人身売買の撲滅をめざす世界初のクラブ

寄稿:ウーシャ・レディ(Community Action Against Human Traffickingロータリークラブ会長)

教師である私は、自分が務める学校の生徒たちがお金のために性的搾取の犠牲となっていることを知りました。中には6歳の生徒もおり、しかも、それが麻薬を買う金稼ぎのために家族によって行われていました。子どもが2~3日連れ出され、また家に戻ってくるのです。私は自分に何もできないことに無力さを感じていました。

モデルやダンサーのスカウトと偽る人に勧誘されたという大学生たちとも話をしました。学生たちはそのことを恥じ、誰かに打ち明けるのをためらい、特に警察には話したがりません。

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LGBTQ+の人びとが参加しやすいクラブづくりを

~「多様性・公平さ・インクルージョン(DEI)」シリーズ第3回

寄稿者:グラント・ゴディノ(LGBTと仲間のロータリアン親睦活動グループ会長エレクト、Strathmoreロータリークラブ[オーストラリア]会員)

LGBTQ+(レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダー、クィア、クエスチョニング、ジェンダー多様性)の人たちが参加しやすいロータリーについて私がアイデアや意見や事例を話すと、多くのリーダーがこう言います。「うちのクラブ/地区の会員はいい人ばかりで、悪い人はいない。だから問題ないだろう?」と。また、「なぜロータリーがそんな政治的なことをしているのか」とか「私の地元にはゲイはいない」といった言葉も耳にします。

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中核的価値観としての「多様性」

ホルガー・クナークRI会長とのインタビュー/「多様性・公平さ・インクルージョン(DEI)」シリーズ第1回

By デイブ・キング(RIBI『Rotary』誌編集者)

「もちろん、これからの10年がどうなるかは誰にもわかりませんが、どうなろうと、私たちが果たすべき特別な責任を常に意識しなければなりません。なぜなら、ロータリーで私たちは公平さ、寛容、平和という価値観を信じているからです。今まさに、世界各地で『寛容』の重要性が高まっています。ロータリーとは政治的な団体ではなく、これからもそうあってはなりませんが、明らかに間違ったことがあれば、目を背けることはできません。ロータリアンは沈黙してはなりません。私たちは、ロータリーの価値観と「四つのテスト」を身をもって示します。私たちの真価は、結果だけでなく、態度で試されるのです」 ホルガー・クナーク(2020年1月24日)

2020-21年度RI会長ホルガー・クナーク氏。ドイツ、ラッツェルブルグの自宅前にて。

今年はじめ、サンディエゴ(米国)で開かれた国際協議会の講演で、ロータリー会長エレクトだったホルガー・クナーク氏がこう語ったとき、その3カ月後にこれらの言葉がいかに予言的なものとなるかを知っていた人はいませんでした。

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