メタバースで例会を開くクラブ

寄稿者:フアナ・マリア・セラノ・マリン(メタバース・ロータリークラブ[スペイン]会長)

数カ月前、夫が所属するロータリークラブで卓話をした人が、バーチャルで交流できる場としてのメタバースの可能性について話しました。その後まもなく、私たちの地区の会員増強委員会メンバーが、メタバースに新しいクラブを結成することを提案しました。

「メタバース」とは、ユーザーがバーチャルな拡張現実を探索できるオンライン上の空間です。ユーザーは、自分のアバターをつくり、バーチャルな空間で活動や交流を行うことができます。ウィキペディア(英語版)には、「社会的なつながりに焦点を置いた3次元の仮想空間のネットワーク」と定義されています。少なくとも20年前にはゲームの設計においてメタバース技術の初期の要素が使われていましたが、今では利用者を増やしてオンラインでのつながりを広げるためにこの技術を採用する企業や団体が増えています。

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適応力を高める

行動計画シリーズその4:スコットさんにお聞きしました

Q. 適応力を高めることが、なぜ行動計画の優先事項の一つなのでしょうか。

スコット:誰でも、またどの組織でも、もっと大きな社会的インパクトをもたらそうとしています。ロータリーが影響力のあるリーダーとなり、パートナーとして求められる大きな機会が訪れていますが、変化のスピードが早い今の時代をリードするには、敏捷(びんしょう)さや時代との関連性を備えた組織となる必要があります。

Q. どのような課題がありますか。

スコット:ロータリーは、クラブや地区がばらばらに活動しており、しかも階層的です。そこにあるのは、チームではなく、規則、役員、役職、委員会です。管理層が多ければ多いほど、実際の活動から離れてしまいます。

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倫理的ジレンマ:あなたならどうする?(例会場でのパワハラ)

回答者:日本のロータリーコーディネーター

今回の「倫理的ジレンマ」では、近年ニュースで取り上げられることが増えた「パワーハラスメント」への対応について検討します。次のシナリオについて、日本の3名のロータリーコーディネーター(RC)にご意見をお伺いしました。

あるクラブは、長年、同じレストランで例会を開いてきました。クラブ会員はこの会場を気に入っており、場所も便利だと言っています。しかし最近、レストランのスタッフ数名が辞職し、経営者(ロータリー会員ではない)が深刻なパワーハラスメントを行ったことで、パワハラ防止法に基づく勧告を受けたことが明らかになりました。

クラブには直接の関係がないことですが、近年の「パワハラ」への関心・認識の向上と相まって、レストランに対する批判が地域社会で厳しくなっています。レストランとクラブの関係は良好ですが、一部の会員は新しい例会場を検討すべきだと感じています。こんなとき、あなたがクラブリーダーならどうしますか?
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同窓会をきっかけに青少年交換の学友たちが新クラブを立ち上げる

By Fernando Pinto Nercelles(チリ、Pehuén de Las Condesロータリークラブ会員)

Fernando Pinto Nercellesさん

ここ数年、ロータリー会員、特にリーダーとしての立場にある人びとにとって、会員増強は難しい課題となっています。

私が委員長を担っている地区学友委員会では、学友との関係を維持するために、一人ひとり個別に連絡するという方法を用いてきました。これはこれで充実した経験ではありますが、十分とは言えません。地区で会合を重ねた結果、今こそ革新的な試みをすべきだということになりました。

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デジタル時代とコロナ時代のロータリークラブ

寄稿者:天野志乃布(愛知三州ロータリークラブ会員)

「新しいカタチ」のロータリークラブ

緊急事態宣言下でのガバナー補佐訪問例会(2021年9月09日撮影)

私は祖父と父がロータリアンだったので、「ロータリークラブは平日の昼間に仕事を調整し、例会に参加する団体」だと思っていました。なので、いざ入会を誘われたときには、日中に仕事を抜け出して出かけることに対して、何となくモヤモヤを感じました。

けれども、2017年3月に設立された愛知三州ロータリークラブは、「新しいカタチ」のロータリークラブだと知り、「これならできそう!(=続けられる)」と入会しました。何が新しいのかというと…

