寄稿:デイブ・ライランダー(Dave Rhylander、米国コリアービル・ロータリークラブ会長)

新型コロナ流行の中でもクラブを成長させることは可能でしょうか。その答えは「イエス」であると、私たちは胸を張って言うことができます。新型コロナウイルスはロータリークラブだけでなく世界に多くの課題をもたらしましたが、それでも、会員の意欲をかき立て、奉仕への参加を促し、入会への関心を高める方法はあります。
昨年6月、私たちのクラブは20%の会員増加を目標に掲げ、現在までに13人の新会員が入会しました。なぜ「20%」かというと、2000年代のはじめに100人だった当クラブの会員数が年々減っており、年に20%増なら3年後(またはそれよりも早く)に会員数が100人に戻るという計算だからです。たやすい目標でないことはわかっていましたが、ビジネスやスポーツと同じく、まずは目標を定め、達成に向けた計画を立てることが大切です。
1年足らずで13人の入会がどのように実現したのか。私たちが実行した七つの項目をご紹介します。
- 「法人会員」を導入:7月から導入した法人会員制度では、一つの法人から数名の会員が例会に出席できます。当クラブでは、ロータリーのガイドラインを参考にして、一つの法人から主要会員が1名、その会員が出席できない場合に代わりの人が出席できる、というモデルを採用しました。これによって、従来は入会しないような人も入会することになったのです。地元には大手企業数社の本社があり、法人会員によってクラブの会員層が厚くなっただけでなく、さまざまな企業の関心を引き、ロータリーのイメージ転換のきっかけにもなりました。
- 女性と若い職業人の入会を促す:「高齢男性のクラブ」というイメージを払拭するのが狙いでした。女性会員と若い会員にプロジェクトを担当してもらい、地域社会の目に留まるようにすることで、これらの会員が地域社会での「大使」となりました。クラブに若い会員や女性会員がいることを見てもらえれば、入会への関心が高まるだけでなく、クラブの奉仕活動にも注目が集まります。13人の新会員のうち、6人が女性です。
- オンラインの入会申込書を作成:オンラインで簡単に入力できます。
- 認知度向上につながる奉仕プロジェクトを実施: 人助けのための奉仕活動に関心がある人たちの注目を引くことができました。今年は、年末に街角に立って募金を行い、会員とその家族など大勢が参加しました。街角に立っていると、関心をもった人たちが寄ってきて、「どうしたらロータリーに入会できるの?」と聞いてきます。集めた資金のほとんどは、団体の管理費や人件費ではなく、恵まれない人たちを助けるために活用されます。また募金に参加した人たちは皆、とても充実した経験だったと口をそろえます。人助けの大切さを子どもに教えたいと、子ども連れで参加する人もいます。つい先日、クラブの奉仕活動が称えられ、地元商工会議所から「NPOオブ・ザ・イヤー」を受賞することができました。
- ソーシャルメディアで会員を紹介:ロータリアンではない人たちにも活動を知ってもらい、仲間になりたいと感じてもらうため、ソーシャルメディアを活用しました。毎週、会員1名をピックアップしてその人のプロフィールを紹介し、ロータリー会員の素顔を見てもらいました。また、例会の様子をフェイスブックに投稿したり、募金活動の写真を投稿して支援を呼びかけました。こうした努力によって、「ロータリー」という言葉が多くの人びとの目に留まりました。
- さまざまな例会オプションを提供:対面式の例会に直接出席できない人は、Zoomで出席できるようにしました。また、保健局のガイドラインに従い、例会前日にこれを掲載することで、会員が状況を把握できるようにしました。新型コロナ感染者の増加によって、12月と1月には地元地域がほぼ閉鎖され、直接対面式での例会は行いませんでした。
- 多様性を重視:会員が多様であれば、活力や新しいアイデアがもたらされます。若い世代を引きつけるには、魅力的なプロジェクトを実施するのが一番です。幼い子どものいる若い会員は、ポリオの予防接種、歳末のクリスマスプレゼント、貧しい国の子どもたちへの無料の心臓手術といった奉仕の大切さを理解しています。
今年度の会員増強の取り組みはまだ終わったわけではありません。年度末までにあと5~8人は入会させたいと考えています。私たちのクラブにとって、コロナ禍の1年は、二桁の会員増を実現した1年でもあります。皆さんのクラブはいかがでしょうか?
【関連記事】
>> ハイブリッド例会を始めてみよう
>> 新しいクラブのモデルで世界をつなぐ
>> より開放的なクラブをつくる3つの方法
【最近の記事】
>> ワクチンボランティア 最高の日
>> インパクトを測ることはなぜ大切なのか
>> 大きな目標に向けた小さなステップ