子どもたちの未来に夢を馳せる ~遺贈の選択~

林直子先生とインターアクターたち。

約四半世紀にわたり桐光学園インターアクトクラブの顧問をされている林直子先生より、この度、ロータリー財団への遺贈のお申し出をいただきました。インターアクトクラブ顧問として、なぜロータリーに寄付することを選択されたのか。その理由を林先生に伺いました。

先生とロータリーとの最初の接点はどのようなものだったのでしょうか。

林:学校で、部活動の顧問としてインターアクトに携わるようになったのがきっかけです。それ以前は接点がありませんでした。顧問になってはじめて、ロータリーが素晴らしい活動をされていることを知りました。

インターアクトの活動を通して感じたことや、特に印象深かった出来事があれば、お教えください。

林:まず何より、第2590地区を中心としたロータリアンの皆様からいただいた数々のご薫陶や貴重な学びの機会が、すべて「宝もの」になっていることに、深く感謝しております。おかげさまで、人生が変わりました。

ロータリーの精神を象徴する出来事の一つとして、台湾へのインターアクト海外研修でのある経験をお話ししたいと思います。

台湾は、東日本大震災の時に世界で最も大きな支援をくださったので、そのことをよく承知して行くよう、事前に生徒たちへ伝えました。現地でロータリークラブの例会に出席させていただき、台湾在住の日本人女性の卓話を聴きました。その方は震災当日、大学の卒業旅行で台湾を訪れていましたが、ご実家が宮城で被災されたため、帰国できなくなってしまったそうです。そこで、今の自分にできることを考えて街頭で募金活動を始めたところ、たまたま通りかかったロータリアンが声をかけてくださったそうです。その方のオフィスへ招かれて事情をお話ししたところ、その後テレビ局にお連れくださり、テレビに出演させてもらえることになりました。その結果、ホームレスの方を含めて多くの方が寄付をしてくださったそうです。

日本のために台湾の皆さんがそこまでしてくださったと知って、生徒たちともども、とても感激しました。その女性は何か恩返しができないかと考え、その後台湾の会社に就職したとのことです。

なお、そのロータリークラブの皆さんは、震災以来毎年来日して、東北でボランティア活動をしてくださっています。

長い経験の中で、昔と今では生徒の気質が変わったと感じますか。当初はまだインターネットの普及も十分ではない時代でしたが、今は情報があふれ、学生を取り巻く環境も大きく変わったと思いますが……。

林:世の中全体を見れば変わってきているところはありますが、インターアクターたちは、本質的に変わっていないと思います。心の根っこで「ボランティア活動をしてみたい」と考える子たちは、10年、20年経っても、いつも変わらずに存在しています。「人のために役に立てることが幸せです」と言っています。

インターアクトを通して生徒たちにどのような成長を期待しますか。

林:インターアクトの活動は未来のリーダーを育てることが目的ですが、リーダーシップとは、一般に広く認識されている「人の前に立って集団を引っ張っていく力」に限らないと思います。私が考えるリーダーシップとは、「柔軟な心と広い視野をもち、相手の立場になって考えられる」ことです。すなわち、控えめな性格で大きい声をあげるのが苦手な人にも、リーダーシップはあると思います。裏を返せば、話術が巧みで大きい声で場を仕切るのが得意な人が、必ずしもリーダーシップを備えているとはいえない、ということです。集団のトップに立っていなくとも、相違を受け容れることができて思いやりの心をもっていれば、向き合う相手がたとえ一人であってもよいと。私は、これを「静かなリーダーシップ」と名付けています。それが、世界平和の一歩になると信じています。

先ほどお話ししたように、時代が変わっても、奉仕活動に関心をもつ生徒は一定数います。おそらく、皆様が考えておられるよりも多くの青少年が、奉仕活動をしてみたい、と考えているのではないでしょうか。あとは、大人がいかにその契機を提供できるか。青少年の中に未来のロータリアンは大勢いる、と希望をもっております。

先生が今回、遺贈という形でロータリー財団への寄付を決めた理由をお聞かせください。

林:生きている間に、自分の意思で遺産の使途を決めておきたいと考え、遺言書を作成しました。どれほど遺せるかわかりませんが、長年お世話になってきたロータリーへの感謝の気持ちとして、少しでも恩返しをさせていただきたいからです。私がこの世を去った後もロータリーとのご縁が続き、微力ながらお役に立つことができるならば、無上の幸いです。

今後、ロータリーに求めたいことが何かありますか。

林:現在の世界情勢を見渡すと、ほかの国や他者のことを考えない風潮が強くなっていることを危惧しています。テロや紛争も絶えません。利己に陥らず、リーダーシップを備えて争いを起こさない人間を育てることで、真の世界平和のために力を尽くしていただきたいと思います。人々が理不尽に命を奪われたり、故郷を追われたりしない世界を実現するために。

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※このインタビューは国際ロータリー第2590地区により、地区大会記念誌用に行われたものです(ブログ記事用に編集されています)。第2590地区のご協力に心より感謝いたします。

>> インターアクトクラブについて
>> ロータリーへのご遺贈について

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