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成功するクラブのレシピ:5つの材料

寄稿者:バートン・ゴールデンバーグ(米国第7620地区直前ガバナー)

パティシエがさまざまな材料を混ぜあわせておいしいケーキを焼くように、ロータリーでもいろんな「材料」をうまく混ぜあわせることで優れたクラブが出来上がります。さまざまな材料の中で、私が最も大切だと思った5つの材料をここにご紹介したいと思います。

材料1 「独自の個性」

私の住む町には4つのクラブがあり、互いに近接していますが、それぞれが独自の個性をもっています:

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学友がクラブを成長させる:3つの実例

寄稿者:トム・ガンプ(パストガバナー、米国ミネソタ州、Edina / Morningsideロータリークラブ会員)

私はよく、「どうやってクラブを成長させたらいいでしょう?」、「新クラブの会員をどうやって見つけることができますか?」と聞かれます。その答えは、学友(プログラムの元参加者や元奨学生)です。学友は見落とされがちですが、ロータリーがどのような団体か、どのような重要な活動を行っているのかを知っています。まさに入会候補者にふさわしい存在だと言えるでしょう。

ロータリーの学友は、世界中で活動するリーダーの素晴らしいネットワークです。クラブは、学友を講演者として招待したり、奉仕プロジェクトに参加してもらったりできますが、まずは時間と労力をかけて、学友の参加を妨げている障壁を取り除くことが肝心です。それができれば、学友の洞察力と才能を、ロータリーの成長に生かすことができるでしょう。

三つの実例をご紹介します。

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人身売買の撲滅をめざす世界初のクラブ

寄稿:ウーシャ・レディ(Community Action Against Human Traffickingロータリークラブ会長)

教師である私は、自分が務める学校の生徒たちがお金のために性的搾取の犠牲となっていることを知りました。中には6歳の生徒もおり、しかも、それが麻薬を買う金稼ぎのために家族によって行われていました。子どもが2~3日連れ出され、また家に戻ってくるのです。私は自分に何もできないことに無力さを感じていました。

モデルやダンサーのスカウトと偽る人に勧誘されたという大学生たちとも話をしました。学生たちはそのことを恥じ、誰かに打ち明けるのをためらい、特に警察には話したがりません。

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新クラブの成長を後押ししよう

寄稿者:トム・ガンプ(第5950地区ガバナー、Edina/Morningsideロータリークラブ[米国ミネソタ州]会員)

私の地区には新しいクラブがいくつかあり、いずれもとても元気なクラブです。結成後も成長し続けています。

創立会員の88%は、ロータリー初心者です。ロータリーの活動方法を知らない人もいるので、これらの新クラブを大切に育てていく必要があります。その方法はシンプルです。会員が熱意をもつ分野に焦点を当てて活動し、柔軟さを取り入れ、多様な会員を迎え入れ、そして何よりも、楽しんでもらうことです。

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コロナ禍でも会員増を実現:7つのヒントをご紹介

寄稿:デイブ・ライランダー(Dave Rhylander、米国コリアービル・ロータリークラブ会長)

地域社会での奉仕が認められ、商工会議所による「非営利団体オブ・ザ・イヤー」を受賞したコリアービル・ロータリークラブの会員の皆さん

新型コロナ流行の中でもクラブを成長させることは可能でしょうか。その答えは「イエス」であると、私たちは胸を張って言うことができます。新型コロナウイルスはロータリークラブだけでなく世界に多くの課題をもたらしましたが、それでも、会員の意欲をかき立て、奉仕への参加を促し、入会への関心を高める方法はあります。

昨年6月、私たちのクラブは20%の会員増加を目標に掲げ、現在までに13人の新会員が入会しました。なぜ「20%」かというと、2000年代のはじめに100人だった当クラブの会員数が年々減っており、年に20%増なら3年後(またはそれよりも早く)に会員数が100人に戻るという計算だからです。たやすい目標でないことはわかっていましたが、ビジネスやスポーツと同じく、まずは目標を定め、達成に向けた計画を立てることが大切です。

1年足らずで13人の入会がどのように実現したのか。私たちが実行した七つの項目をご紹介します。

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ハイブリッド例会を始めてみよう

寄稿者:ジム・マーグラフ(Lamorinda Sunriseロータリークラブ[米国カリフォルニア州]会員)

