デジタル時代とコロナ時代のロータリークラブ

寄稿者:天野志乃布(愛知三州ロータリークラブ会員)

「新しいカタチ」のロータリークラブ

緊急事態宣言下でのガバナー補佐訪問例会(2021年9月09日撮影)

私は祖父と父がロータリアンだったので、「ロータリークラブは平日の昼間に仕事を調整し、例会に参加する団体」だと思っていました。なので、いざ入会を誘われたときには、日中に仕事を抜け出して出かけることに対して、何となくモヤモヤを感じました。

けれども、2017年3月に設立された愛知三州ロータリークラブは、「新しいカタチ」のロータリークラブだと知り、「これならできそう!(=続けられる)」と入会しました。何が新しいのかというと…

  • 例会は平日夜18時30分から
  • 食事がないため会費が安く、例会に集中できる
  • 遠隔地からオンラインでの例会参加が認められる

当時私が一番気にいっていたコンセプトは、「オンラインでの例会参加が認められていること」。早速、出張先の大阪のホテルから「Skype」で初めてオンライン参加し、スマートフォンさえあれば点鐘から点鍾まで、問題なく参加できました。他のメンバーたちも、出張と重なった時はオンラインで参加しています。

事務局がなくてもデジタルで運営

他の特徴として、当クラブは年会費が抑えられており、事務局を持っていません。そのため、クラブで割り当てられたアカウントのメール、あるいはコミュニケーションアプリ「LINE」のグループを通して連絡がきます。地区大会や奉仕活動の出欠も、「スケジュール調整アプリ」などを活用します。ほかにも、例会や親睦会などの写真は「BAND」にアップし、そこから写真を選んで「Facebook」に投稿しています。

コロナ禍でも例会を

2020年、新型コロナウイルスが世界中で猛威をふるいはじめ、私たちも2回例会を中止せざるをえませんでした。その期間中、当時の執行部がいち早く「Teams」を活用し、全メンバーに普及させたことにより、2020年4月から通常通りに例会が再開されました。現地で参加できる人では現地、現地に行けない(行かない)人はオンラインでの参加を選択できる「ハイブリッド型例会」なので、一時帰国していた米山奨学生も、母国から例会に参加することが可能となりました。

今までもオンラインでの例会参加は可能でしたが、「緊急事態宣言」など今まで考えもしなかった状況を受け、対面での出席人数を制限し、例会開催や参加の方法についてさらに検討した結果、安心で安全な現在の例会運営方法にたどり着くことができました。

奉仕と親睦も継続

手探りながらも例会を運営できるようになると、次はロータリアンにとって大切な「奉仕活動」と「親睦活動」をコロナ禍でどのように行うか、を考えました。

社会奉仕活動「天使の森 植樹」(地区補助金奉仕活動)での植樹活動(2020年11月3日撮影)

特に奉仕活動は対外的に人が集まることが多く、従来通りに進めることが困難ですが、屋外で行う「天使の森の整備・植樹」や「おとがわリバークリーン」は、体調管理と密にならないように気をつけながら、比較的以前と変わらないスタイルで行っています。屋内で行う奉仕活動である「外国にルーツをもつ子どもたちへの学習指導(財団補助金事業)」では、緊急事態宣言中は「zoom」の指導のみとし、宣言解除時は直接またはオンラインを選択できる方法で行っています。また、「子ども食堂」では一緒に食事を取ったり、談笑したりすることは叶いませんが、弁当を渡して、声掛けすることに変更した上で継続的に支援しています。

会員同士の親睦は、店で集まるのは今も難しいですが、家族親睦例会の代案としてビンゴゲームをオンライン例会で行ったりし、予想以上に盛り上がりました。また、東京2020のオリンピック観戦も親睦委員会主導でオンラインで行い、野球などいくつかの競技を観戦しながら交流しました。ハイブリッド例会を通じて思った以上に交流できることがわかり、今度は保留になっていた新入会者や米山記念奨学生のウェルカム・パーティーをオンラインで行う予定です。

これからをソウゾウ(創造・想像)する

当クラブの特長であるハイブリッド例会を継続し、参加方法を繰り返しメンバーに伝えることによって浸透させた結果、2020-21年度の例会休会はなく、コロナ禍でもガバナー公式訪問時の出席率は約90%、2020-21年度の年間出席率は約94%を維持できました。

愛知三州ロータリークラブは「ロータリーはこうでなくてはならない」という壁を低くして、「こういうロータリーもアリでしょう」を体現したクラブです。今後はニコニコボックスのオンライン化とメンバーへの周知、そして今あるツールの選択と最適化が必要と考えています。時代と共にこれからも変化を取り入れ、(不得手なメンバーへのフォローを忘れず)これからのロータリークラブをソウゾウしていきたいです。

【寄稿者プロフィール】
天野 志乃布(あまの しのぶ)
歯科医。愛知三州ロータリークラブ第5代目会長(2021-22年度)。 

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デジタル時代とコロナ時代のロータリークラブ」への3件のフィードバック

  1. 投稿拝見いたしました。周りの人たちにも紹介させていただきます。ありがとうございました。
    RID2610;石川県;能美(のみ)ロータリークラブ所属(金属製品製造):RI第2610地区公共イメージ委員会委員長

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    • ぜひ周りの方々にご紹介頂けると嬉しいです。
      当クラブにご興味がございましたら、例会にオンラインビジターで参加もウェルカムです!
      コメントありがとうございました。

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  2. 茅ヶ崎RCの小澤と申します。変化に柔軟に対応するこれからのロータリーの在り方として大変参考になる記事だと思いました。ちなみに私自身も歯科医師をしています(^^)

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