寄稿者:カレン C. ローブ(米国コロラド州のロータリー会員)

ロータリーで最近、「多様性、公平さ、インクルージョン」(DEI)という言葉をよく耳にします。DEIと聞いて、RYLA(ロータリー青少年指導者養成プログラム)を思い浮かべる人はいないかもしれませんが、RYLAでもDEIを強化することができます。
第5450地区(米国コロラド州)では、「RYLAプラス」と銘打った、障がいのある青少年を対象とする活動を行っており、障がい者支援団体Easterseals Coloradoとの提携の下、障がい者法に準拠した施設でユニークなプログラムを開催しています。参加者のニーズをサポートするため、訓練された医療スタッフとカウンセラーが配置されています。「1週間でうちの子に何をしたの?」と言う保護者もいますが、それは参加者のポジティブな変化を目の当たりにし、誇りをもってそういってるのです。
個人的な動機
私たちがロータリーで行うことの多くは、個人的な動機から始まります。私は、姉が交通事故で両足を切断したことをきっかけに、大学で障がい者と協力するようになりました。水泳を習って自信をつけた学生たちを見て、自分も人を助けることでインパクトをもたらせることを実感しました。だから、私のロータリークラブが新しいプロジェクトを検討していたとき、私はすぐに、身体障がいのある若者を対象としたRYLAプログラムの実施に取り組みました。意外なことに、Easterseals Coloradoとロータリーと間には、素晴らしい歴史的つながりがあることも知りました。Easterseals Colorado創設者のロータリアン、エドガー・アレンは、ポール・ハリスの親しい友人だったのです。
周到な準備
これを実現するためのステップとして、参加者のニーズに合わせた調整を行う必要がありました。参加者を募集するための学校やクリニックとの関係構築、キャンプへの無料参加を可能にするための複数クラブからの資金調達、ロータリアンと青年のカウンセラーの確保などです。起草から8年、これまでに7回の対面式キャンプを開催し、大きな成功を収めてきました。これは、周到な準備と適応力、そして参加者や保護者からの信頼があったから実現したことです。
多くを学ぶ参加者
参加者は新しい友人を作るだけでなく、歓迎されていることを実感でき、万全の受入態勢の中でキャンプを体験できます。かつてのキャンプ参加者がジュニアカウンセラーとなり、運営を手伝ったり、報告会をリードしたりする姿も見られます。また、自らの障がいを克服してスポーツや組織で成功を収め、社会に貢献している講演者から刺激を受けることができます。参加者は、問題解決、チームワーク、そして物理的なチャレンジ(クライミングウォールやジップライン)の克服について学びます。チャレンジに挑む参加者には皆で拍手を送ります。キャンプ修了者は、パラアイスホッケーの全米代表チームに入ったり、毎週授業でプレゼンテーションを行うクラスに入学したり、大学を卒業したりと、自信と新たな挑戦への意欲を高めています。保護者からも、参加者がより自立し、自分で目標を立てるようになったとの報告を受けています。何よりも嬉しいのは、多くの参加者が翌年もジュニアカウンセラーとして参加し、リーダーシップのスキルをさらに高めると同時に、自分と同じような人が充実した経験を得られるよう手助けをしてくれることです。
スペシャルなRYLAを創造しよう
私の夢は、RYLAプラスが世界中のロータリーで再現されるようになることです。皆さんの地元にEasterseals Coloradoのような施設がない場合は、障がい者のためにどのようなリソースが利用できるかを詳しく調べてみてください。RYLAプラスのような活動のほかにも、若者のためにインクルーシブな活動を行う方法はあります。既存のRYLAプログラムをアレンジして、さまざまなニーズのある人や、多様な背景、ジェンダー、性的指向の人などを受け入れる方法を考えましょう。地域社会のニーズや課題を検討し、公平さを高める体験を企画しましょう。計画委員会、参加者、ボランティアについて検討する際は、奉仕するコミュニティの多様性を反映させましょう。何をするにしても、皆さんには人びとの生活を変える力があることをご理解ください。どのような経験をされるにしても、それはロータリーでの最高の経験となるでしょう。
RYLAプラスに関するご質問は、kcloeb@gmail.comまでご連絡ください。
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