ハイブリッド例会の方法を説明した動画のプレビュー(日本語字幕入り)

4年前、妻がとっぴな質問をしてきました。

「火星探索に行く宇宙飛行士たちが、地球の家族や友人と連絡しあえる方法がないものかしら?」

この質問をきっかけに、私たちの旅が始まりました。とはいえ、火星への旅ではありません。その旅とは、この地球での社会的孤立の問題を理解し、テクノロジーを使って遠く離れた家族や友人とつながる新しい方法を開発するために、私の7番目となる会社Kinoo.familyを立ち上げる旅、そしてロータリーとのかかわりをさらに深める旅です。

火星に行くロータリアンはまずいませんが、私たちの多くが社会的に孤立し、愛する人たちの近くにいたいという気持ちを抱いています。2020年には、驚くことに、コロナ禍でのロックダウン開始後間もなく、ロータリークラブの80%がZoomなどのビデオ会議ツールでバーチャル例会を開きはじめました。

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バーチャルなRYLAで若者をつなぐ

寄稿者:ジュリアナ・コレドール・ゴンザレス(ラテンアメリカ・ロータリーEクラブ会員)

ラテンアメリカで初となる「E-RYLA」は、100%オンラインで例会を開いているラテンアメリカ・ロータリーEクラブとラテンアメリカEローターアクターにより開始されたイニシアチブです。5月の3回の日曜日に、それぞれ4時間ずつ、Zoomでのセミナー形式で実施されます(※編集者注:このブログは5月19日にRotary Servicein Actionのブログに英語で掲載されたものです)。

このE-RYLAの企画がうまく行ったのは、プロセスの全段階で若い人たちに参加してもらったおかげです。プログラムの企画、パネリスト探し、広報用の画像やコンテンツづくりなど、若い人たちが主体となって、若い人たち向けのイベントを企画したのです。

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バーチャル交代式の開催

寄稿者:スティーブン・セネット(メルボルン・ロータリーEクラブ 幹事エレクト)

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スティーブン・セネットさん

ロータリー年度も残すところあとわずかとなりました。クラブでも伝統的な交代式について検討を始めている頃だと思います。しかし、新型コロナウイルス流行による世界での数多くの変更と同じく、交代式も直接顔を合わせて行うことができない状況となっています。延期や中止にすべきか、という問い合わせがクラブから寄せられていますが、むしろ私は、「オンラインで開催してはどうか?」と思うのです。

オンラインの交代式なんて非現実的に聞こえるかも知れません。 続きを読む

できることをできる限りする ~Web例会のススメ~

 

Rotaract of Kumamoto KIta

寄稿者:谷光 純弥(熊本北ローターアクトクラブ)

新型コロナの影響で、皆様におかれましては多大な衝撃があることとお察しいたします。

2720地区(大分・熊本)熊本北ローターアクトクラブでは、3月より例会場での例会を自粛し、Web会議アプリを活用して、各自自宅から参加での例会を行っています。

330日に行なった3月第2例会では、他クラブや他地区のローターアクト会員にも声をかけ、熊本市内、八代市、人吉市、山口県、大阪府と、各地から参加していただき、新型コロナウイルス感染拡大を受けての個人や仕事、周囲の現況共有と「今、自分たちができること、すべきこと」についてのディスカッションを行いました。 続きを読む

オンライン会議を支援するEクラブ

寄稿者:ダイアナ・ホワイト(第7020地区パストガバナー、クラブ会計)

新型コロナウイルスの世界的流行が始まった頃、カリビアンEクラブ会長のブレント・リーアダムさんとほかの会員は、地区内のロータリークラブに対して即座に支援を提供し始めました。クラブは、ほかのクラブが独自にオンライン会合を開けるようになるまで、Zoomを通じた会合の設定を手助けしたのです。e-clubs-using-zoom 続きを読む

青少年プログラム参加者から成るロータリークラブ

寄稿者:マーティ・ピーク・ヘルマン(第7780[米国メーン州の一部とニューハンプシャー州]地区会員増強委員長)

