パンデミックが収束したと言うにはまだ早い

~ビオンテック社CEO ウグル・サヒン氏とのインタビュー

※本稿は、ドイツとオーストリア向けロータリー雑誌によるインタビュー記事(2021年8月1日にrotary.deに掲載)を翻訳したものです。

欧州では例年通りの夏が戻ってきたかのように見えるこの数カ月間も、独ビオンテック社はコロナワクチンの改良に取り組んでいます。同社CEOウグル・サヒンさんが現状と今後の見通しについて語りました。

妻のテュレジさんおよびクリストフ・フーバーさんと共同で2008年にビオンテック社を設立したサヒンさんは、何より科学を重んじ、大げさな身振りや哀れを誘う話はしません。2020年11月9日、「有効なワクチンが開発された」という誰もが待ち焦がれたニュースが世界を駆け巡り、同社は12月からワクチン提供を開始。今年3月末にワクチン接種の効果が明らかになって以来、同社の株価は高騰しています。

続きを読む

「ロータリー奉仕デー」地球環境保全グローバルプロジェクト

寄稿者:新井和雄(国際ロータリー第2820地区ガバナー)

2021年9月12日、国際ロータリー第2820地区(茨城県)の呼びかけに、世界各地のロータリークラブが呼応し、それぞれの国のそれぞれの地区で市民と共に、海岸や河川や湖沼を綺麗にするプロジェクトを行いました。

第2500地区(北海道)
続きを読む

学問と実践を結ぶことを夢みて

寄稿者:ジャンルカ・ボナンノ(京都大学東南アジア研究所・トリノ大学世界情勢研究所准教授、国際平和と開発機構[IPSO]理事長、ロータリー学友)

私はイタリアと英国の二重国籍を持っていますが、ロータリーとともに歩む旅は、2009年に京都で始まりました。当時、大学院で国際関係の博士号取得を目指していた私は、ありがたいことにロータリー米山記念奨学金をいただき、博士課程での研究を続けることができたのです。

その時はただの奨学金だと思っていましたが、思いがけず、職業的、人間的に大きく成長する機会がもたらされることとなりました。

学問と現場の乖離に気づく

学者の家庭に生まれた私は、子どもの頃、世界中の大学の誰もいない教室でよく遊びました。日頃から身近なところで教育に触れていた私は、幼いときから、いつかは教授として教育に携わることになると思っていました。

続きを読む

最新レポートで見る世界平和の現状

寄稿者:マイケル・コリンズ(Michael Collins、経済平和研究所、アメリカ局長)

画像をクリックするとレポート(英語、PDF)をダウンロードできます

去る6月、経済平和研究所(the Institute for Economics and Peace=IEP)が、今年で15年目となる世界平和度指数を発表しました。この指数は、全世界の平和度を測る主要な基準のひとつです。2017年以来、IEPとロータリーは戦略的パートナーシップを結び、世界各地で平和を効果的に築く新たなツールを会員に提供してきました。私も、世界平和度指数を算出するプロセスに携わりながら、ロータリー会員の皆さんと協力する機会に恵まれたことを嬉しく感じています。

続きを読む

子ども食堂とともに歩むロータリークラブ

寄稿者:藤野直子(名古屋名東ロータリークラブ会員)

皆さんは、「子ども食堂」をご存知ですか?

「夏休みに、一日の食事がバナナだけ」というお子さんがいることを知った東京都大田区の八百屋さんが、ご飯を食べさせてあげたことから「子ども食堂」は始まりました。それから9年、今では日本中に、約5000カ所もの「子ども食堂」ができました。地域のボランティアグループなどが運営する子ども食堂では、無料または安い金額で食事を用意しています。本当に空腹なお子さんもいれば、わいわい楽しいから来るお子さんもいます。「こども食堂が、唯一の外食」というシングルマザーの親子も来ます。「一人で食べるご飯はつまらない」と言って、子ども食堂のボランティアをしてくれるおじいちゃんもいます。学校には足が向かない中学生がお子さんの遊び相手になってくれたり、大学生が宿題を教えたり、それぞれの思いやりと優しさが集まって“心休まる居場所”となっているのが「子ども食堂」なのです。

