インパクトを測ることはなぜ大切なのか

データ重視のアプローチでプロジェクトの成果と進展を記録

『Rotary』誌2021年3月号より

ローターアクトとRYLA学友が結成したEクラブ「Rotary Social Impact Network (RSIN)」は、設立当初から奉仕活動においてデータ重視のアプローチを取ってきました。

加盟認証後の最初のプロジェクト「Plastic Free July」では、プラスチックごみに関する認識向上キャンペーンを実施。データでプラスチック使用量を計算し、プラスチックごみの少ない生活様式を促進することが狙いでした。クラブはまず、オンラインの環境インパクト計算機を使って各会員が一日に使うプラスチックの量を調べ、これを基準値としました。各会員が生活様式を切り替える努力をし、プロジェクトの終わりにもう一度計算して成果を確認しました。

クラブはまた、オーストラリアの山火事で被災した地域社会のために募金をした際にも、データ重視のアプローチを採用。赤十字社に寄贈した衣類80袋分について、その価値が5,000ドルであると見積りました。

ロータリーがプロジェクトの「持続可能性」を重視する中、奉仕のインパクトを測定、記録することの重要性が高まっています。「ロータリーのインパクトは、自分たちだけにとどめるべきではない」と話すのは、クラブ会長のレベッカ・フライさんです。「そのために、私たちが地域社会にもたらすインパクトを測り、成果として伝えていく必要があります。そうすれば、一緒に活動することへの関心が高まるでしょう」

経験者からのアドバイス

「基準値を定める」
プロジェクトの進展と成果を記録するには、まず、開始時のデータを調べ、これを「基準値」とします。グローバル補助金を活用してエチオピアで新生児死亡率削減プロジェクトを実施したデル・マー・ロータリークラブ(米国カリフォルニア州)は、基準値となるデータを集めるために、「エチオピアで何人の新生児が亡くなっているか、そのうち何人の死亡が予防可能だったか」を調べました。

「測定可能なソリューションを見つける」
問題を突き止めたら、プロジェクトでもたらしたい成果を数量化します。上述のデル・マー・ロータリークラブの場合、エチオピアの医療従事者が特定の臨床スキル(新生児蘇生など)を身につけてさえいれば、新生児死亡の3分の2を予防できたことを知りました。このため、 新生児の生存率を高める ために、「必要なスキルの研修を受けた人の数を増やす」ことを目標に掲げました。

「過去の事例や参考資料を活用する」
効果的にインパクトの測定や評価を行った過去のロータリープロジェクトを、指針として参考にしましょう。My ROTARYからダウンロードできる「グローバル補助金 モニタリングと評価の計画について」にも、各重点分野におけるプロジェクトのインパクト測定の例が紹介されています。

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「シンプルに保つ」
どのデータを、なぜ集めるのか。誰が、誰から集めるのか。誰が、いつ、それを見るのか。こうした点を検討することで、データ収集と測定のアプローチが決まります。前述のオーストラリアの山火事プロジェクトでは、データを記録するためにオンラインのスプレッドシートを使いました。また、実際のインパクトを把握するために、寄贈物資の記録をつけ、各物資の平均価額を見積りました。

「質的データも忘れない」
数字だけではプロジェクトの全体像を伝えることはできません。研修プログラムを例にとった場合、研修を受けた人数だけでなく、そのスキルや考え方にどのような変化があったかを知ることが大切です。受益者の声やケーススタディも、数字だけでは捉えられないインパクトを示す証拠となります。

この記事は『Rotary』誌2021年3月号から転載し、翻訳・編集したものです。

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