私の地区で33人の新会員から成る新しいクラブ「ニューボイス(New Voices)」が設立されたのは、2019年6月15日のことです。このクラブのユニークな点は、会員が全員、ロータリー青少年指導者養成プログラム(RYLA)の経験者(年齢18~30歳)だということです。

メンバーたちがRYLAと出会ったのは高校2年生のとき。以来、RYLA元参加者向けの地区RYLA ResetプログラムやRYLA workdaysなどを通じて活発に活動を続け、RYLAリーダーシップの機会にフルに参加してきました。メンバーの共通点は、若者の成長という意味で多くを与えてくれるRYLAへの愛着、そしてロータリーへの愛着です。しかし、高校卒業を目前にロータリーの活動をやめてしまう人も少なくありませんでした。

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ジェフリー・カドレットRI理事(左)とニューボイス・ロータリークラブ会員たち。

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スピーチの腕前を上げる一つの近道

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テリー・ビアード(米国、ポートランド・ロータリークラブ会員)

寄稿者:テリー・ビアード
(ポートランド・ロータリークラブ)

スピーチするくらいなら死んだ方がまし。

皆さん、そんな風に話す人をご存知かもしれません。人前で話すことを恐れる人は多くいます。

約半世紀、私は人前で話すことをひどく恐れていました。その恐怖はひどいものです。流れる汗はまるで滝のよう。思わず部屋を飛び出してしまう。言い訳を見つけては人に代理をお願いする。スピーチを避けるためにもう何だってする...私がこんな感じになったのは、人生初期でいくつか苦い経験をしたからです。

私はこれを克服したかった。そして50歳を迎えた15年前、 続きを読む

「学友参加推進週間」に寄せて ~ブリタニー・アーサーさんとのインタビュー~

10月7~13日はロータリーの「学友参加推進週間」です。世界中のロータリー学友による活動にスポットライトをあてるほか、ロータリークラブが地元の学友とのつながりを深め、一緒に協力する機会をつくるきっかけとする週間でもあります。

学友のひとつであるローターアクターにとって、2019年は重要な年になったと言えるでしょう。4月に行われた規定審議会で、ローターアクトがRIに正式加盟することが認められました。これにより、ローターアクトの立場が向上し、ロータリーからローターアクトへの支援が強化されることとなりました。

今回のブログでは、元ローターアクターで、現在はロータリーで活躍する若きリーダーであり、日本在住のブリタニー・アーサーさんに、これまでの経験や今後ローターアクトに期待することなどを伺いました。IMG_7458 続きを読む

新しいクラブのモデルで世界をつなぐ

By ジェシー・ハーマン(国際ロータリー会員増強委員長、Wendouree Breakfastロータリークラブ、オーストラリア)

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ジェシー・ハーマンさん

ロータリーの新しい戦略計画は、「より大きなインパクトをもたらす」「参加者の基盤を広げる」「参加者の積極的なかかわりを促す」「適応力を高める」という4つの主な優先事項を柱としています。新しいクラブモデルの出現は、これらの優先事項を推進するためにロータリークラブと地区が積極的に取り組んでいることの証と言えます。

これらのモデルは、より多様な人たちとつながる機会でもあります。特に、従来型のクラブに入会できなかった、または入会をためらっていた人への扉を開くでしょう。こうした新しいモデルは以前から見られましたが、2016年規定審議会で柔軟性と革新性を促す決定が行われて以来、その動きが明らかに加速しています。

現時点までに、少なくとも下記の7つのタイプのクラブが設立されています: 続きを読む

よりインクルーシブなクラブをつくる3つの方法

寄稿者:ケイティ・ハリデー(アデレードシティ・ローターアクトクラブならびにアデレードライト・ロータリークラブ会員)(オーストラリア)

ロータリーでは最近、「多様性、公平さ、インクルージョンに関する国際ロータリーの方針」が採択されました。これは、ロータリーがインクルージョンを重視しているという力強いメッセージとなっています。世界中にクラブを擁するロータリーでは、さまざな層の人たちにインパクトをもたらす奉仕プロジェクトが実施されています。この意味でロータリーはすでに多様性がありますが、多様性がもたらすメリットを最大のものとするには、「インクルージョン」が重要なカギとなります。inclusion