続きを読む

シリア紛争の10年

By Victoria Ifould(災害救援団体「シェルターボックス」スタッフ)

シリア危機は、これまでにシェルターボックス*が対応してきた最大かつ最も長期にわたる課題です。2012年12月以来、40万人以上を支援し、テントや冬用衣類の提供など、必要な支援を行ってきました。
(* シェルターボックスは、災害救援活動におけるロータリーのパートナー団体です

紛争開始から10年が経過した現在も、繰り返される争いによって故郷を追われる家族が後を絶たず、緊急シェルターが引き続き必要とされています。また、長年使用され、修理が必要なシェルターも多くあります。

年月を重ねるごとに、シリアの惨状は主要なニュースメディアで取り上げられなくなります。しかし、世界中のロータリークラブやローターアクトクラブからの継続的な支援のおかげで、シェルターボックスは支援活動を続けることができています。 シリア紛争の報道では、しばしば数字や統計が注目されます。現地では、これまでに1,230万人もの市民が避難生活を余儀なくされていますが、この数字から状況を想像し、紛争が人びとに与えている影響を理解することは難しいでしょう。統計の背後にある、10年間の悲惨な現実を伝えることが重要なのです。

続きを読む

水と衛生の課題に取り組むロータリー行動グループ

By Brian Hall(WASHロータリー行動グループ運営委員長)

メルボルン(オーストラリア)のあるロータリアンは、インドネシアの湧き水からカドミウムを除去する方法を知りたいと感じていました。同じ頃、ジンバブエのあるロータリアンは、下水を農業用に処理する方法について情報を求めていました。また別のロータリアンは、エチオピアでの水文地質調査の見直しを必要としていました。

いずれのケースでも、ロータリアンは、水と衛生(WASH)のロータリー行動グループに連絡を取りました。このグループは、水と衛生に関する専門的知識と豊かな経験をもつロータリアンで構成されています。結果として、3名のロータリアンは数日以内に必要とする情報を得ることができました。

この行動グループは、地域社会における水と衛生へのアクセス拡充に取り組むクラブと地区に、さまざまなサポートを提供するために結成されました。グループが独自のプロジェクトを行うのではなく、ロータリアンによる活動の効果を最大化させるために支援を行います。具体的には次のような方法でサポートを行います。

続きを読む

ワクチンボランティア 最高の日

By Steven Sanbo(第6690地区パストガバナー)

私が思い出すのは、何百人もの人びとの顔。希望、安堵、感謝、恐怖、喜び、興奮、絶望、不安、そして涙。マスクの裏に隠されたこれらはすべて、2月にアリゾナの集団予防接種センターで目の当たりにしたことです。

何百人もの、これほど多くの感情が浮き出た顔を見るのは、2014年、貿易学校を開くためにロータリーでグアテマラを訪れたとき以来です。活動現地付近でマグニチュード7.4の地震が発生し、村人たちは、支援、食料、水、シェルターを求め、行方不明の家族のための希望を必要としていました。私とほか2人のロータリアンは、シェルターボックスを出動させるボランティアとなり、希望に応えるために活動したことを覚えています。

続きを読む

インパクトを測ることはなぜ大切なのか

データ重視のアプローチでプロジェクトの成果と進展を記録

『Rotary』誌2021年3月号より

ローターアクトとRYLA学友が結成したEクラブ「Rotary Social Impact Network (RSIN)」は、設立当初から奉仕活動においてデータ重視のアプローチを取ってきました。

加盟認証後の最初のプロジェクト「Plastic Free July」では、プラスチックごみに関する認識向上キャンペーンを実施。データでプラスチック使用量を計算し、プラスチックごみの少ない生活様式を促進することが狙いでした。クラブはまず、オンラインの環境インパクト計算機を使って各会員が一日に使うプラスチックの量を調べ、これを基準値としました。各会員が生活様式を切り替える努力をし、プロジェクトの終わりにもう一度計算して成果を確認しました。

続きを読む

大きな目標に向けた小さなステップ

寄稿者:ラファル・トンデラ(ワルシャワ・ユゼホフ・ロータリークラブ/ワルシャワ・ローターアクトクラブ会員)

