ポリオ根絶への折れない心

列車事故で両足を失っても揺らがない、ポリオ根絶への決意   

フーマ・アシュラフさんについて世間で知られている唯一のこと、それはヘルスワーカーとしての活動です。

2023年9月11日、人生の岐路となる出来事が起きたその日も、彼女はヘルスワーカーとして外に出ていました。線路沿いのスラム街で活動していたときに列車事故に巻き込まれ、カラチ(パキスタン)の病院に救急車で運ばれたのです。

「あっという間の出来事でした。線路の向こうにある家を訪問しなければならなかったのですが、そこへ行くには線路を横切るしかありませんでした」。フーマさんは、事故当時のことを冷静に思い出します。「列車はまだ遠くにいるように見えたので渡れると思ったのですが、風が吹いて、私のドゥパッタ(スカーフ)が列車に巻き込まれてしまったのです」

一瞬の間に、彼女は両足を失いました。

事故を目撃した人たちが救急車を呼ぶ中、彼女は驚くほど冷静に、手術による再接着を願って足を拾い、行きたい病院を指定しました。

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