寄稿者:トム・ガンプ(第5950地区ガバナー、Edina/Morningsideロータリークラブ[米国ミネソタ州]会員)

私の地区には新しいクラブがいくつかあり、いずれもとても元気なクラブです。結成後も成長し続けています。
創立会員の88%は、ロータリー初心者です。ロータリーの活動方法を知らない人もいるので、これらの新クラブを大切に育てていく必要があります。その方法はシンプルです。会員が熱意をもつ分野に焦点を当てて活動し、柔軟さを取り入れ、多様な会員を迎え入れ、そして何よりも、楽しんでもらうことです。
会員が熱意をもつ分野に焦点を当てる
これまで多くのロータリアンと話し、ロータリーに入会した理由やとどまり続ける理由を尋ねてきました。その結果、とどまる理由の多くは、「友情」「楽しさ」「奉仕」であることがわかりました。つまり、奉仕活動に参加し続けてもらわなければ、いずれ退会してしまうということです。
どんな奉仕活動をすればよいのでしょうか。その答えは、会員が熱意をもつ分野に焦点を当てることです。そのような活動は、会員の意欲を引き出します。新型コロナウイルスが流行する前、Minnesota Veteransロータリークラブ(退役軍人が会員となっているクラブ)の数名の会員は、例会場や奉仕活動の場所に行くためなら、献血や食糧・医療品の寄贈といったシンプルな活動でさえ、車を2時間運転することもいといませんでした。
奉仕するなら、楽しく奉仕しましょう。例えば、現役軍人にカードを送る活動をしたときには、ピザとビールでのパーティを同時に行いました。新クラブの一つであるKaleidoscope ローターアクトクラブも、自閉症の人たちとその家族のために同様の奉仕活動を実施しています。
柔軟さを取り入れる
義務や経済的な負担が多すぎることがロータリークラブ退会の主な理由であることが、国際ロータリーによって示されています。クラブが柔軟に対応することで、これを軽減できます。
- 例会の時間: 従来型クラブの多くは、平日に朝食例会か昼食例会を開いています。当地区の新しいクラブの多くは、火曜日の晩か土曜日の午前中に例会を開いています。
- 例会の場所:従来型クラブは通常、会員の自宅か職場の近くで例会をしており、その多くはカントリークラブやホテルといった会場で一律の高い食事代を払わなくてはなりません。当地区に新たに設立された複数の法人クラブは、こうした慣習を変えつつあります。これらのクラブは、職場で例会を開いたり、若い世代の会員たちが高額な食事代を払わずに居酒屋やレストランで例会したりしています。教会も例会場として人気が高まっています。私たちのクラブは、牧師である会員の教会の地下室で例会を行っています。
- 例会の形式:従来型クラブは、月に4回、通常例会を開くのが典型的です。当地区の新クラブは、通常例会は月に2回、そのほかは親睦の集まりや奉仕プロジェクトを代わりに実施しています。また、会員の職場訪問も行っています。例えば、会員が経営する空港を見学し、その後で小型飛行機での飛行を楽しんだこともあります。また、補助金プロジェクトで支援を受けたことのある地元施設で奉仕活動をしたり、地元の食糧バンクで箱詰めや運搬を手伝ったりすることもできます。
- 例会の参加方法:新型コロナの流行以前は、従来型クラブのほとんどが直接対面式で例会を開いていました。今では、ほとんどのクラブがバーチャル形式かハイブリッド形式を取り入れています(こちらのブログをご参照ください)。当地区の新しいInternational Rotaract eClub for the Environment(環境のためのインターナショナル・ローターアクトEクラブ)では、10カ国から20名の会員がバーチャルで会合しています。また、従来型クラブのようにEメールで連絡を取り合う代わりに、WhatsAppのアプリを使っています。
多様な人の関心に応える
第5950地区では、分野特化型の新クラブもいくつか設立されています。これらのクラブは、入会の障壁を減らし、新しいタイプの柔軟な会員モデルを提供しています。これにより、当地区内で80人の女性会員が新たに入会し、地区における女性会員の割合が今年度に30%から32.25%にアップしました。その立役者は、主に以下の三つの新クラブです:
- The Twin Cities Eco Club(ツインシティ・エコクラブ) の女性会員の割合は52%
- The Rotary Club to End Human Trafficking(人身売買撲滅をめざすロータリークラブ) の女性会員の割合は61%
- The Network for Empowering Women Rotary Club(女性のエンパワメントのためのネットワーク・ロータリークラブ) の女性会員の割合は69%
もちろん、男女均等をめざすだけでは十分ではありません。あらゆる種類の多様性を考える必要があります。当地区の新クラブは他地域よりも多様性に富んでいますが、プライバシーの理由から、新会員報告書式で詳しい個人情報を集めることができません。当地区は現在、「プライド」クラブ(性的マイノリティの人びとが主体のクラブ)の結成に取り組んでいます。
楽しむ
4月23日に結成され、5月1日に加盟認証された当地区で最も新しいクラブ、Rotary E-Club of Global Travelers(グローバル旅行者のロータリーEクラブ)は、最近、インドとのバーチャル友情交換を実施し、バーチャルツアー、オンラインのインド料理クラス、ヨガと瞑想のクラスなどに参加しました。
新クラブに目的意識を与え、柔軟性と多様性を促し、楽しんでもらうことで、新クラブを育てていきましょう。そうすれば、ただ存続するだけでなく、成長し、大きく羽ばたいていくでしょう!
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新クラブ設立後に新クラブを導いていくための方法が紹介された新クラブを育成するのコースもぜひご参照ください。
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