海賊に襲われた家族をロータリーのネットワークが援助

寄稿者:ヴィンス・ディカロリス( 米国ワシントン州、ベーンブリッジアイランド・ロータリークラブ会員)

私たちがロータリーに入会する理由はさまざまです。地域社会に貢献するため、親睦を味わうため、発展途上国の人びとを支援するため、などです。しかし、入会後も会員であり続ける理由は、必ずしもそれと同じとは限りません。

私がこれからもずっとロータリー会員であり続ける理由となった、最近のある体験についてご紹介します。

会員の娘夫婦を海賊が襲撃

クリスさんとコーリーさん。ペットの子犬ステラと。

3月末、私は同じクラブの仲間であるボブ・バランスキさんから連絡を受けました。明らかに狼狽した様子のボブさんは、ヨット生活をしている娘のコーリーさんとその夫クリスさんが、パナマのペルラス列島に停泊中、銃となたを持った4人組に襲われたと言いました。パナマ運河の通航許可が下りるのを待っていたときのことだそうです。

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メタバースで例会を開くクラブ

寄稿者:フアナ・マリア・セラノ・マリン(メタバース・ロータリークラブ[スペイン]会長)

数カ月前、夫が所属するロータリークラブで卓話をした人が、バーチャルで交流できる場としてのメタバースの可能性について話しました。その後まもなく、私たちの地区の会員増強委員会メンバーが、メタバースに新しいクラブを結成することを提案しました。

「メタバース」とは、ユーザーがバーチャルな拡張現実を探索できるオンライン上の空間です。ユーザーは、自分のアバターをつくり、バーチャルな空間で活動や交流を行うことができます。ウィキペディア(英語版)には、「社会的なつながりに焦点を置いた3次元の仮想空間のネットワーク」と定義されています。少なくとも20年前にはゲームの設計においてメタバース技術の初期の要素が使われていましたが、今では利用者を増やしてオンラインでのつながりを広げるためにこの技術を採用する企業や団体が増えています。

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参加者の積極的なかかわりを促す

行動計画シリーズその3:オウォラビさんにお聞きしました

Q. 「参加者の積極的なかかわりを促す」とは、どのような意味ですか。

オウォラビ:簡単に言えば、人びとがロータリーへの参加方法を見つけてくれるとただ期待するのではなく、こちらから歩み寄って参加を促すことです。「どうぞお越しください」と言うだけでは十分ではありません。参加者中心のアプローチとは、もっとずっと積極的なものです。

Q. 行動計画において、参加者の積極的なかかわりを促すことはなぜそれほど重要なのですか。

オウォラビ:私はロータリーで、活動に参加し、新しいスキルを学び、リーダーシップを発揮する多くの機会に恵まれました。しかし、多くの人は、ロータリーの活動に参加する時間的余裕がないと感じています。ロータリーが会員維持の課題を抱えていることは、皆さんもご存知だと思います。

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誰をも温かく迎え入れるクラブの環境づくり

寄稿者:トム・ガンプ(第5950地区パストガバナー、国際ロータリー会員増強委員)

8 月はロータリーの「会員増強・新クラブ結成推進月間」。会員基盤の成長について真剣に考える月です。会員制組織であるロータリーにとっては、会員基盤の成長を図り、インパクトを広げることが重要です。

会員基盤は、少なくとも三つの方法で成長させることができます:(1)入会への関心を高めることに力を注ぐこと、(2)既存会員の積極的な参加を促すこと、(3)地元のニーズに応える新クラブを設立し、さらに多くの入会者を引き付けること。歴代の国際ロータリー会長たちも、会員増強におけるこれらの側面を強調してきました。

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ローターアクトとロータリー:今こそ共に奉仕を

2020年、ローターアクトの立場向上委員会でワン・ロータリー・センターを訪れた著者

寄稿者:イグナシオ・ゴンザレス・メンデス(オリエンテ・デ・タルカ・ローターアクトクラブ会員)