さまざまな方法で水・電気を節約し、プラスチックゴミの無駄を減らしました

豊かな自然はポーランドの誇りです。国際ロータリーが正式に「環境」を重点分野のひとつに決めたとき、当地区(第2231地区)のインターアクトクラブ、ローターアクトクラブ、ロータリークラブは大喜びしました。これを記念してプロジェクトを行うことに決めましたが、その成果は発起人である私たちも驚くほどでした。

「大きな目標に向けた小さなステップ(Small Steps Towards a Bigger Goal)」プロジェクトは、第1920地区(オーストリア)のローターアクターたちによる「エコチャレンジ」からインスピレーションを得たもので、私たち独自の趣向も加えました。ポーランド国内16のローターアクトクラブとロータリークラブが、「水と衛生週間」である3月、ささやかな行為で大きなインパクトをもたらせることを実証したのです。

続きを読む

世界で機会の扉を開くロータリーの「外交官」たち

寄稿者:ジュディス・ディメント(ロータリー代表ネットワーク リーダー)

この1年は誰にとっても未曾有の時となりましたが、国連など22の機関のロータリー代表である私たちにとっても同じです。いわばロータリーの「外交官」である私たちの仕事は、これらの機関の主要人物と会い、関係を深めながら、ロータリー重点分野での協力を推進することです。しかし、コロナ禍の現在、これは容易な仕事ではありません。ほかの多くのロータリアンと同様、私たちもバーチャルな方法を活用して「ネット外交」を行っています。

続きを読む

世界各地のクラブによる環境プロジェクト

ロータリー会員は長年、地球を守るさまざまな活動を実施してきました。今年7月から「環境」が正式にロータリー重点分野の一つとなることで、ロータリーで環境を守る機会がさらに広がるでしょう。今回は、世界各地で実施されているロータリーの環境保護活動をいくつかご紹介します。

続きを読む

Magic of Rotary ~ロータリーの力~

一つの出会い、一つの行為が大きな変化に

寄稿者:河地妙美(日本ロータリーEクラブ2650会員)

パンデミックが世界を席巻する今、私たち社会の危うさが一層あらわになっています。せわしくアップデートされる世の中では、失望や怒りが渦巻き、大切な思いやりや共感、そして対話を忘れてしまったかのような出来事が報道されています。

でも私たちはひとりではありません。人が動けば、水面に石を投げ入れた時のように、その影響は周囲に広がっていきます。私たちには、未来のために良いことを行う力があります。出会いによって別の世界が現れ、ひとつの小さな行為が大きな変化を起こします。

人と人の出会い、そこで生まれるつながり、そのつながりの連鎖が、社会を動かします。ロータリー会員である私は、これを幾度となく体験してきました。私はこれを、「Magic of Rotary」と呼んでいます。

続きを読む

都市養蜂で「自然+コミュニティ」のスタイルを

京都東みつばちプロジェクト(Kyoto-East NICO² HONEY PROJECT)

寄稿者:仲田吉儀(京都東ロータリークラブ)

平安神宮の大鳥居のすぐ近くで、みつばちの飼育に取りくむ京都東ロータリークラブ会員(写真をクリックすると別のウィンドウで開きます)

平安神宮のすぐ近くで

京都市左京区に位置する岡崎地区は、平安神宮、京都国立近代美術館、京都市動物園、コンサートホールなどが集まる京都の文化ゾーン。私たちは、平安神宮の大鳥居を間近に臨むビルの屋上で、みつばちの飼育を始めました。

きっかけは、かつて35年の歴史ののちに終結したローターアクト復活の呼び水にするという発案で、かねてから都市養蜂に関心があり、都市養蜂家とのネットワークを有する森田会長肝いりのアイデアでした。巣箱を置いている岡崎地区は京都東クラブの所在地で、クラブのバナーには平安神宮の大鳥居の絵柄があしらわれています。まさに京都らしい、最高のロケーションでの試みとなりました。

続きを読む

緑の散歩道プロジェクト

寄稿者:小林・テンピア・ジュリエット(名古屋中央ローターアクトクラブ 2020-21年度会員)

