1本のマングローブから「ロータリーと共に 変えていこう」

寄稿者:ホープ A. シーリー(イーストナッソー・ロータリークラブ会長)
写真:アリス・ヘンソン(国際ロータリー)

180420_mangrove1昨今、風害や海岸浸食により世界各地、とりわけカリブ諸島の海岸が危機に瀕しています。さらに、気候変動もカリブ諸島の生態系に大きな影響を与えている一因となっています。そしてバハマのニュープロビデンス島も例外ではありません。

2002年に設立されたボーンフィッシュ・ポンド国立公園は、ニュープロビデンス島に残っているマングローブの貴重な生息地の一つとなっています。実は公園が設立された頃、敷地の一部はごみの廃棄場として使われていました。しかしバハマの国立公園を管理する非営利団体「バハマ・ナショナル・トラスト(BNT)」が長年にわたり清掃活動を続けてきた結果、マングローブの生息に適した土地へと姿を変えたのです。

ところで「なぜマングローブなのか」と疑問を持つ人もいるでしょう。

実はマングローブは、小さな魚やザリガニにとって暮らしやすい環境を作っているだけでなく、この島を風害や海岸侵食から守る上でも無くてはならない存在なのです。しかしその一方でマングローブの個体数は減少の一途をたどり、世界各地のマングローブは今現在も都市開発の犠牲となっていることも事実です。だからこそ、マングローブが人間の生活に大きく寄与していることを私たち一人ひとりが認識していかなければなりません。

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植樹に参加するバリー・ラシンRI会長エレクト

このような中、バハマ・ナショナル・トラストによるニュープロビデンス島のマングローブの個体数を増やす取り組みが功を奏しています。

2017年12月、私たちのクラブ(イーストナッソー・ロータリークラブ)はナッソー・サンライズ・ロータリークラブナッソー・サウスイーストウェスト・ナッソーイーストナッソー・ローターアクトクラブと連携し、AtlantisとLeon Native Plant Preserveから寄贈されたマングローブの珠芽(苗木)を植えるプロジェクトを実施しました。

この取り組みの目的は、次の世代のために健全な自然環境を残し、そして何よりも気候変動の影響から私たちの地域社会を守ることです。気候変動が起これば潮位が上昇し、バハマなどの低地国が被害を受けることは必至です。

私たちはボランティアやパートナー組織と一致団結してボーンフィッシュ・ポンド国立公園の180420_mangrove2気候対応力を高める取り組みを進めており、この支援活動は地元や遠方のロータリアンにとって現在進行中のプロジェクトとなっています。実際、この取り組みを後押しするある大規模な連携プロジェクトが4月7日にこの地で実施されました。「国際ロータリー会長エレクト・バリー・ラシン地域社会奉仕の日」と銘打ったこのプロジェクトには200人を超えるロータリアンが駆けつけ、8つの奉仕プロジェクトを一日で行いました。また新たに45人がロータリアンとして清掃活動に加わり、マングローブの生息地に新しい苗木を植えました。さらにローターアクターの手も借り、プロジェクトを実践的に進めていったのです。

今回のマングローブ保全プロジェクトが、ニュープロビデンス島の生態系や住民の利益となって次世代へと受け継がれるだけでなく、沿岸の地域社会が自分たちの手で海岸線を守ったという前例を作ることに繋がればと思います。

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