トイレは命を救う

2022年「世界トイレの日」のキーワードは「地下水」

きれいで安全なトイレを使えるのは日本では普通のことですが、世界にはトイレが使えずに屋外で排泄する人が数百万人おり、それが原因となって感染症で毎日何千人もの子どもが命を落としています。

毎年11月19日、国連によって定められた「世界トイレの日」には、トイレの大切さを認識し、安全な衛生設備が使えない数十億もの人びとに関する理解を深め、行動を起こすことが呼びかけられています。この問題は、公衆衛生だけでなく、教育、経済、環境にも深くかかわっています。特に多くの女性や少女にとって、安全に管理された衛生設備が利用できないことによる屈辱、不便さ、危険により、社会への全面的な参加が妨げられています。

「世界トイレの日」にちなみ、今回はトイレにまつわるロータリー会員による取り組みをピックアップしてご紹介します:

  • エルサルバドルでは、サン・サルバドル・マキリシュアット・ロータリークラブがTOILETONと称するプロジェクトを実施し、国内三つの公立学校に男女別のトイレと洗面台、適切な水管理システムを設置しました。さらに、プロジェクトの重要な要素として、教師と生徒、地域住民に対する衛生習慣の研修も行いました。
  • 2019年、東京東江戸川ロータリークラブがタイのアカ族に浄水機を寄贈し、その贈呈式に原町中央ロータリークラブ会員が同行しました。村にトイレが一つしかないことを知った原町中央ロータリークラブ会員は、アカ族の村にトイレを設置する活動を開始。2020年以来、二つの村にトイレを設置し、今後も募金を行いながらこの活動を続ける計画を立てています。
  • ガーナでは、ケープコースト-セントラル・ロータリークラブ(ガーナ)と第7040地区ロータリーEクラブ(カナダ)が協力して、同国の都市オブアシにボアホールとマイクロフラッシュトイレ(簡易水洗トイレ)を設置。そのおかげで、25,500人以上の住民の衛生状況が改善されました。
  • フィリピンでは、イントラムロス-マニラ・ロータリークラブが、ベートマンズ・ベイ・ロータリークラブ(オーストラリア)と協力して、アエタ族の三つの村にトイレを設置しました。完成後には、衛生習慣に関する住民向けのワークショップも行いました。

今年の「世界トイレの日」のテーマは「地下水-不可視なものを可視化する(Groundwater – Making the Invisible Visible)」です。不十分な衛生システムによって人の排泄物が河川や湖、土壌に入り込み、地下水の汚染の原因となっています。しかし、地下水という目に見えないところ、しかも最も貧しく、社会から取り残されたコミュニティで汚染が起きているため、問題が可視化されにくくなっています。地下水は、人間にとって最も大切な淡水源であり、飲み水や衛生システム、農業、工業、生態系を支えています。自然の水源を汚染から守り、持続可能な方法で使用し、人間と地球のニーズのバランスを保っていくことが必要です。

2022年の「世界トイレの日」の重要なメッセージは、「衛生を適切に管理することで人の排泄物による汚染から地下水を守れる」ということです。クラブと地区は、以下のような方法でこれを支援できます:

  1. 地域社会で水・衛生プロジェクトを実施する。水と衛生のロータリー行動グループ(WASH RAG)と協力して地域社会の調査を実施し、 地元における水・衛生の優先ニーズを見極める。
  2. 上記のロータリー行動グループのウェブサイトで、支援できる既存の水・衛生プロジェクトを見つける。
  3. 実施したプロジェクトについてロータリーショーケースに掲載する。または、他クラブが実施したプロジェクトからアイデアを得る。

地下水、そして人びとの命を守るには、適切なトイレと衛生設備が大切であること、またトイレを利用できない人が世界にはまだ大勢いることを人びとに伝え、私たちにできる支援を行っていきましょう。

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