私は小さいころから、環境とまちづくりに強い関心を持ってきました。環境に優しい街、外を歩きたいと思うような街は、自分だけでなく、大事な家族や友人の幸せにつながると思っています。

国際ロータリー第2760地区が「RAC-1グランプリ」プレゼン大会を実施し、優勝したローターアクトクラブに活動支援金30万円を与える、しかもプレゼンのテーマが「環境のためのロータリー・ローターアクト共同事業」だと聞いたとき、すぐに参加したいと強く思いました。ロータリーファミリーが一丸となり、よりよいまちづくりの実現に貢献するという強いミッションを感じました。

優勝を目指してプロジェクトを計画

私はフランスから来日して以来、名古屋の夏は暑く、緑が少ないと感じていました。市内に緑を増やせば、市内の風通りがよくなり、日陰が増えることで気温が低下する、また、交通の騒音や大気汚染の減少といった効果が期待できます。

続きを読む

コロナ禍で考える:疾病予防におけるロータリーの役割

By アン・マリー・キンボール(Bainbridge Islandロータリークラブ会員、ロータリー財団専門家グループメンバー)

ロータリーは、新型コロナウイルスとの闘いに懸命に取り組んでいます。ロータリーで新しく設置されたタスクフォースのメンバーの役を仰せつかったことは光栄ですが、同時に、ロータリアンとして私たちの役割は何かと考えています。コロナ禍において、ポリオ根絶活動の進展をどのように維持していけるでしょうか。

世界に120万人の会員と35,000のクラブを擁するロータリーには、地元や世界におけるコロナ禍の終息のために果たすことのできる役割があります。コロナ禍により、特にパキスタンとアフガニスタンといった重要な地域でポリオ根絶と小児予防接種の取り組みが脅かされており、ほかの多くの国でも小児予防接種率が低下しました。しかし、ロータリーとパートナー団体が各国政府と連携して、休止されていた予防接種が再開され、その成果が現れ始めています。私たちには、ポリオ根絶を実現に導き、かつコロナ禍を終息に導くという二つの役割があり、これらは密接に結びついています。

続きを読む

環境を守る鍵はモチベーション

By ドミニク・ハンドルフ(ドイツ、Nürtingenローターアクトクラブ副会長)

私たちのローターアクトクラブでは、世界中のクラブで植樹へのモチベーションを高めてもらいたいという思いから、“Treety of Generations*”というプロジェクトを立ち上げました。
*編集者注記:“Treaty of Generations”(世代の協定)を、木(Tree)のトピックに合わせてもじった表現。

続きを読む

シリアの子どもたちを守る

寄稿者:ムーイー・ヤン(2019-21年度ロータリー平和フェロー、ウプサラ大学)

運動場の清掃のあとにゴールネットを修繕する生徒たち。
ムーイー・ヤンさん

10年前、もし誰かに「あなたは紛争後の国に非営利の学校を設立するだろう」と言われたら、私はきっと笑い飛ばしていたでしょう。当時、私は商品取引会社のセールス担当としてクライアントの訪問や炭鉱の視察をしていました。

同僚たちとクライアントを訪問したときのことです。私は、炭鉱で子どもが働いているのを見て驚きました。10歳に満たないような子もいました。そのクライアントは、就労の法的年齢に達していない子がいる事実を隠していたことを認めました。

続きを読む

ロータリーで平和を築く機会

平和構築と紛争予防」はロータリーの重点分野の一つです。しかし、「平和」といってもどこか漠然としていて、具体的にどんな活動をすればよいのか、とお考えの方もいるでしょう。

「どうしたら平和構築に寄与できるか?」 その答えは、ロータリーにあります。世界の隅々にクラブがあり、異なる国の会員同士による協力や親睦を土台するロータリーには、平和構築のさまざまな機会があります。

続きを読む

地域の社会起業家を育てる

「愛宕創業支援塾ビジネスプランコンテスト」~優勝特典はクラブメンバーの専門性の無償提供

寄稿者:加藤俊吾(東京愛宕ロータリークラブ会員、愛宕創業支援塾ビジネスプランコンテスト実行委員長)