実を言うと、ロータリーについて自分から知ろうとしたわけではありませんでした。ロータリーが私を見つけてくれたのです。世界観を変えるような幸運な出来事の連続で、ロータリーにより深く関わるようになりました。

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障がい者インクルージョンのパラダイム転換

「多様性・公平さ・インクルージョン(DEI)」シリーズ第8回

2020年9月、ロータリーは組織内における多様性・公平さ・インクルージョン(DEI)の現状を評価し、ロータリー全体でDEIの価値と実践を推進するための包括的な行動計画を作成することを目的に、DEIタスクフォースを設置しました。一連のブログ記事で、タスクフォースの取り組みと「多様性・公平さ・インクルージョン(包摂)」の重要性について、メンバーの方々に伺っていきます。第四弾となる今回は、ジェレミー・オッパーマンさんにインタビューします。

Q:ご自身も障がい者であることは、障がい者問題についての考え方にどのように影響したと思いますか。

オッパーマン:私は、自分が盲目だから多様性や障がい者の公平さを推進するスペシャリストになったわけではありません。その前に10年以上、満足できるキャリアに就いていましたから。ただし、盲目であることによって、この主題について真実味をもって話せるという利点はあります。障がいを身をもって体験し理解している私は、十分な理解と共感をもってこの問題を扱うことができます。

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学友、アメリカでガバナーになる

山梨県出身のロータリー学友・中曽根牧子氏(アメリカ・グレンデールRC)が2023-24年度第5280地区(アメリカ・カリフォルニア州)のガバナーに選出されました。今回、スポンサー地区の第2620地区のロータリー財団学友会がインタビュー。その一部を抜粋して紹介します。

ロータリー国際親善奨学生への応募のきっかけ

本格的に留学したいと思うようになったのは、高校時代にアメリカ・サウスダコタ州に1年間留学したことがきっかけです。「外国語を習得するには少なくとも1年間その国へ行き、その国の四季を体感することが大切である」と感じたことが始まりでした。そこで、東京外国語大学ドイツ語科在学中、政府の奨学金に応募したのですが落選。どうしようかと思っていたところ、先輩からロータリーの奨学金について教えていただきました。それまで、私にとってロータリーの印象は、地元の名士ばかりが所属する、とても敷居の高いところ。ロータリーとは全く関係のなかった私が交流の機会を持つことはないものと思っていました。ですから先輩から教えていただいた時に、ぜひ受けたいと思い、応募したことがロータリーとのご縁の始まりです。

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成功するクラブのレシピ:5つの材料

寄稿者:バートン・ゴールデンバーグ(米国第7620地区直前ガバナー)

パティシエがさまざまな材料を混ぜあわせておいしいケーキを焼くように、ロータリーでもいろんな「材料」をうまく混ぜあわせることで優れたクラブが出来上がります。さまざまな材料の中で、私が最も大切だと思った5つの材料をここにご紹介したいと思います。

材料1 「独自の個性」

私の住む町には4つのクラブがあり、互いに近接していますが、それぞれが独自の個性をもっています:

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ロータリーの未来に不可欠なのは「成長」

By シェカール・メータ(2021-22年度国際ロータリー会長)

成長とは、あらゆるものに起こる自然現象であり、生きていることの唯一の証でもあります。アメリカのビジネスマンで、ファイアストンタイヤ・アンド・ラバー社の創業者であるハーベイ・ファイアストーンは、かつてこう言いました。「成長と人材育成こそ、リーダーの最も重要な使命である」

これはロータリーにも当てはまります。過去20年間、会員数は120万人にとどまっており、今こそ会員を増やして成長を遂げるときであると私は考えます。12カ月間で130万人へと成長するのは大胆な目標だと思われるかもしれませんが、「Each One, Bring One」(みんなが一人を入会させよう)に取り組めば十分に可能なことです。