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分野特化型クラブで若い世代の関心に応える

By スティーブ・ソルブラック(第5950地区新クラブ結成推進委員長、ツインシティ・ロータリー・エコクラブ会員、米国ミネソタ州)ECO

2019年2月、25人の創立会員で設立された私たちの新クラブは、環境保護に重点を置いています。従来のロータリークラブとは異なるこの「エコクラブ」は、従来型クラブでは得られない体験を求める人たちのために結成されました。全会員の48%が女性、44%が40歳未満で、平均年齢は42歳です。北米では、ロータリーに限らず、このような層を主体とする奉仕団体は前代未聞です。

エコクラブに入会することで、環境保護に取り組みながら、新しい人間関係を築き、リーダーシップの力を養い、世界的なロータリーのネットワークの一員となることができます。会員の関心にあった独自のクラブ文化を目指し、奉仕、親睦、ネットワークづくりを通じて会員の参加を促しています。月に2回、平日の晩に例会を開き、食事と飲み物を任意とすることで、従来型クラブよりも大幅に会費を抑えています。 続きを読む

ハイブリッドな新しいロータリークラブ

寄稿者:服部良男(愛知三州ロータリークラブ 新クラブアドバイザー)

Aichi Sanshu District Conference

初めて地区大会に参加した会員たち

2016年規定審議会でロータリークラブの柔軟性と多様性が認められ、日本でも各地でその賛否が論議されました。既存のクラブでは急激な変化や柔軟性への取り組みに対する抵抗も少なくありませんでしたが、当時ガバナーだった私は、ガバナー終了後、地区拡大委員長に就任して新しい試験的クラブの結成に挑むことにしました。

そして生まれたのが、「愛知三州ロータリークラブ」です。創立68年の歴史をもつスポンサークラブから新クラブアドバイザーとしてこのクラブに移籍した私は、一緒に活動しながら、新しいことを発見し、日々、魅力と将来性を感じています。まだ1年目のクラブですが、柔軟性のあるクラブづくりに実際に取り組んだ経験から当クラブについてご紹介したいと思います。 続きを読む

脱北者のロータリークラブ

【クラブ会長とのインタビュー】1042

大半の会員が脱北者であるロータリークラブが韓国にあります。蔚山自由(Ulsan Jayu)ロータリークラブです。韓国には、命を落とすリスクを冒して北から逃れてきても、その後の生活で困難を経験する人びとが大勢います。そのような中、脱北者が安らぎを得て、誇りをもって新天地で活躍できるよう、韓国のロータリークラブが人道的奉仕プロジェクトを実施しています。

この度、同クラブの会長であるソギ・ジュユンさん(Ju-Eun Seok)に、自らの脱北経験と彼女の人生におけるロータリーの意味についてお話しいただきました。

—— 韓国に逃れてくる前に、どのような困難を経験されましたか?

1997年に、高校の友人と一緒に国境の川を渡って北朝鮮から抜け出しました。 続きを読む

「つながる」要は 19の同好会。

寄稿者:RI第2650地区
    京都南ロータリークラブ
    小川 秀明

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97歳と39歳をつなぐ

今年度、創立65周年を迎えた京都南ロータリークラブは、最年少会員39歳、最高齢会員97歳の会員数250名のクラブです。250名の会員と三世代が同居しているような年齢構成ですから、例会だけでは、なかなか会員同士の親睦、意思の疎通が図れません。そこで、世代を超えて、より関係を緊密にしてくれているのが、19の同好会です。 続きを読む

ロータリーと女性(パート2)

寄稿者:伊藤千恵(東京恵比寿ロータリークラブ)

「男性も女性も年長者も若い人も外国の人も、さまざまな人が会員として活躍する新しいロータリークラブをつくるんだ」

そう力を込めて語る東京恵比寿ロータリークラブの設立会長にお声がけいただき、入会させていたのは、1995年のことでした。今で言う「ダイバーシティ(Diversity)」のクラブの誕生。男性31名、女性17名でのスタートでした。チャーターナイトまでの準備では、「バナーはクラブ名の恵比寿に因んで、七福神の一神の恵比寿様にしよう」「名札やロースターの色は女性もいるクラブらしくワインレッドにしよう」などなど、女性らしい意見を多く取り入れ、女性が中心となって活躍しました。

東京恵比寿ロータリークラブ歴代女性会長たちとポールハリスの肖像画を囲んで

ポール・ハリスの肖像画を囲んで(右から2番目が筆者)

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どのようにロータリーで革新性を発揮するか?

