
ロータリー会員は長年、地球を守るさまざまな活動を実施してきました。今年7月から「環境」が正式にロータリー重点分野の一つとなることで、ロータリーで環境を守る機会がさらに広がるでしょう。今回は、世界各地で実施されているロータリーの環境保護活動をいくつかご紹介します。
【日本初】 都市緑化: 「緑の散歩道プロジェクト」

名古屋中央ローターアクトクラブが、名古屋市のロータリアンと共同で都市緑化プロジェクトを実施。プロジェクトリーダーである小林ジュリエットさんは、「名古屋の夏は暑く、緑が少ない」と感じていました。市内に緑を増やすことで市内の風通りがよくなり、日陰が増えて気温が低下する、また交通の騒音や大気汚染が減少すると考えた小林さんは、「環境のためのロータリー・ローターアクト共同事業」プレゼン大会に参加。見事優勝し、アオキの苗180本の寄贈を確保したほか、国土省と相談して駅・学校・ショッピングモールに近い国道沿いを植樹の場所に選びました。国土省からは、サインボードの設置やツイッターでの情報発信といった協力も得られました。
プロジェクト当日には、ローターアクター42人とロータリアン43人が植樹を行いました。詳しくはこちらの記事をご覧ください。
【韓国発】 「未来」の種をまくローターアクター

第3690地区のローターアクターは、外出規制やテレワークが原因で増えたプラスチックごみへの認識を高めるため、「地球をきれいに、私たちをきれいに」(“Clean Earth, Clean Us”)プロジェクトを開始。まず、プラスチックごみがもたらす深刻な問題について啓発するために、楽しい短編ウェブドラマをつくり、正しいごみ分別に関するクイズを盛り込みました。さらに、プラスチックボトルを植木鉢として再利用する方法を紹介するウェビナーも開催しました。
ウェブドラマとウェビナー動画(韓国語)をYouTubeでご覧いただけます: https://www.youtube.com/channel/UCEtZD-le_VnhuBrUs8be6IA
【ブラジル発】 自然を保護しながら農家の収入を増やす
降雨量の少ないブラジル北東部では、小規模農家が家族を養い、収入を得るために作物を栽培する必要がある一方で、自然も保護しなければならないというジレンマに直面しています。そこでMaceió-Farolロータリークラブは、作物の栽培と原生種の木を一緒に植えることで作物の生産を増やし、持続可能な土壌をつくり、農家の収入を増やす「森林農業プロジェクト」を開始。33,500米ドルを投入したこのプロジェクトで、同国で最も貧しい地域の60世帯の家族が恩恵を受けました。
【イタリア発】 バーチャルジョギングに挑戦
新しい「環境」の重点分野とアースデーを記念し、イタリアの二つの地区のロータリアンが「バーチャルレース」を開始しました(実施期間:2021年3月21日~6月21日)。アプリをダウンロードすれば、屋外でのウォーキング、ジョギング、サイクリングなど、誰でも参加できます。アプリでは、距離(キロメートル)を記録でき、同じ距離を車で移動する場合と比べた二酸化炭素の節約量が計算できます。参加料全額がロータリー財団に寄付されるほか、合計距離数が最も多いロータリーまたはローターアクトのチームに、環境プロジェクトの資金として賞金500ユーロが贈られます。
この取り組みとダウンロードのアプリはこちらをご覧ください:https://www.rotarianvirtu1alrun.it/en/

【モーリシャス発】 重油流出から環境を守るロータリアン
2020年7月、重油4000トンを積んだ貨物船「わかしお」がモーリシャス付近のサンゴ礁で座礁。船から重油が流出し、モーリシャスの生態系を脅かすこととなりました。これを受け、Rose-BelleロータリークラブとMahébourgロータリークラブのロータリアンたちが行動を起こしました。重油流出をせき止めるため、さとうきびのわらを詰めた吸着棒をつくるために救援隊員たちが休むことなく作業にあたりました。ロータリアンも現場で活動し、作業員たちに軽食や飲み物を提供したほか、ヘアサロンから集めた髪の毛を靴下に詰めて重油を吸着させる活動を開始。島の人びとも髪の毛を寄付してこのプロジェクトをサポートしました。
【ドイツ発】 環境保護のグローバルチームを編成
Nürtingenローターアクトクラブが「Treety of Generations」(世代の協定)プロジェクトを開始し、空き地への植樹を世界中のクラブに呼びかけました。まず、環境問題に関心を寄せる海外のクラブを探し、Cumbayáローターアクトクラブ(エクアドル)とMOP Vaishnavローターアクトクラブ(インド)とのパートナーシップを築いて活動を試験的に開始。次に、環境に関する知識があり、ソーシャルメディアでプロジェクトの推進を行う会員から成るボランティアチームを各タイムゾーンで編成。新型コロナ流行の中でも、1500本以上の木を植えることに成功しました。
この取り組みについてLinkedInとInstagramからご覧ください。
【グアテマラ発】 千世帯に「エコ調理台」を提供
伝統的な薪での調理は、1時間にたばこ400本分の煙を生み出します。世界で30億人が現在もこの方法で(その多くは屋内で)調理しており、WHO(世界保健機関)によると、屋内の空気汚染による死亡者数は、マラリア、結核、HIV/エイズによる死亡者数の合計を上回っています。グアテマラ・デル・エステ・ロータリークラブとロサンゼルス・ロータリークラブ(米国)は、アティトラン湖沿いにある村の家庭を支援するプロジェクトを開始。村人の飲み水の主な水源であるこの湖は、調理用の薪のために木々が伐採された地域からの土砂の流出が一因で著しく汚染されています。プロジェクトでは、煙を屋外に排気できるエコ調理コンロを1,000の家庭に提供し、薪の必要性を70パーセント減らしました。各コンロは、炭素放出を年に4トンから3トンに減らすと期待されています。
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