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学友がクラブを成長させる:3つの実例

寄稿者:トム・ガンプ(パストガバナー、米国ミネソタ州、Edina / Morningsideロータリークラブ会員)

私はよく、「どうやってクラブを成長させたらいいでしょう?」、「新クラブの会員をどうやって見つけることができますか?」と聞かれます。その答えは、学友(プログラムの元参加者や元奨学生)です。学友は見落とされがちですが、ロータリーがどのような団体か、どのような重要な活動を行っているのかを知っています。まさに入会候補者にふさわしい存在だと言えるでしょう。

ロータリーの学友は、世界中で活動するリーダーの素晴らしいネットワークです。クラブは、学友を講演者として招待したり、奉仕プロジェクトに参加してもらったりできますが、まずは時間と労力をかけて、学友の参加を妨げている障壁を取り除くことが肝心です。それができれば、学友の洞察力と才能を、ロータリーの成長に生かすことができるでしょう。

三つの実例をご紹介します。

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コロナ禍の中で第一歩を踏み出したローターアクトクラブ

寄稿者:中川博之(大阪難波ロータリークラブ会員) 

大阪難波ロータリークラブは1976年に設立され、今年で45周年を迎えます。節目を迎えるにあたり、2020−2021年度にはスローガン「世代を紡ぎ、親睦と奉仕を未来へ」を掲げ、その一つのプロジェクトとして18歳〜30歳の若い世代から成るローターアクトクラブの設立を計画しました。

若い人たちが気軽に集まれるイベントを計画

まず、「ローターアクトクラブを知ってもらうにはどうしたらいいか?」と考えました。とりあえず説明会を開催しよう!となったのですが、堅苦しい説明会ではなく、若い人たちがランチを食べながら気軽に楽しめる、そんな時間にしようと考え、当クラブ主催の「ローターアクトのことを知っていただく懇親会」を企画しました。

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新クラブの成長を後押ししよう

寄稿者:トム・ガンプ(第5950地区ガバナー、Edina/Morningsideロータリークラブ[米国ミネソタ州]会員)

私の地区には新しいクラブがいくつかあり、いずれもとても元気なクラブです。結成後も成長し続けています。

創立会員の88%は、ロータリー初心者です。ロータリーの活動方法を知らない人もいるので、これらの新クラブを大切に育てていく必要があります。その方法はシンプルです。会員が熱意をもつ分野に焦点を当てて活動し、柔軟さを取り入れ、多様な会員を迎え入れ、そして何よりも、楽しんでもらうことです。

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コロナ禍でも会員増を実現:7つのヒントをご紹介

寄稿:デイブ・ライランダー(Dave Rhylander、米国コリアービル・ロータリークラブ会長)

地域社会での奉仕が認められ、商工会議所による「非営利団体オブ・ザ・イヤー」を受賞したコリアービル・ロータリークラブの会員の皆さん

新型コロナ流行の中でもクラブを成長させることは可能でしょうか。その答えは「イエス」であると、私たちは胸を張って言うことができます。新型コロナウイルスはロータリークラブだけでなく世界に多くの課題をもたらしましたが、それでも、会員の意欲をかき立て、奉仕への参加を促し、入会への関心を高める方法はあります。

昨年6月、私たちのクラブは20%の会員増加を目標に掲げ、現在までに13人の新会員が入会しました。なぜ「20%」かというと、2000年代のはじめに100人だった当クラブの会員数が年々減っており、年に20%増なら3年後(またはそれよりも早く)に会員数が100人に戻るという計算だからです。たやすい目標でないことはわかっていましたが、ビジネスやスポーツと同じく、まずは目標を定め、達成に向けた計画を立てることが大切です。

1年足らずで13人の入会がどのように実現したのか。私たちが実行した七つの項目をご紹介します。

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ロータリーにもっと多くの女性の参加を

寄稿者:シンディ・ドラ(第34ゾーン・ロータリーコーディネーター補佐、Fort Myers Southロータリークラブ[米国]会員)

