By ジョン・フィリップ
(医療関係者のロータリー親睦活動、会長)
膨大な数のロータリーの仲間が、今この瞬間も途切れることなく、新型コロナウイルスと最前線で闘っています。そこで私たち医療関係者で構成されるロータリー親睦活動グループ(International Fellowship of Rotarian Doctors)も支援に加わり、意見やアイデアを交換して役立てることを決めました。
まず私たちは、世界各地から30名以上のグループメンバーやゲストを招き、2回のオンライン会議を開いて意見を交換し、それぞれの体験を共有しました。
メンバーの話には心を大きく揺さぶられました。多くの仲間が、この困難な状況下で努力に努力を重ね、多くの深刻な患者を必死になって治療しています。自分のリスクを顧みずにです。自分を守る防護服・備品の不足、それに治療機器・設備の不備に苦しむメンバーも多く、社会的差別や偏見、患者への悪意ある振る舞いに対処しなければならなかったという経験も寄せられました。
会議ではまた、新型コロナの状況下における末期医療と妊産婦の課題を取り上げました。この世界的な流行により、医療従事者は今までにない困難に直面しています。
圧倒的な死者の数。一つの死から立ち直る時間などなく、次の患者の治療に取りかかることを余儀なくされています。患者の家族は、大切な人を看病することも愛を伝えることもできないまま、想像もしなかった別れの時を迎えます。心の準備も覚悟もなく、そこには慰めも励ましもありません。
妊産婦のケア、とくに緊急のケースでは対応に当たる医師や助産婦も高いリスクに晒されます。麻酔が必要な場合は特別な防護器材が必要になります。分娩室でのパートナーの立ち合いにも実質的な問題が生じます。
多くの医師が過労に苦しみ、わずかなサポートしかない状況で自らを危険にさらしています。今回の会議を通じて、ロータリー世界が医療従事者の献身を誇りとし、無事を祈っていることを伝えることができました。医療従事者のロータリー親睦活動は、メンバーそれぞれが異なる医療分野を専門とする国際的グループです。一人ひとりがロータリー、そしてロータリーの垣根を超えて、人を救う活動に貢献している医療従事者です。
今回のオンライン会議やメールでの交流を通じて、世界中あらゆる場所で活動する仲間たちとのつながりができました。今後もこのネットワークが発展することで、この世界的な危機的状況においても、草の根からの小さな意見や発見、経験をまとめていくことができるでしょう。
オンライン会議が行われて以来、治療の選択肢に関する話し合いの機会が増えました。ほかの議題として、出口戦略、予防方法、論理的配慮、デジタル技術(利用するかしないかについて)、それに無症状時からの感染などが挙がっています。
私たちは今後もオンライン会議を行う予定です。詳細を知りたい方は私までご連絡ください。
6月はロータリー親睦活動月間です。ロータリー親睦活動は、皆さんの関心や興味について世界中のメンバーと交流できる場です。新型コロナウイルスによって交流の方法は変化しましたが、ロータリーのネットワークは常に強固なものとなっています。親睦活動について詳しくはこちらのページをご覧ください。
最近の記事:
>> バーチャル交代式の開催
>> 新型コロナウイルス流行を強く生き抜くための「回復力」の科学
>> コロナウイルスに打ち勝つための3原則