~行動計画シリーズその1:ツスビラさんにお聞きしました
Q. 行動計画は「より大きなインパクトをもたらす」ことを私たちに求めています。どうすればそれを実行できるでしょうか。
ツスビラ:たとえ話でご説明しましょう。就学年齢のお子さんがいれば、学校での成績や試験でよい結果を出してほしいと思うのは当然です。しかし、親として、子どもの長期的な将来も考える必要があることを知っています。自分の子はどんな大人になるだろうか?親がいなくなった後、社会にどのように貢献していくのだろうか?
真のインパクトとは、プロジェクトでの私たちの活動をはるかに超えて続いていくものです。私たちが去った後もずっと持続していきます。
インパクトをこのように定義すると、奉仕についてこれまでとは違うとらえ方が必要となります。持続可能性を高めるには、地域社会に「何を与えるか」ではなく、私たちが去った後も地域社会がプロジェクトを引き継ぎ、自力で変化をもたらしていくことを可能にできるかどうかがカギとなります。優れたプロジェクトは、持続可能な変化のきっかけとなるものです。
Q. インパクトを測ることはなぜ重要なのですか。
ツスビラ:私たちが何を開始し、継続し、終了する必要があるのかを、より賢明に判断するためです。これは、ロータリーの未来に不可欠です。資金援助を行う規模の大きい機関は、インパクトの証拠を求めてきます。また、ロータリーの未来を担う若者たちは、組織の説明責任や透明性が重要視される時代に育った世代です。
Q. ロータリーで既にどのような変化が見られていますか。
ツスビラ:結果を評価、測定するための一貫した方法がロータリーにあるのは嬉しいことです。これにより、プロジェクトの計画立案やインパクトの測定において、誰もが同じ認識をもつことができます。
リスクを負うことへの意欲も高まっているようです。資金調達において、これはだめ、あれもだめ、という制約が少なくなれば、賢明な方法でリスクを負う意欲、また、失敗を恐れずに、そこから学ぼうとする意欲が促されます。
数多くのプロジェクトに取り組むよりも、重要な分野に的を絞って取り組んでいるクラブのほうが、サポートを得やすくなります。クラブは、「この地域の問題は何か」と問う代わりに、地域社会の強みを生かす方法を学び、変化を生み出していくために的を絞って取り組むことのできる「ツボ」を見つけようしています。
新しい「大規模プログラム補助金」にも期待しています。この補助金によるプロジェクトは、持続可能な変化をもたらすためのより長期的な枠組みを備えています。最も重要なことは、この補助金が、複数クラブの協力のきっかけをつくり、促していることです。安全な水源を確保したいなら、50クラブが50のプロジェクトを個別に実施するのは理にかなっていません。私たちがポリオ根絶で団結しているように、世界が直面するほかの課題の解決のためにも団結していきましょう。
優れたプロジェクトは、持続可能な変化のきっかけとなるものです
フランシス・ツスビラ
Q. 楽観的になれる理由は何ですか。
ツスビラ:ロータリーのポリオ根絶活動は、一つの団体が持続可能な真のインパクトを生み出せることの証です。持続可能な解決策をもたらすことに力を注いでいる次世代のロータリアンとローターアクターに期待しています。ロータリーなら実現できます。
それはさておき、私の名前「ツスビラ」は「希望」を意味するんですよ。

【プロフィール】
フランシス・ツスビラ(Francis “Tusu” Tusubira)
情報通信コンサルティング会社の創業パートナー。カンパラ・ノース・ロータリークラブ(ウガンダ)に所属。ロータリー戦略計画委員会のメンバーとしてロータリー行動計画の策定に携わり、ロータリー財団専門家グループ(CADRE)のメンバーでもある。
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