30年ほど前、私はロータリーに入会したいと思っていました。入会を希望する旨をあるクラブに伝えましたが、「銀行員の入会はもう受け付けていない」と言われました(当時、ロータリークラブが職業に基づいて入会者数を制限することがよくありました)。1カ月後、そのクラブに男性の新会員が入会したことを知りましたが、その人は銀行員でした。

ロータリアンになりたいという思いが強かった私は、その後間もなく、私を喜んで受け入れてくれるクラブを見つけました。以来、28年間、会員として誇りを抱きつづけています。しかし、ロータリークラブ入会を希望する女性にとって、障壁は今も存在します。全世界の女性会員の割合はわずか23%であり、もっと改善できるはずです。何としてでも、私たちはリーダーとして、誰もがロータリーに歓迎されていることを地域社会に示す必要があります。

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青少年プログラム参加者から成るロータリークラブ

寄稿者:マーティ・ピーク・ヘルマン(第7780[米国メーン州の一部とニューハンプシャー州]地区会員増強委員長)

私の地区で33人の新会員から成る新しいクラブ「ニューボイス(New Voices)」が設立されたのは、2019年6月15日のことです。このクラブのユニークな点は、会員が全員、ロータリー青少年指導者養成プログラム(RYLA)の経験者(年齢18~30歳)だということです。

メンバーたちがRYLAと出会ったのは高校2年生のとき。以来、RYLA元参加者向けの地区RYLA ResetプログラムやRYLA workdaysなどを通じて活発に活動を続け、RYLAリーダーシップの機会にフルに参加してきました。メンバーの共通点は、若者の成長という意味で多くを与えてくれるRYLAへの愛着、そしてロータリーへの愛着です。しかし、高校卒業を目前にロータリーの活動をやめてしまう人も少なくありませんでした。

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ジェフリー・カドレットRI理事(左)とニューボイス・ロータリークラブ会員たち。

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奉仕をきっかけとしてロータリーの輪を広げる

By ジュリー・オーブリー(国際ロータリースタッフ)

ロータリーとは何ですか?Rotarians at work

「わかりません」

「駅前とかにある広場でしょ?」

「ああ、聞いたことあるよ。でも何をしてるのか知らない」

会員でない人にロータリーを知っているかと聞くと、こんな答えが返ってくることは珍しくありません。どの町でもロータリーの認知度は高いとはいえず、世界的にいくつかの地域で会員が減っています。ロータリーが何かを町の人びとが知らないのに、クラブの成長を期待することができるでしょうか?

私は幼い頃からボランティア活動をして育ちました。奉仕の心を育ててくれた両親と教会に感謝しています。若い頃から奉仕活動への関心があった一方で、中学、高校、大学、そして20代後半まで、ロータリーを知らずに生きてきました。あんなにたくさんの 続きを読む

衛星クラブから新クラブ誕生へ

寄稿者:島村吉三久(第2830地区パストガバナー・五所川原イヴニングロータリークラブ〔青森県〕)

―いつの時代も次代を担うのは若者―satelite club

この9月18日、北日本地域に「五所川原イヴニングロータリークラブ」が誕生しました。新クラブのアドバイザーとして関わりましたので、誕生までの経緯をご紹介したいと思います。

このクラブは当初、衛星クラブとして発足しました。衛星クラブとは、「クラブの中のクラブ」です。このため、衛星クラブの会員はスポンサークラブの正会員でもあり、2つの会員種類を同時に持つことになります。

当初は11人での結成でしたが、その中には止むなく解散したクラブの会長さんと幹事さんも含まれていました。衛星クラブのお話を聞いてもらったところ、「もっと早くにわかっていたら解散しなくて済んだのに」との悔やみも聞かれました。 続きを読む