理数系分野のジェンダーギャップ解消をめざす

~女子高校生を対象としたワークショップでIT分野や社会問題への意識を喚起

寄稿者:川妻 利絵(広島西ロータリークラブ会員)

近年、理数系分野におけるジェンダーギャップが世界中の課題となっています。その中でも日本は、2021年ジェンダー平等指数が156カ国中120位であり、特に、大学の理数系分野における女性の割合はOECD加盟国では最下位というデータも発表されています。日本ではいまだに「理系=男性」という固定概念が強く、保護者や教員、教材が女子生徒を理数系選択から引き離しているとも言われています。

IOT(モノのインターネット)やAI(人工知能)などの新興技術の台頭で第4次産業革命の波が訪れている中、IT産業におけるジェンダーギャップは世界的課題として注目されています。わが国でもIT分野におけるジェンダーギャップの是正は重要性が高く、教育を通して課題解決することが必要と考えられていますが、特に地方都市ではIT分野を学ぶ環境が充分ではありません。

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私がジェンダー平等推進に力を捧げる理由

~UNICEFのブログに掲載された記事より

寄稿者:シェカール・メータ(2021-22年度国際ロータリー会長)

2022年にコートジボワールで算数を学ぶRokiatouさん(5歳)。新型コロナウイルスのパンデミックにより、世界で数百万人の生徒が対面学習が受けられなくなり、多くの生徒が長引く学校閉鎖の影響を受けています。パンデミック後に女児が授業に戻る可能性は、男児と比べて低くなると見込まれています。

UNICEF(国連児童基金)ガーナのプログラムスペシャリストは、1月に発行されたUNICEFのブログで次のように指摘しました。「女児たちが健康で教育を受けていれば、経済発展、貧困緩和、子どもの福利の改善によって社会全体が恩恵を受け、次世代のための可能性がぐんと高まる」。私もこれにまったく同感です。

女児・女性も男児・男性と同じ機会が与えられている家系で育った私は恵まれています。母はジョードプル国立大学を卒業した最初の女性の一人であり、娘は博士号の取得を目指して学業に励んでいます。しかし、インドや世界各国ですべての女性と女児が同じ機会を与えられ、リソースを使用できるわけではありません。すべての女児が教育を望む一方で、家族の世話や家計のために労働を余儀なくされている女児もおり、私の自宅から数キロしか離れていない貧困地域でもそのような格差を私は目にしました。新型コロナウイルスのパンデミックによって、そのような不平等はさらに悪化しています。

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