行動計画シリーズその4:スコットさんにお聞きしました
Q. 適応力を高めることが、なぜ行動計画の優先事項の一つなのでしょうか。
スコット:誰でも、またどの組織でも、もっと大きな社会的インパクトをもたらそうとしています。ロータリーが影響力のあるリーダーとなり、パートナーとして求められる大きな機会が訪れていますが、変化のスピードが早い今の時代をリードするには、敏捷(びんしょう)さや時代との関連性を備えた組織となる必要があります。
Q. どのような課題がありますか。
スコット:ロータリーは、クラブや地区がばらばらに活動しており、しかも階層的です。そこにあるのは、チームではなく、規則、役員、役職、委員会です。管理層が多ければ多いほど、実際の活動から離れてしまいます。
リーダーシップとは、年齢にかかわらず誰でも発揮できる資質だと考える必要があります。大きな貢献をするために40年の経験は必要ありません。ポール・ハリスが弱冠36歳でロータリーを創設したことを忘れないでください。
Q. どこに機会があると思いますか。
スコット:新型コロナウイルス流行が起こる前、クラブの枠を超えて考える会員は多くありませんでした。自分たちが変革者のグローバルなネットワークだという自覚はありませんでした。しかし、コロナの流行によってほかの地区や国のバーチャル会合に参加したことで、ロータリーの活動全体に視線が向くようになりました。
私たちはこの勢いを生かしていく必要があります。私は、グレートブリテンとアイルランドのチームと協力しています。このチームが立ち上げたオンラインプラットフォームは、人びととクラブをつなげると同時に、場所ではなく活動分野に基づいて参加できる機会を提供しています。会員は、決まった時間の例会に参加するだけでなく、活動を絞って参加することができます。この方法は、入会の促進だけでなく、会員維持においても大きな成果を挙げています。
また、ロータリーが外部団体の活動に協力してさらに発展させたり、リーダーシップを共有したりするケースも頻繁に目にするようになりました。グレートブリテンとアイルランドでは、「Volunteer Expo」(ボランティア博覧会)を開催して、あらゆる人や組織との協力を促しています。毎回まったく新しい活動を考案する必要はないのです。
ソロでばらばらに演奏するのではなく、一つの曲をみんなで演奏すれば、美しいハーモニーを大音量で奏でることができるのです
ニッキー・スコット
Q. ロータリーが適応力を高めるために、どのような構造的変革を取り入れることができるでしょうか。
スコット:地域的な自律性を高めることがカギです。ある地域でうまく行ったことも、ほかの地域には文化的に適していない場合があります。
グローバルな組織としての理念、またグローバルなブランドとしての力を保ちつつも、地域的な側面にもっと焦点を当てることができます。ソロでばらばらに演奏するのではなく、一つの曲をみんなで演奏すれば、美しいハーモニーを大音量で奏でることができるのです。
Q. 楽観的になれる理由は何ですか。
スコット:ロータリーには力強さがあります。よいことをしようとしている団体は世間に多くありますが、善意が必ずしも結果に結びつくとは限りません。ロータリーには、人びとが求めている基盤と高潔さがあり、実際のニーズを知るための地域社会とのつながりもあります。私たちは結果を出す方法を知っており、それを行動に移します。

【プロフィール】
ニッキー・スコット(Nicki Scott)
ノース・コッツウォルズ・ロータリークラブ(英国)に所属。変革マネジメント・コンサルタント。ロータリー戦略計画委員会のメンバーとしてロータリー行動計画の策定に協力。2022-23年度国際ロータリー副会長。
>> ロータリー行動計画について:rotary.org/actionplan
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