優勝者、デフサポの牧野友香子さん

東京愛宕ロータリークラブでは創立以来、“地域の社会課題の解決を目標とした起業家”を対象とした、現役の経営者を招いた講演会などの支援プログラムを定期的に開催してきました。

今回は、具体性と行動の伴った社会起業家をサポートしたいとの想いから、もう一歩踏み込んで、愛宕創業支援塾ビジネスプランコンテストを開催しました。

コンテストの応募総数は12社、予選審査を通過したファイナリストは4社。

続きを読む

日本のマイノリティに光をあてる平和フェロー

「多様性・公平さ・インクルージョン(DEI)」シリーズ第4回

寄稿者:ファラ・ハスナイン(国際基督教大学 ロータリー平和フェロー)

「私の目標は、アメリカに対する生徒たちの見方を変えること。日本での英語教員は白人が圧倒的多数ですが、アメリカの真のアイデンティティがいかに多様で多面的であるかを身をもって示したいと思います」

2014年、日本の高校での英語教員としてJETプログラムに参加するため、私は申請書にこう書きました。当時、このことが私の日本生活にどれほどのインパクトを与えるかは想像もしていませんでした。教壇に立ち、居眠りする生徒を起こし、日本のコピー機の使い方に頭を悩ませる毎日を過ごすうち、浜松市(静岡県)の田園風景と工場の煙の中に、もう一つの世界が存在することを少しずつ意識するようになりました。

続きを読む

コロナ禍と闘う力を地域社会に

By ボナベンチャー・ファンドハン(「地域社会の経済発展」重点分野担当マネージャー)

コロナウイルスは全世界、特に発展途上国の労働者階級に深刻な影響を与え、公衆衛生への脅威のみならず、数百万という人びとの生計と福利に長期的なダメージを及ぼしています。最終的にどれほどの影響となるのかは誰にもわかりませんが、新興市場や発展途上経済の大部分が後退を余儀なくされるでしょう。

コロナ禍による労働市場への影響に関する国際労働機関(ILO)の最新データによると、部分的・全面的なロックダウンにより、非公式経済における労働者、世界の数億という企業、接客サービス業に破滅的影響が及んでいることは明らかです。 

続きを読む

中核的価値観としての「多様性」

ホルガー・クナークRI会長とのインタビュー/「多様性・公平さ・インクルージョン(DEI)」シリーズ第1回

By デイブ・キング(RIBI『Rotary』誌編集者)

「もちろん、これからの10年がどうなるかは誰にもわかりませんが、どうなろうと、私たちが果たすべき特別な責任を常に意識しなければなりません。なぜなら、ロータリーで私たちは公平さ、寛容、平和という価値観を信じているからです。今まさに、世界各地で『寛容』の重要性が高まっています。ロータリーとは政治的な団体ではなく、これからもそうあってはなりませんが、明らかに間違ったことがあれば、目を背けることはできません。ロータリアンは沈黙してはなりません。私たちは、ロータリーの価値観と「四つのテスト」を身をもって示します。私たちの真価は、結果だけでなく、態度で試されるのです」 ホルガー・クナーク(2020年1月24日)

2020-21年度RI会長ホルガー・クナーク氏。ドイツ、ラッツェルブルグの自宅前にて。

今年はじめ、サンディエゴ(米国)で開かれた国際協議会の講演で、ロータリー会長エレクトだったホルガー・クナーク氏がこう語ったとき、その3カ月後にこれらの言葉がいかに予言的なものとなるかを知っていた人はいませんでした。

続きを読む

原爆75周年に寄せる被爆者の声

寄稿者:ジャクリン・マカリスター(ロータリー平和フェロー、国際基督教大学)

長崎原爆被爆者、池田道明さん

私はアメリカのニューメキシコ州で育ちました。核実験と聞いてニューメキシコを思い浮かべる人は少ないと思いますが、実際には、広島と長崎に投下された原子爆弾と同じ設計の核爆発装置実験が、1945年7月16日、ここで行われました。広島と長崎に原爆が投下されたのは、その後1カ月も経たない8月6日と9日のことです。今年は、この恐ろしい破壊力をもつ核兵器が初めて、そして唯一、戦争で使用されてから75周年となります。

