By Steven Sanbo(第6690地区パストガバナー)
私が思い出すのは、何百人もの人びとの顔。希望、安堵、感謝、恐怖、喜び、興奮、絶望、不安、そして涙。マスクの裏に隠されたこれらはすべて、2月にアリゾナの集団予防接種センターで目の当たりにしたことです。

何百人もの、これほど多くの感情が浮き出た顔を見るのは、2014年、貿易学校を開くためにロータリーでグアテマラを訪れたとき以来です。活動現地付近でマグニチュード7.4の地震が発生し、村人たちは、支援、食料、水、シェルターを求め、行方不明の家族のための希望を必要としていました。私とほか2人のロータリアンは、シェルターボックスを出動させるボランティアとなり、希望に応えるために活動したことを覚えています。
2020年12月、私と妻はオハイオ州の自宅を離れ、数カ月のあいだ、アリゾナ州ケーブクリークで暮らしました。米国西部で暮らす子どもや孫たちと簡単に会えるようにするためです。
新型コロナワクチンの活動を支援するために何かしなければと思った私たちは、すぐにボランティア登録しました。それから6週間後、妻にオファーが来ました。私たちは同時に登録したので、私にも来るだろうと思っていたのですが、一向に電話はきません。イライラして保健局に連絡したところ、システム上で私のデータが紛失したことが明らかに。がっかりしました。再度登録してみると、私の前には8,000人のボランティアがいました。
準備できているのだから今すぐ行動したい。それがロータリアンでしょう?
私は運良く、ある予防接種所で翌日早朝にボランティア1名が必要とされていることを知りました。予防接種所に到着すると、小さなアリーナに案内され、登録所を割り当てられました。そこでは、米国連邦緊急事態管理庁のコンピューターシステムを使って来訪者を確認します。しかし、5分の研修を受けた後、私はお役御免となりました。恐らく、私は新しいソフトウェアを素早く習得するのが得意ではないので、来訪者が列を作ったときに私が確認作業に当たるのはよくないと考えられたのでしょう。
しかし、私には考えがありました。その日ここに来たすべての人が、1年で最高の日を過ごせるようにしたかったのです。たとえシステムでデータが見つからなかった人でも、「大丈夫ですよ」と声をかけて、必ず接種できるようにしました。700人の方が予防接種を受けるのを見ていると、皆さんの感謝の気持ちが伝わってきて、私の心も晴れやかになりました。
ある人は針を怖がっていたので、急いで列に並ばせました。また別の人は化学治療にも行かなければならなかったので優先的に列に組み込みました。90歳代の方が4人来て、一番若い人は18歳で車いすに乗っていました。私が登録をサポートした人にはロータリアンも2人含まれ、私のマスクに付いていたロータリーのロゴに気づいてくれました。
私はボランティアや来訪者の優しさに圧倒されました。お礼は言わなくても、目やマスクの裏には優しさがあります。帰りの車の中、私はこの日が、21年前のロータリー入会以来で最高の日だったと感じました。
最近の記事:
>> インパクトを測ることはなぜ大切なのか
>> 大きな目標に向けた小さなステップ
>> 世界で機会の扉を開くロータリーの「外交官」たち