By ジョン・ヒューコ(国際ロータリー事務総長、キエフ・ロータリークラブ会員)

革新性と柔軟性 ― この二つの言葉は、急変する環境に適応する組織について話をするとき、よく耳にする言葉です。ではロータリーにとって、これらは何を意味するのでしょうか。

GS2019IAspeechひと言でいえば、革新性と柔軟性は、 続きを読む

革新的クラブの紹介:あすかロータリークラブのチームASUKA

情報提供者:植田俊應
(奈良県、あすかロータリークラブ2017-18年度会長)

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本年度、バリー・ラシン国際ロータリー会長は、地元地域の人びとへのインスピレーションとなり、次世代のために持続可能な活動を行っていこうと呼びかけています。

あすかロータリークラブ(第2650地区)では、この期待に応える革新的な活動を長年にわたって続けてきました。今回、直前クラブ会長の植田俊應さんに、クラブが実践している「チームASUKA」についてお伺いしました。

―― 「チームASUKA」とは? 続きを読む

ロータリーと女性

寄稿者:服部 陽子(東京広尾ロータリークラブ)

私の所属する東京広尾ロータリークラブは来年20周年を迎えようとしていますが、創立当初から会員の半数は女性で、現在に至るまでその比率はほとんど変わったことがありません。男性・女性の比率だけでなく、「日本語を解さない外国人も会員として活動できるクラブ」が創立のコンセプトでしたので、アメリカ人、フランス人、ドイツ人など国籍も様々で、日本語と英語の両国語で例会を行っている多様性豊かなクラブです。入会してくる会員も皆その多様性を十分に楽しんでロータリーライフを送っています。創立会員としてこのようなクラブに入会した私にとって、ロータリークラブに女性がいることはまったく当然で、改めて意識したことなどありませんでした。

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夜間例会の様子

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衛星クラブから新クラブ誕生へ

寄稿者:島村吉三久(第2830地区パストガバナー・五所川原イヴニングロータリークラブ〔青森県〕)

―いつの時代も次代を担うのは若者―satelite club

この9月18日、北日本地域に「五所川原イヴニングロータリークラブ」が誕生しました。新クラブのアドバイザーとして関わりましたので、誕生までの経緯をご紹介したいと思います。

このクラブは当初、衛星クラブとして発足しました。衛星クラブとは、「クラブの中のクラブ」です。このため、衛星クラブの会員はスポンサークラブの正会員でもあり、2つの会員種類を同時に持つことになります。

当初は11人での結成でしたが、その中には止むなく解散したクラブの会長さんと幹事さんも含まれていました。衛星クラブのお話を聞いてもらったところ、「もっと早くにわかっていたら解散しなくて済んだのに」との悔やみも聞かれました。 続きを読む

「元気」が自慢のクラブ

寄稿者:デービッド・チャン、ソウル・ロータリークラブ(韓国)

ソウル・ロータリークラブは、1927年に韓国初のクラブとして設立されました。クラブの特徴は、多国籍の会員がいて、公用語が英語であること。そんな当クラブもご多分に漏れず、「会員が減っている」「若い人が入会しない」「社会奉仕を十分にしていない」「例会がつまらないために意欲が減退している」といった課題を抱えていました。Korean vibrant club

そこで近年、クラブの変身をはかるためにいくつかの新しい試みを行うことを決定しました。まず、ソウルに住む19~35歳の英語を話す若いリーダーを会員とする衛星クラブを設立。レイ・チェッティさんを初代リーダーとするこのクラブは、65人の若いリーダーを集めることに成功しました。設立1年目、この衛星クラブは、38回の募金活動と社会奉仕活動を実施し、7,000ドル以上の募金に成功。現在は、2人の共同会長(サイエル・コルテスさんとヘイン・アンさん)のリーダーシップの下、サポートを必要とするシングルマザーの支援に力を注いでいます。  続きを読む