原爆が原因で亡くなった人は推定129,000~226,000人。その多くが一般市民でした。ほとんどの方が1日目に亡くなり、残りの方はやけどや放射線病、けが、栄養失調で苦しんだ末に亡くなりました。

続きを読む

世界ポリオデー2020:コロナに負けず今年も

「新型コロナの流行により世界は大きく変わりました。しかし、変わらないものが一つあります。それは、ポリオ根絶の必要性です」~アデ・アデピタン(BBCテレビ司会者、元パラリンピック選手、ポリオサバイバー)

今年は長引くコロナ禍の影響で、生活や仕事や学業などにおいてすべての人に影響が及んでいます。そんな中でも、10月24日の「世界ポリオデー」には、ポリオを世界から根絶するために、多くのロータリーファミリーが募金や認識向上に立ち上がりました。さまざまな制約や困難に直面しながらも、「ポリオのない世界」を目指してご尽力くださった皆さまに、心より御礼申し上げます。ほんの一部ですが、今年の世界ポリオデーに日本で実施された活動やイベントをいくつかご紹介します。

続きを読む

たった2滴のワクチンがあの時あれば

寄稿者:石毛 良治(東京後楽ロータリークラブ)

8030

インドで経口生ワクチンを投与する石毛さん

きっかけは突然に
『ロータリーの友』2019年11月号に載っていた「内外よろず案内」の「インドでポリオワクチン投与をしませんか」という記事をふと見つけるまでは、まさか自分がインドに行くとは思ってもみませんでした。

それまでロータリーの奉仕活動はそれぞれのクラブで決めた方針に沿って行われるものと思っていた私にとって、個人の活動は初めての経験です。問い合わせ先に連絡してみると、幸いにもまだ参加者を募集中で、妻が背中を押してくれたこともあり、思い切ってインド行きを申し込みました。 続きを読む

日本のロータリーがOne Teamに ~『医療従事者を守ろう』

寄稿者:福田哲三(名古屋和合ロータリークラブ)

Faceshield_Japan_2.HEIC

ロータリーからフェイスシールドの寄贈を受けた大同病院(名古屋市)の医療従事者の方々

COVID-19禍の中、我々ロータリアンは活動を阻む難しい現実に直面しました。資金があっても医療機器・資材を購入できない、集まってチームを組めない、困っている人たちに直接会って励ますこともできない等々。海外の仲間たちからも「人工呼吸器を送って欲しい」「医療用マスクが足りない」などの数多くの支援要請が届いたものの、日本でも医療用アイテムは入手できないというもどかしい日々が続いていました。 続きを読む

ロータリーの絆で医師たちが団結

_thank you_ Covid-19 fighters (2)By ジョン・フィリップ
(医療関係者のロータリー親睦活動、会長)

膨大な数のロータリーの仲間が、今この瞬間も途切れることなく、新型コロナウイルスと最前線で闘っています。そこで私たち医療関係者で構成されるロータリー親睦活動グループ(International Fellowship of Rotarian Doctors)も支援に加わり、意見やアイデアを交換して役立てることを決めました。

まず私たちは、世界各地から30名以上のグループメンバーやゲストを招き、2回のオンライン会議を開いて意見を交換し、それぞれの体験を共有しました。

メンバーの話には心を大きく揺さぶられました。 続きを読む

新型コロナウイルス流行を強く生き抜くための「回復力」の科学

寄稿者:ジェニー・ストッツ(ロータリー第6690地区会員増強委員長)

Jenny Stotts 137

ジェニー・ストッツさん

回復力(Resilience)とは、逆境においても、その状況に適応していくプロセスのことです。人間は衝撃的な出来事やストレスの強い場面に直面すると、脳が多数の神経経路を活性化させ、身体を守る仕組みになっています。このような生物学的プロセスのおかげで、私たちは健康を保っています。そして人はこのような出来事を乗り越えることで成長して変わることができ、また強くなれるのです。

