョン・タスクフォースのメンバー。
>> クラブでできることを考えよう:rotary.org/actionplan
【関連記事】
>> ロータリーに存在する障壁について正直に話してみる
>> ロータリーDEIタスクフォースとの対話
>> DEIで大切なのは小さな変化で一歩ずつ前進すること
【最近の記事】
>> より大きなインパクトをもたらす(行動計画シリーズその1)
>> クラブでSNSを始めよう
>> 世界を魅了するメジャーリーグ