寄稿者:ジェニー・ストッツ(ロータリー第6690地区会員増強委員長)

ジェニー・ストッツさん
回復力(Resilience)とは、逆境においても、その状況に適応していくプロセスのことです。人間は衝撃的な出来事やストレスの強い場面に直面すると、脳が多数の神経経路を活性化させ、身体を守る仕組みになっています。このような生物学的プロセスのおかげで、私たちは健康を保っています。そして人はこのような出来事を乗り越えることで成長して変わることができ、また強くなれるのです。
現在、多くの人が新型コロナウイルスのパンデミックという現実に直面しながら日々を送っています。幸いなことに、回復力を大きくする方法がいくつかあります。今回の新型コロナウイルスの流行は、皆が一丸となってロータリアンやクラブの回復力を養い育むことで、ロータリーをさらに強くするチャンスでもあります。そのためのヒントをいくつかご紹介します。
つながる:回復力を養う上で大切な要素の一つは、単純に人と「つながる」ことです。まずは仲間のロータリアンと連絡を取ってみましょう。電話で話したり、メッセージを送るのもよいですし、会員がオンライン例会に参加できるよう準備するのもよいでしょう。また各クラブも、ロータリーというグローバルなネットワークに各会員が溶け込めるように、他のクラブとつながることを検討してみましょう。
大局を見る:人は逆境が続くと希望を失ってしまいます。だからこそ、現実を見つめ、ポジティブな思考を持ち続けらるよう仲間を励ましましょう。ロータリークラブは現在、例会の新しい形式に適応する必要に迫られ、また会員増強や寄付推進についても懸念が募るなど、困難に直面しています。しかし、この困難は決してロータリーの将来に影を落とすものではありません。私たちの将来は、この難局をどう乗り切るかにかかっているのです。
健康を保つ:私たちは、「隔離」や「ロックダウン」、「Zoom疲れ」などという言葉が一般的に使われるようになった時代を生きています。そんな今だからこそ、仲間の会員と一緒に健康増進、健康第一を心がけましょう。またオンライン例会では、会員自身や家族が実践している健康維持方法を紹介してもらいましょう。休憩が必要な人や、例会に出席できない人、Eメールの返信に数日かかってしまう人にも、優しく対応してあげましょう。今は点数争いや貢献度を競うような時ではありません。優しさをもって話し、耳を傾けましょう。
目的を持つ:人を元気づけると、自分自身の心も満たされます。そうすることで自尊心が磨かれ、目的意識や人の気持ちを汲み取る心も芽生えてきます。まずは、実行可能かつ達成可能な奉仕活動を仲間と一緒に計画してみましょう。また、現在進行中の大規模なプロジェクトと並行して小規模なプロジェクトを実施することで、会員一人ひとりが奉仕活動に参加しやすくなります。
感謝する:人は感謝の気持ちを心で受け止め、意識的に考えることで力を得ています。感謝されることで、セロトニンやドーパミンといった神経伝達物質の放出が促進され、喜びや幸せを感じやすくなります。ですから、ほんの少しだけ時間を取って仲間に感謝し、またクラブの全会員から地域社会やパートナーに感謝の気持ちを示す機会も作りましょう。
皆がお互いを気遣うことができれば、回復力を養い育むための道を切り拓くことができます。このような努力を組織レベルまで拡大することで、ロータリーの新たな潜在能力が解き放たれ、クラブの強化、会員体験の向上につながります。
世界は今、回復力、適応力、強さを兼ね備えたロータリアンとロータリークラブを必要としています。お互いを思いやる気持ちは大切ですが、自分自身を気遣うことも忘れないでください。あなた自身も、大きな回復力を備えた最高の自分になるべき大切な存在なのです。
寄稿者紹介:ジェニー・ストッツ。アセンズ・サンライズ・ロータリークラブ(オハイオ州)の創立会員。第6690地区会員増強委員長。現役のソーシャルワーカーであり、児童の権利擁護者、心的外傷の専門家。
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