世界で機会の扉を開くロータリーの「外交官」たち

寄稿者:ジュディス・ディメント(ロータリー代表ネットワーク リーダー)

この1年は誰にとっても未曾有の時となりましたが、国連など22の機関のロータリー代表である私たちにとっても同じです。いわばロータリーの「外交官」である私たちの仕事は、これらの機関の主要人物と会い、関係を深めながら、ロータリー重点分野での協力を推進することです。しかし、コロナ禍の現在、これは容易な仕事ではありません。ほかの多くのロータリアンと同様、私たちもバーチャルな方法を活用して「ネット外交」を行っています。

引退した元スイス大使、ウォルター・ガイガーさんは現在、国連(ジュネーブ)のロータリー代表を務めています。昨年にイベント「Peace Project Incubator」(平和プロジェクト・インキュベーター)を計画しましたが、結局11月にバーチャルイベントに切り替えざるを得ませんでした。このイベントは、「平和のためのロータリー行動グループ(Rotary Action Group for Peace)」との共同開催によるもので、代表ネットワークのメンバーと、さまざまなロータリー関連グループとの連携促進を目的としています。ロータリー平和フェローも出席し、ロータリークラブの協力を必要とする50以上の平和プロジェクトを紹介しました(これらのプロジェクトの情報はイベントのウェブサイトでご覧いただけます)。

同じく11月、ブリュッセルのロータリー代表(マイケル・クーマンスさんとヒューゴ・スカリーさん)が、クナークRI会長と欧州議会議員マーリーン・モートラーさんが共同で主催した「世界健康安全保障(Global Health Security)」に関するバーチャル会議を運営しました。この会議の主な目的は、ポリオ根絶活動の資金調達のためのアドボカシーです。オンラインで世界中から450人以上が参加し、ルワンダとオランダのエキスパートもディスカッションに加わりました。

11月には世界保健総会でのディスカッションも行われ、世界ポリオ根絶推進活動(GPEI)におけるロータリーの役割の重要性が認められました。また、参加国は、ポリオ根絶のインフラがコロナ禍対応にも大きく貢献していることを認識し、ポリオ根絶支援へのコミットメントを改めて示しました。

1月には、WHO執行理事会、世界保健分野のリーダー、各国保健相がバーチャル会議を行い、世界ポリオ根絶の実現に向けた連携と緊急の取り組みを呼びかけ、ポリオの根絶は全世界が共有する責任であると指摘しました。代表者らは、ポリオ根絶の資産をほかの取り組みに持続可能な方法で移行することを支援し、「ポリオの資産移行」と「ポリオの根絶」という二つの目標を認識しました。GPEIパートナーシップの市民社会代表ともいえるロータリーとして、世界保健分野のリーダーたちに私から感謝を伝えました。

この1年間、私は英連邦首脳会議のアドボカシーにあたってきましたが、この会議もコロナ禍のため2021年6月に延期されました。コロナ禍を受けて会議のテーマに「保健」が追加されたことを嬉しく思います。また、英連邦のほかのNGOとも協力して、今月に開かれる英連邦高等弁務官会議に提出する保健関連の提案を準備しています。

ナイロビでは、元ケニア大使のジョセフィン・オジアンボさんが、UNICEFケニアとロータリー第9212地区の連携を促しながら、懸命にコロナ禍に対応しています。その結果、両者はコロナ禍対応とWASH in schools(学校での水・衛生)における2年間の提携を結び、大規模なファンドレイジングキャンペーンを立ち上げました。

ナイロビではさらに、ユネスコのロータリー代表であるサロメ・ギトホさんが、「コロナ禍世代のための教育の回復と再生」をテーマとするウェビナーに出席。これは、ユネスコ、国連本部、教育のためのグローバルパートナーシップ(GPE)、Centre for Interdisciplinary Studies(学際研究センター)が共同開催したもので、国連のアントニオ・グテーレス事務総長が「基本的人権と公共の利益としての教育」について話しました。今の子どもの世代を守るには教育を守る必要がある、と述べたグテーレス事務総長は、さらに次のように語りました。「2021年には、教育を見直し、教師を研修し、デジタル格差を埋めるために、さらに力を入れなければならない」

これこそ、ロータリー代表ネットワークの全30人のメンバーが行っていることです。すなわち、(特にコロナ禍において)多くのことを見直し、ロータリーがいかに機会の扉を開くか、いかに国際機関をつなげることができるかを考え直すことです。そうすることで、インスピレーション、知識共有、人道的奉仕プロジェクトでの協力の可能性をもっと促すことができるでしょう。詳しくは、ロータリーと国連の関係の歴史またはロータリー代表ネットワークニュースレター(英語)をご覧ください。

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