寄稿者:小林・テンピア・ジュリエット(名古屋中央ローターアクトクラブ 2020-21年度会員)

私は小さいころから、環境とまちづくりに強い関心を持ってきました。環境に優しい街、外を歩きたいと思うような街は、自分だけでなく、大事な家族や友人の幸せにつながると思っています。
国際ロータリー第2760地区が「RAC-1グランプリ」プレゼン大会を実施し、優勝したローターアクトクラブに活動支援金30万円を与える、しかもプレゼンのテーマが「環境のためのロータリー・ローターアクト共同事業」だと聞いたとき、すぐに参加したいと強く思いました。ロータリーファミリーが一丸となり、よりよいまちづくりの実現に貢献するという強いミッションを感じました。
優勝を目指してプロジェクトを計画
私はフランスから来日して以来、名古屋の夏は暑く、緑が少ないと感じていました。市内に緑を増やせば、市内の風通りがよくなり、日陰が増えることで気温が低下する、また、交通の騒音や大気汚染の減少といった効果が期待できます。
そこで、ロータリーファミリーの力を借りて、街路樹を増やそうと考えました。まずは、ロータリークラブとの共同作業ということで、ロータリアンの思いを確認しようと思い、共同事業担当である地区ローターアクト委員長の津曲修一郎さんにヒアリングしました。

次に、名古屋市に相談を持ちかけ、市街路樹の担当者と話し合った結果、市道で植樹するニーズがとても低いとわかりました。そこで、地域社会のニーズを見直すことにし、緑が少なく、かつ植樹ができそうな道を探しました。国道の歩道にはポケットパークは多いものの、管理されていない場所が多く見られます。管理されていないため雑草が生え、ポイ捨ても多いのです。そこで、小田井駅付近、小・中・高等学校やショッピングモールがあり、歩行者も多い国道302号沿いに植樹しようと決めました。
歩いて気持ちの良い道、ポイ捨てされない道づくりを目指し、年中元気に育つ植物、交通の邪魔にならない植物、できるだけメンテナンスを必要としない植物が相応しいと判断し、「アオキ」という植物を選びました。国道302号を管理している国土交通省(中部地方整備局)にも連絡し、植樹の許可を取りました。
そして臨んだ「RAC-1グランプリ」当日、私たちが植樹するべき理由と目的、具体的な計画をロータリーファミリーに向けて発表し、優勝することができました。優勝結果が発表された時、涙が出るくらい嬉しかったです。
ロータリアンとローターアクターが一丸となって実現
プロジェクトが実施されるとわかった後、当クラブのスポンサーである名古屋みなとロータリークラブの高村芳行さん(造園業)にアオキの苗を寄付していただくことになりました。また、植樹のノウハウも教えていただきました。同時に、国土交通省(中部地方整備局)と段取りを進めました。
2020年11月7日、「緑の散歩道プロジェクト」当日は、ロータリアン43名、ローターアクター42名、総勢85名でアオキの苗180本を植樹。ロータリアンとローターアクターが一丸となり、当日までの準備と当日の作業を行なったことで、地区内の交流が深まりました。名古屋南ロータリークラブの方がテントと拡声器を用意し、地区ローターアクト委員長と名古屋熱田ローターアクトの会員がプロジェクトの案内役となりました。名古屋東ロータリークラブの馬場善志雄さん(警備会社経営)が警備を担当してくださいました。さらに、当日のボランティアスタッフは、地区にある各ローターアクトクラブから一名ずつの方に協力していただきました。
国土交通省名古屋国道事務所も、現地で実施団体を示すサインボードの設置やTwitterでの情報発信など、全面的にご協力いただきました。
ロータリーファミリーが大好き

今回の共同事業を通じて、ロータリーとローターアクトが協力することで、活動の規模やインパクトがより大きくなることを実感しています。ロータリアンからのご支援があったからこそ、ローターアクターに新しい可能性が生まれ、ロータリーファミリー内でのつながりがより深まったと感じています。共同事業はローターアクターの思いを形にできる機会であり、とても感謝しています。
また、ロータリアンが持つ「Give Back」の精神にも感銘を受けています。成功した分、または助けてもらった分以上を社会にお返しするという価値観こそが、社会として幸せに生活を送っていくうえで大切だと思います。ロータリーファミリーにはたくさんのクラブがありますが、所属が異なっても助け合うところが素晴らしいと思います。「助け合い」と「恩返し」精神を大事にするロータリーファミリーが大好きです。
今後も、ロータリーのミッションを忘れずに、地区内のクラブの強みを活かし、地域社会を巻き込みながら、人びとの生活をよりよくするためにクラブで活動していきたいと思います。
【寄稿者プロフィール】
小林・テンピア・ジュリエット(KOBAYASHI TEMPIA Juliette)
フランス出身。2010年に1年間の交換留学生(高校)として初来日。母国の高校卒業後、2012年に再び来日。2014年に日本人男性と結婚。名古屋大学院 工学研究科 土木・環境工学専攻(国際プログラム)卒業。在学中に名古屋大学生協留学生委員会で委員・委員長・理事を務め、留学生の生活の向上に取り組む(就活支援、他言語で大学イベントまとめWEBサイト開発など)。2018年に名古屋中央ローターアクトクラブ入会。2021年に日本の企業に入社。
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