共通言語は日本語:多国籍の新世代クラブ

寄稿者:阮 潔(さいたま大空ロータリークラブ会員)

例会がそのまま国際交流に

クラブ会員たち(写真一番右が阮さん)

私たち「さいたま大空ロータリークラブ」は、ロータリー財団の学友と米山記念奨学金の学友から成るクラブです。会員は7つの国と地域の出身で、平均年齢は30代後半、女性が多いのも特徴です。中国に在住し、遠隔で例会に参加している会員もいます。共通言語は日本語です。

一番の醍醐味は、クラブでの例会が、そのまま国際交流であることです。国際色豊かなメンバーと一緒にいる中で、お互いに異国文化や習慣に触れあい、国際理解を深めることができます。

また、家族や友人が少ない日本での厳しい生活でも、相談しあい、助けあえる仲間がいることも貴重です。人脈が広がり、例会や活動で仲間と会えるだけで楽しいと実感しています。

クラブの特徴を奉仕活動に生かす

クラブが特に力を入れているのは、地区補助金を活用した国際奉仕活動です。多国籍クラブであるという強みが、これらの活動で生かされています。みんなの発想力と行動力に加え、出身国に関する知識や人脈、母国語を生かして、会員が奉仕活動の計画から実施まで責任をもって実行します。受益者の選定、ニーズ調査のためのヒヤリング、準備などを自分たちで行うことができるため、より効果的で細やかな奉仕活動が可能となり、現地訪問も安全かつ安心してできます。

伝統として毎年、クラブ会長の出身国で国際奉仕を行っています。これまで、ネパール、ミャンマー、スリランカ、モンゴルといった国々で、教育支援や人道支援の活動を行ってきました。

国際奉仕活動に加え、クラブの地元地域の子どもたちと毎年交流し、外国文化を体験してもらう社会奉仕活動も行っています。

モンゴル肝炎患者支援プロジェクト

今年度は、中国出身の私が会長となり、中国でのロータリーの活動が難しいことから、モンゴルを実施地として選びました。幸い、モンゴルの米山学友が通訳を担当してくれました。

モンゴルは西太平洋地域の中でウイルス性肝炎感染率が最も高い国ですが、国立感染症センターの肝炎病棟に集中治療室がなく、別病棟の集中治療室に搬送するのに5~10分かかり、救急患者・重篤患者の救命率が低くなる原因となっています。この搬送時間を短縮すれば、救命率を40%までアップすることができます。モンゴルのツツグン・ローターアクトクラブがそのための「集中治療室改善プロジェクト」を立ち上げたことを知った私たちは、現地ローターアクターと協力して、地区補助金を利用して生体情報モニターと薬品キャビネットを寄贈しました。

Zoomでの贈呈式

このプロジェクトでは、海外ローターアクターとの新たなパートナーシップを切り開いただけでなく、モンゴルのローターアクトクラブと米山学友会の協力関係を築く機会にもなりました。

世界的なコロナ禍の影響で実行が危ぶまれましたが、ZoomやSNSを利用して、モンゴルのローターアクトクラブやモンゴル米山学友会と協力し、無事に贈呈式を行うことができました

「大空」のようなクラブをめざして

さいたま大空ロータリークラブの「大空」には、「このクラブに集う仲間は、たとえ若く未熟な者であっても、大空のように高く、そして広い志を持ち、自らの理想に向かって臆することなくはばたく人間であってほしい」という思い、そして「この見上げた大空には、国境がない」という意味が込められています。

これからも、会員が互いに理解・尊重し、国境を越えた絆を深めながら、継続的にグローバルで奉仕活動ができるクラブになりたいと思います。みんなで決めたクラブのビジョン、「会員一人ひとりが、個性と能力を発揮し、柔軟性の高いクラブ。地域社会ニーズに応え、異国文化の交流と伝えを続けるクラブ。お互いに多様性を認めあい、共にグローバルで活躍するクラブ」を実現し、「大空」のようなクラブになることを目指して。

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