各地で育ちつづける被爆樹木二世たち

『原爆で黒焦げになった太い木が 翌年、白い芽を出した。 今でも元気である。広島の人は自分たちも生きていけるかと思った。我々も生きていく。
このツバキが原爆の惨状を見ていた。ツバキは亡くなった人の死を悼み、また世界に向けて平和を呼びかけた』
川妻二郎(ロータリー会員・被爆者、ツバキ植樹式[米国パサデナ]でのスピーチより)

Kofu South

「イチョウがつなげる平和の願い」に参加した地元保育所の子どもたち。写真提供:甲府南ロータリークラブ

原爆投下後「75年は草木も生えない」と言われた広島には、「被爆樹木」と呼ばれる木々があります。爆心地から半径2キロメートル以内に散らばるこれらの木は、原爆を生き延びた「被爆樹木」として広島市から特別に認定されています。原爆で焼け焦げた樹木から新しく芽吹いた芽は、被災した市民に生きる勇気と希望を与えたと言われています。

言葉は語らないけれど、原爆の生き証人として後世に記憶を残し続ける役目を託されたこれらの木々は、広島を拠点とする平和推進家たちの手によってその種や苗木が大切に育てられ、その二世たちが国内や海外に植樹されています。

2013年の「ロータリー世界平和フォーラム広島」でグリーン・レガシー・ヒロシマの活動が紹介されたことをきっかけに、ロータリーもそのネットワークを通じてこの活動に協力し、日本各地や北米に被爆樹木の植樹を行ってきました。「被爆樹木はメッセージを伴う大切なもの」という信念の下、有志のロータリアンが、植樹を希望する国内クラブからの申込みを場所や責任者、植樹後の報告義務への同意などを慎重に考慮した上で苗の配布を行っています。

2月のロータリー「平和構築と紛争予防月間」にちなみ、これまでにロータリーを通じて植樹された被爆樹木二世の一部をご紹介します。

【日本】

  • 大池公園(福岡県上毛町)
    広島東南、長崎南、豊前ロータリークラブにより、広島と長崎の中間点にある上毛町の大池公園内の二カ所に広島と長崎からの苗木が植樹され、それぞれ「広島の丘」「長崎の丘」と名付けられました(植樹日:2019年9月)。詳しくはこちら
  • 富士川悠遊館グランド(山梨県甲府市)
    甲府南ロータリークラブの60周年事業の一環として原爆の日(8月6日)にイチョウを植樹(写真上)。市立中央保育所の年長児童が参加(植樹日: 2018年8月)。
  • 恐竜公園(長野県長野市)
    長野南ロータリークラブが「おにぎり例会」を行って植樹、整備してきた同公園にイチョウを植樹(植樹日:2013年5月)。
  • 特別養護老人ホームほほえみ(福島県喜多方市)
    喜多方ロータリークラブが被爆樹木の植樹活動に賛同し、会員が理事長を務める同施設にソメイヨシノを植樹(植樹日:2018年4月)。
  • 認定こども園「浪江にじいろこども園」(福島県浪江市)
    RI第2530地区がマローニー国際ロータリー会長夫妻の来日を記念してソメイヨシノを植樹(植樹日:2019 年8月)
  • 八幡神社境内(秋田県能代市)
    能代ロータリークラブ60周年記念エノキ植樹(植樹日:2019年10月)
  • Namie hibakuju尚志高校(福島県郡山市)
    喜多方ロータリークラブが同高校にソメイヨシノを植樹(植樹日:2019年10月)。
  • 高尾公園(長野県伊那市)
    伊奈中央ロータリークラブがアオギリを植樹(植樹日:2016年8月)。
  • 川中小学校(愛知県名古屋市)
    平和教育と並行して小学校の中庭にイチョウを植樹。
  • 山中小学校(石川県加賀市)
    山中ロータリークラブと「300年緑の会」がイチョウを植樹
  • 大須観音宝生院(愛知県名古屋市)
    名古屋大須ロータリークラブがイチョウを植樹。

その他の国内参加クラブ:網代多賀、白山石川、萩東、焼津、伊那中央、呉東、白山、江田島、中島、山中、呉、飯田南、諏訪湖、浜松南、磐田、秩父、茂原、大和、名古屋大須、砺波、南砺、中部名古屋みらい、天竜川、利尻、千曲川、福山南、福山北、広島南、甲府西、都留、伊那中央、等。

【北米】

  • International Friendship Garden(米国・エバンストン)
    田中作次RI元会長の年度に寄贈されたイチョウの苗木を、エバンストンのロータリースタッフが植樹(植樹日:2013年11月)
  • Storrier Sterns日本庭園(米国・パサデナ)
    RI会長主催平和会議に合わせ、同庭園にツバキを植樹(植樹日:2015年1月)
  • Japanese American Cultural & Community Center、リトルトーキョー(米国・ロサンゼルス)
    ロータリー財団グローバル補助金「南カリフォルニアにおける青少年に対する平和教育プロジェクト」の一環として柿の木を植樹(植樹日:2018年4月)
  • カーターセンター(米国・アトランタ)
    アトランタ国際大会とRI会長主催平和会議に合わせ、イチョウを植樹(植樹日:2017年6月)詳しくはこちら
  • Van Dusen植物園(カナダ・バンクーバー)
    RI会長主催平和会議に合わせ、イチョウを植樹(植樹日:2018年2月)
  • Descanso Garden(米国・ロサンゼルス オンタリオ)
    Rotary World Peace Conference 2020に合わせて柿の木を植樹(植樹日:2020年1月)

Kitakata hibakuju被爆樹木の植樹を通じた平和プロジェクトに関心のあるクラブは、rotaryheiwatrees@gmail.comまでご連絡ください。

(執筆担当:時山、執筆協力クラブ:広島東南ロータリークラブ、東京米山友愛ロータリークラブ、東京米山ロータリーEクラブ2750)

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各地で育ちつづける被爆樹木二世たち」への3件のフィードバック

  1.  甲府南ロータリークラブです。被爆樹木イチョウは元気に育っています。地元のコミュニティ施設のグラウンドで富士山を眺めながら小さな子供達やサッカーを楽しんでいる少年達、グランドゴルフのお年寄り等皆さんと一緒に平和を願いながら、これからも広島の思いを伝えていきます。

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  2. 甲府南RC 立川様 すくすくと育っている被爆樹木 これからも多くの人達に勇気とそして 核のない世界を目指してメッセージを伝えていることでしょう。
    また イチョウに会いに参ります。(東京米山友愛ロータリークラブ 関 博子)

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  3. もっともっと、こんな活動を、ロータリーと、学校子ども達とで、
    日本のみならず、世界に、特にアメリカで行いたいです。

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