日米合同プロジェクトで米国高校生に平和教育

寄稿者:関 博子(東京米山友愛ロータリークラブ会員)

「核廃絶と平和構築」をテーマとする模擬国連を開催

10月22日、南カリフォルニアのPalos Verdes Peninsula 高校で開催された「ロータリー模擬国連会議(ROTARY MODEL UN Peace Conference)」 に参加してきました。これは、ロス在住の中曽根牧子ガバナーエレクトの協力で実現した高校生対象のプログラム「南カリフォルニアにおける青少年に対する平和教育活動」の一環であり、ロータリー財団のグローバル補助金を活用しています。同校で日本語を教える岩見幸子先生(元ロータリー財団奨学生)の協力もあり、日米ロータリークラブ、地元高校、Model UN(模擬国連)を推進する団体Best Delegateが連携して開催できました。目的は、高校生に平和について考えてもらいながら、将来のリーダーを養成することです。

南カリフォルニアという土地は、日系人も多く、多様な人種が共存する地域です。いじめ、ヘイトクライム、戦争が起きている状況の中で、子どもたちが命の尊さを学び、生きていく勇気を与えたいという思いもありました。

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各地で育ちつづける被爆樹木二世たち

『原爆で黒焦げになった太い木が 翌年、白い芽を出した。 今でも元気である。広島の人は自分たちも生きていけるかと思った。我々も生きていく。
このツバキが原爆の惨状を見ていた。ツバキは亡くなった人の死を悼み、また世界に向けて平和を呼びかけた』
川妻二郎(ロータリー会員・被爆者、ツバキ植樹式[米国パサデナ]でのスピーチより)

Kofu South

「イチョウがつなげる平和の願い」に参加した地元保育所の子どもたち。写真提供:甲府南ロータリークラブ

原爆投下後「75年は草木も生えない」と言われた広島には、「被爆樹木」と呼ばれる木々があります。爆心地から半径2キロメートル以内に散らばるこれらの木は、原爆を生き延びた「被爆樹木」として広島市から特別に認定されています。原爆で焼け焦げた樹木から新しく芽吹いた芽は、被災した市民に生きる勇気と希望を与えたと言われています。 続きを読む

新しい平和拠点をつくる

~広島・長崎 爆心地 中間点 上毛町-未来へつなぐ平和の架け橋事業~

寄稿者:錦織 亮雄(広島東南ロータリークラブ、創立60周年記念事業実行委員長)

Three mayors

(左から)松井一實氏(広島市長)、坪根秀介氏(上毛町長)、田上富久氏(長崎市長)

広島東南ロータリークラブは、被爆都市広島の中心部をテリトリーとするクラブとして60年前に創立されて以来、多様な平和推進活動に力を入れてきました。創立5年目には、「知客寮」(チカクリョウ)という原爆孤児の帰郷のための家をつくりました。1982年にはパールハーバー・ロータリークラブ(米国ハワイ州)と姉妹縁組を結び、「ヒロシマ」と「パールハーバー」という戦争体験の恩讐を超えて交流や共同奉仕活動を続けています。最近では、広島の被爆樹木の保護や苗などを各地に配布する平和運動の支援にも力を入れています。

ロータリーでの平和推進活動は、多くの難しい側面をもっています。「平和」という誰もが望む大きく深い命題では、その到達への道筋は多様であり、到達点さえも定かではありません。それゆえに活動は、 続きを読む

第二の人生を平和活動に捧げる

~川妻二郎氏(東京米山友愛ロータリークラブ会員)とのインタビュー

Kawatsuma原爆で家族や親せきを亡くし、戦後に広島で事業人として一途に働いてきた川妻二郎さん。事業を引退し、現在は東京暮らし。バンクーバーでの平和会議から帰国した翌日のインタビューだったにもかかわらず、身を乗り出し、生き生きとお話しする姿は、とても91歳とは思えません。思わず「お元気の秘訣は?」とお聞きすると、「第二の人生で生まれ変わったから」と冗談っぽく語ります。東京に上京して以来、会員平均年齢が30代だった東京米山友愛ロータリークラブに入会し、若い会員たちと和やかに歓談する姿が印象的です。

『The Rotarian』誌の今年1月号(『ロータリーの友』誌2月号)には、川妻さんの原爆体験を記した記事が掲載されました。そんな川妻さんに、広島での事業人しての人生、そして東京での平和活動家としての第二の人生にいたった経緯についてお話を伺いました。 続きを読む

広島への旅:「記憶」について考える

寄稿者:ロレーナ・ロドリゲス(ロータリー平和フェロー、国際基督教大学) 

Lorena Hiroshima 2去る3月、国際基督教大学のロータリー平和フェローである私たちは、広島を訪れる機会に恵まれました。東京のホスト地区と広島ロータリークラブによる計らいのおかげで、1945年に投下された原爆を生き延びた方と会ったり、広島平和記念公園と資料館を訪れることができました。広島では、数多くのストーリーが、写真、絵画、慰霊碑、詩、そして被爆した人間以外の生物たち(例えば被爆樹木)など、さまざまな形で語られています。これらのストーリーは、「記憶」と「平和」という私の主なテーマについて、これまでとは違う視点で考えるきっかけを与えてくれました。

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バンクーバーでのRI会長主催平和会議に参加して

寄稿者:中前 緑(東京米山ロータリーEクラブ2750、香港在住)

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分科会の様子

今年2月、私が参加している日米クラブ合同奉仕プロジェクト「Heiwa: Rotary Hiroshima Survivor Trees」チーム関係者が、カナダのバンクーバーで開催されたRI 会長主催平和会議に参加しました。私自身、RI会長主催平和会議には今回で2度目の参加で、バンクーバーは私が20代後半に過ごした懐かしい場所です。

この会議では、松井一實広島市長より川妻二郎パストガバナー(原爆体験者)に託されたビデオメッセージと記念品をお預かりし、広島から平和を願う心をお届けするという大切な役目がありました。会議実行委員会に挨拶に伺ったところ、一同が作業の手をとめ、日本から唯一の講演者である川妻パストガバナーを拍手で迎えていた光景は今でも忘れられません。松井市長はビデオの中で、163カ国7558都市が加盟中の平和首長会議の活動とその意義について語られ、ともに一体となって核兵器の廃絶と世界恒久平和の実現を目指していこうと呼びかけられました。
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平和の心を世界に広げる樹木

寄稿者:関 博子(東京米山友愛ロータリークラブ)

Tsubaki California

Storrier Stearns 日本庭園に植えられた被爆樹木二世の椿

国際大会中の6月12日、アトランタにあるカーターセンターで、広島原爆を生き延びた被爆樹木二世のイチョウの正式な植樹が行われました。カーターセンターは、ノーベル平和賞受賞者カーター元米大統領により設立された施設です。

当日はあいにくの大雨で、当初予定していた屋外での植樹はなくなり、室内でのセレモニーとなりました。田中作次元会長も出席され、ジャーム会長やカーターセンターCEOが挨拶されたほか、広島出身の川妻二郎パストガバナーがスピーチされ、被爆樹木の証明書が贈呈されました。セレモニーの後には、雨の中、庭に植えられていた被爆樹木を各自見学しました。一般の方にも見ていただける緑の美しい庭園内にあります。 続きを読む