
自分の職業を奉仕に生かせることは、ロータリーの魅力の一つです。ロータリーでは、各自のスキルと経験を生かして地域社会のニーズに取り組みながら、職業での新たな機会や関心を見つけ、個人の成長を促すことができます。その方法の一つとなるのが、同じ職業や趣味をもつメンバーが一緒に活動することのできる「ロータリー親睦活動グループ」。本稿では、医療従事者のロータリー親睦活動グループ(the International Rotary Fellowship of Healthcare Professionals)のリーダーであるジョン・フィリップさんからお話を伺いました。
なぜ医療従事者のロータリー親睦活動グループのメンバーになったのですか?
フィリップ:12年前、地元のロータリーを超えて医療従事者の仲間とつながりたいと考えたのがきっかけです。このグループが、最前線で働く医療従事者たちとの世界的ネットワークへの扉を開いてくれました。無私無欲で奉仕するメンバーたちは本当に素晴らしく、職業面でも、ロータリー面でも、私のインスピレーションの源となっています。
親睦活動グループを通じて、職業の知識や経験をどのように奉仕で生かすことができますか?
フィリップ:私がロータリーに入会した当時、医者である会員はクラブに私ともう一人しかいませんでした。医療に携わる者として、自分たちのスキルを奉仕活動に効果的に生かす機会がないことにフラストレーションを感じていました。クラブは多くの奉仕活動や青少年支援を行っており、私もこれらの活動を楽しんでいましたが、何か物足りませんでした。ロータリーロゴ入りの帽子をかぶって奉仕活動をしていても、医者としてのスキルを生かせていなかったのです。国民保健サービスによって医療が行き届いている英国では、クラブが保健プログラムに従事する余地はあまりありませんでした。
医療従事者の親睦活動グループの2022年の活動予定を教えてください。
フィリップ:患者の安全に焦点を当てたいと考えています。人びとが医療について考えるとき、医療とは、患者が危険にさらされることなく、いつでも、どこでも、誰もが安全で尊重されたケアを受けられるものだと思うでしょう。当グループは現在、ロータリーが資金を提供する保健プログラムにメンバーがかかわり、その成果と安全をプロトコルに組み込むことができるよう、複数の国にメンバーのネットワークを築くことに取り組んでいます。また、それぞれの地元のロータリークラブとローターアクトクラブのサポートの下、患者さんたちの声を代表できる患者グループを作ることも考えています。既にそのようなグループがあり、「医療設備を寄贈したら、それが安全かつ持続可能な方法で使われるのか」といった厳しい問いを投げかけています。
当グループには二つの支部があり、必要に応じて国際的なネットワークをもっと生かせるよう、さらに支部ができることを期待しています。
また、二つのキャンペーンを立ち上げたいと考えています。一つは、交通事故を減らすキャンペーン、もう一つは、就学前児童の検診を受ける権利を呼びかけるキャンペーンです。新型コロナウイルス終息後のことは誰にも予想がつきませんが、確かなことが一つあります。それは、これまで多くの成果、特に母子の死亡率、感染症の管理、メンタルヘルスにおいて成果を上げてきた保健改善プログラムが、スタート地点に戻ってしまう可能性があることです。これは大きなチャレンジであり、連携が必要とされるでしょう。当グループは、親睦と行動を求める医療従事者たちの自然な集まりと言えます。まだメンバーになっておられない方は、ぜひご参加ください。
親睦活動グループでほかの医療従事者とつながることで、ロータリーでの体験がどのように変わりましたか?

フィリップ:60カ国以上の医療従事者たちとつながり、アイデアを交換できるようになったおかげで、ロータリーでの体験がさらに充実し、意義があり、甲斐のあるものになったと感じています。互いを思いやる医療従事者の大家族の一員になったような気持ちで、メンバーを心から信頼しています。このグループに参加したおかげで、「世界でよいこと」をするロータリーのパワーを実感できるようになりました。
医療従事者の親睦活動グループのウェブサイトもご覧ください。
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