現在、多くの人が新型コロナウイルスのパンデミックという現実に直面しながら日々を送っています。幸いなことに、回復力を大きくする方法がいくつかあります。今回の新型コロナウイルスの流行は、皆が一丸となってロータリアンやクラブの回復力を養い育むことで、 続きを読む

コロナウイルスに打ち勝つための3原則

寄稿者:ジョー・オティン(ロータリー第9212地区ガバナー)

hand washing in east africa私たちの人生で世界が一転するほどの決定的な瞬間があるとすれば、まさに今がそれに当たります。人類の運命を世界的に変えた第二次世界大戦を生き抜いてきた方々が、私たちの一つ前の世代でした。歴史上、先人たちは耐え難い経済崩壊や壊滅的な武力紛争、気候の大変動など、絶望や死、破滅をもたらす衝撃的な出来事に直面してきました。

このような過去の出来事は、私たちが行動方法を見直し、既存の制度を再構築し、生き方を変えるきっかけとなってきました。 続きを読む

ラダック成人女性識字プロジェクト

寄稿者:高木直之(かながわ湘南ロータリークラブ)

ラダックは、ヒマラヤ山脈の西の端に位置するインドの自治州で、住民はチベット仏教の敬虔な信者です。国際ロータリー第2780地区とインドのニューデリー・ロータリークラブが、グローバル補助金を得て実施したこのプロジェクトによって、2015年ラダックの州都レーに3つの識字教育センターが開かれ、2017年8月の時点で87名の成人女性が読み書きを身につけました。takagi-blog-1 続きを読む

母の夢

thumbnail_IMG_0345

姪に囲まれたReem Ghunaimさん(写真提供:Moataz Al Sadey)

By Reem Ghunaim

私は、パレスチナ出身のロータリー平和フェローです。母は1948年に家族とともに難民となり、父の村でも1967年に村民全員が避難を余儀なくされました。私の家族の半分近くがパレスチナ難民です。 続きを読む

新型コロナウイルス流行の中でロータリーに参加しつづける方法

ロータリーは人と人とのつながりを礎としています。でも、新型コロナウイルスの影響で例会や行事ができない、親睦や奉仕の活動ができない、という方も多いでしょう。今回は、オンラインを通じてさまざまな方法でロータリーに参加し続ける方法をご紹介します。

Canva - nullオンライン会議ツールを活用
新型コロナウイルスでテレワーク(在宅勤務)をする人が多くなり、最近メディアでも話題となっているのがオンライン会議ツールです。 続きを読む

ハーフとしての人生を伝える

~ドキュメンタリ―映画『HAFU』を製作

rv2020_megumifilming-on-dslr

映画撮影中の西倉さん。

By 西倉めぐみ(2006-2008年度 ロータリー平和フェロー)

rv2020_minidokaasiasociety-1私のキャリアを形成した3つの重要な瞬間があります。最初は6歳の時でした。日本人の父とアメリカ人の母がハワイのパール・ハーバー国立記念館に連れて行ってくれました。戦艦アリゾナの残骸を見た時、私が属する2つの国がかつて戦争をしていたことを知ってショックを受けました。後に、両祖父母の国が敵として戦っていたこと、終戦から25年後、両祖父母は自分の子のパートナーを憎むことなく家族に迎え入れたことを知りました。

2番目の瞬間は2011年9月11日。私は当時、ニューヨーク大学の4年生で、映画について学んでいました。 続きを読む

私が寄付する理由

~坂本精志氏(名古屋名東ロータリークラブ会員)へのインタビュー

hos0470

坂本精志さん

ウガンダにあるマケレレ大学にアフリカ初となるロータリー平和センターが設立されました。アフリカの人びとが待ち望んだ平和センターの設立。その実現の裏に、一人の日本人ロータリアンからの支援があったことをご存知でしょうか。

その方の名は、ホシザキ株式会社取締役会長の坂本精志さん。マケレレ大学ロータリー平和センター設立のために25万ドルを寄付し、第2760地区(愛知県)からの寄付25万ドルにこれをマッチングすることによって、日本からの50万ドルの支援を実現させました。 続きを読む

