「ロータリー奉仕デー」地球環境保全グローバルプロジェクト

寄稿者:新井和雄(国際ロータリー第2820地区ガバナー)

2021年9月12日、国際ロータリー第2820地区(茨城県)の呼びかけに、世界各地のロータリークラブが呼応し、それぞれの国のそれぞれの地区で市民と共に、海岸や河川や湖沼を綺麗にするプロジェクトを行いました。

第2500地区(北海道)

地球環境の危機

私たちの生活を支える社会経済システムは、近代化が進み人間社会は成熟し安定しているように見えます。しかしながら、発展途上の国では開発を急ぎ、先進国ではさらに便利な生活を求め、拡大し続ける人間活動は、自然界へ過大な負荷を与えています。たとえば産業革命以降、人間社会が排出してきた温室効果ガスが気候変動を誘引し、世界各地で10年に1度、あるいは50年に1度といわれる大災害が毎年のように発生するようになりました。さらに、プラスチックごみによる海洋汚染は、生物多様性の損失や食物連鎖による健康被害をもたらしています。このように地球環境は危機的に変動しており、文明社会の持続可能性を脅かしています。

第2820地区の環境保全は“Think Globally, Act Locally”

地域社会に貢献することは、地球環境を改善する効果があります。例えば下館ロータリークラブは、遊水池の周りに植樹した300本のロータリー桜や、街道沿いに植樹したサザンカ並木、そして県内各地の公園に植樹した桜を長年に亘り管理しています。これらの樹木は、年間約300トンのCO2を吸収して地球温暖化の抑制に寄与しています。また高萩ロータリークラブは、毎年海岸清掃を行っており、約1トンのプラスチックゴミを回収し、太平洋のマイクロプラスチックをはじめとする海洋汚染の抑制に寄与しています。このように、各地のロータリークラブが行うローカルな活動は、たとえ僅かでもグローバルな環境の保全に効果をあげることができます。

第2820地区(茨城県)

地区の「ロータリー奉仕デー」が予期せぬ展開に

本年1月に、第2820地区は「ロータリー奉仕デー」として地区内55クラブが参加し茨城県の海岸を清掃するプロジェクトを企画しました。そこで、2021年2月の国際協議会に参加した私は、まず日本の同期ガバナーに第2820地区ロータリー奉仕デーの計画を紹介し、「皆さんも一緒にやりませんか?」とお誘いしたところ、多くの同期ガバナーが賛同してくれました。勢い余って、世界各地の同期のガバナーにも問いかけたところ、多くの国の同期ガバナーの賛同を得ることができました。そして、9月12日にグローバルな「ロータリー奉仕デー」として、世界各地のロータリークラブが、市民と共に、それぞれの国の、それぞれの地区で、海岸や河川や湖沼の清掃活動を行うことになり、最終的に245団体(地区・クラブ・RCファミリー・各種団体・個人)から3万2千857人の参加登録がありました。

第5890地区(アメリカ)

インパクト

第2232地区(ウクライナ)

今回、世界各国から3万人を超える参加者が、海岸・河川・湖沼の清掃を行い、直接的に地球環境を改善する効果をあげました。しかし、このプロジェクトの大きな目標はもっと先にあります。それは、ゴミを拾った一人ひとりが「なぜ、このゴミはここに来てしまったのか」それぞれに考えてもらい、少しでも地球環境問題に意識を傾けていただき、日常生活の行動に小さな変化をもたらすことです。その一人ひとりの行動変容は、どのような高度な技術開発より地球環境保全へ貢献する効果があるものと信じています。

ロータリーが環境の保全に取り組むことの意義

地球環境問題の中心にある大気や海洋はグローバルに繋がっています。言い換えれば国境を越える問題であり、国家の安全保障としては取り組みにくい問題です。他方グローバルガバナンスで行動するロータリーはポリオ根絶への貢献が示すように、地球全体を見渡しながら人間の安全保障に取り組むことができます。そして、時に経営と環境問題の拮抗関係が取りざたされますが、会員の多くが経営者であるロータリーは、7つ目の重点分野に環境を採択し活動を始めました。これは、社会のリーダーたちが環境問題に正面から取り組まなければ、持続可能な社会経済の発展は不可能なこと、そしてロータリアンが最も力を発揮できる分野であることを示しているのだと思います。

第3292地区(ネパール)

新たな視点

これまでロータリーは、同じ時代に生きる人たちに、教育や医療、そして地域経済への支援を通じて、ロータリーの援助を必要とする人々の人生を豊にしてきたのだと思います。他方、今回取り組んだ地球環境問題の被害者は、数十年後か、場合によっては数百年後に生きる人たちにまで及びます。つまり、ロータリー7つ目の重点分野「環境」は、未来の人たちが幸せに生きるための地球環境を損なうことがないように、現世代に生きるロータリアンが自分達の行動に責任を持つ活動です。したがって今回の地球環境保全プロジェクトは、世代間の公平さという視点がとり入れられています。

【寄稿者プロフィール】
新井和雄(あらい かずお)
国際ロータリー第2ゾーン第2820地区(茨城県)ガバナー。下館ロータリークラブ元会長(2015-16年度)。ホテル業。

【関連ページ】
>>環境に関するページ
>>会長イニシアチブ



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