各地で育ちつづける被爆樹木二世たち

『原爆で黒焦げになった太い木が 翌年、白い芽を出した。 今でも元気である。広島の人は自分たちも生きていけるかと思った。我々も生きていく。
このツバキが原爆の惨状を見ていた。ツバキは亡くなった人の死を悼み、また世界に向けて平和を呼びかけた』
川妻二郎(ロータリー会員・被爆者、ツバキ植樹式[米国パサデナ]でのスピーチより)

Kofu South

「イチョウがつなげる平和の願い」に参加した地元保育所の子どもたち。写真提供:甲府南ロータリークラブ

原爆投下後「75年は草木も生えない」と言われた広島には、「被爆樹木」と呼ばれる木々があります。爆心地から半径2キロメートル以内に散らばるこれらの木は、原爆を生き延びた「被爆樹木」として広島市から特別に認定されています。原爆で焼け焦げた樹木から新しく芽吹いた芽は、被災した市民に生きる勇気と希望を与えたと言われています。 続きを読む

ポリオ根絶 次はパキスタン

寄稿者:大和 豊子(岡山南ロータリークラブ、チームポリオジャパン)

Pakistan NID photo_2GPEI(世界ポリオ根絶推進活動)から毎週報告される野生株ポリオ発症数は、2018年の33例(パキスタン12例、アフガニスタン21例)と比べて、2019年は173例(パキスタン144例、アフガニスタン29例)とパキスタンで爆発的増加を示しています(2020年2月4日現在)。2020年にも新たな症例が報告されており、非常に厳しい現実です。

Pakistan NID photo_7 1月のポリオのデータ(クリックして拡大)

2019年12月、パキスタンのNIDs(全国予防接種日)に2日間参加した私たち「チームポリオジャパン」の13人は、現地のロータリアンから「2020年の発症を0にする」という意気込みを聞いたばかりでした。 続きを読む

新しい平和拠点をつくる

~広島・長崎 爆心地 中間点 上毛町-未来へつなぐ平和の架け橋事業~

寄稿者:錦織 亮雄(広島東南ロータリークラブ、創立60周年記念事業実行委員長)

Three mayors

(左から)松井一實氏(広島市長)、坪根秀介氏(上毛町長)、田上富久氏(長崎市長)

広島東南ロータリークラブは、被爆都市広島の中心部をテリトリーとするクラブとして60年前に創立されて以来、多様な平和推進活動に力を入れてきました。創立5年目には、「知客寮」(チカクリョウ)という原爆孤児の帰郷のための家をつくりました。1982年にはパールハーバー・ロータリークラブ(米国ハワイ州)と姉妹縁組を結び、「ヒロシマ」と「パールハーバー」という戦争体験の恩讐を超えて交流や共同奉仕活動を続けています。最近では、広島の被爆樹木の保護や苗などを各地に配布する平和運動の支援にも力を入れています。

ロータリーでの平和推進活動は、多くの難しい側面をもっています。「平和」という誰もが望む大きく深い命題では、その到達への道筋は多様であり、到達点さえも定かではありません。それゆえに活動は、 続きを読む

2019年の活動を振り返り 2020年の奉仕を発展させる

昨年、数多くのプロジェクトが日本のクラブ・地区によって実施され、その一部が本ブログで紹介されました。いずれも素晴らしい活動ですので、以下にご紹介します(青字のリンクをクリックすると記事に移動します)。2020年も大きな変化を生み出すたくさんのプロジェクトが実施されますように!Untitled design (2)

続きを読む

ロータリーボイス 2019年閲覧数トップ5

2019年も本日で最終日となりましたが、読者の皆さまにとって今年はどのような1年だったでしょうか?今年は大型台風による被害を始め、多くの自然災害がありました。この場を借りて、被災された方々にお見舞い申し上げるとともに、1日でも早く復興が叶うことを願っております。

明日から始まる2020年を前に、さまざまな希望を胸にされていることと思います。ロータリーボイスは2020年も、皆さまのロータリーライフを潤すような記事を発行してまいりますので、引き続きのご愛読をお願いいたします。そんな今回は、2019年に発行された記事の閲覧数トップ5をまとめてご紹介します。for-blog.png 続きを読む