寄稿者:テリー・ビアード
(ポートランド・ロータリークラブ)
スピーチするくらいなら死んだ方がまし。
皆さん、そんな風に話す人をご存知かもしれません。人前で話すことを恐れる人は多くいます。
約半世紀、私は人前で話すことをひどく恐れていました。その恐怖はひどいものです。流れる汗はまるで滝のよう。思わず部屋を飛び出してしまう。言い訳を見つけては人に代理をお願いする。スピーチを避けるためにもう何だってする...私がこんな感じになったのは、人生初期でいくつか苦い経験をしたからです。
私はこれを克服したかった。そして50歳を迎えた15年前、親友の紹介でトーストマスターズのメンバーとなりました。
(注記:ロータリーは、トーストマスターズ・インターナショナルとの協力関係を築いています。)
この20年間、私はロータリーの「超我の奉仕」に徹してきました。いま心から感じるのは、人が自分の「声」を発見できるよう支えてあげることが最高の奉仕になるということです。
4年前、まさにそれを実行するため、私はロータリーの友人と一緒に、トーストマスターズクラブを立ち上げました。ポートランド・ロータリークラブには250名を超える会員がおり、そのうち約40名がトーストマスターズクラブのメンバーとなっています。大半はロータリー会員ですが、ロータリアンでない人も受け入れています。
トーストマスターズの強み
トーストマスターズでは、聴衆の前で落ち着いて知識や経験、価値観を紹介するための方法を学びます。これは聞き手にとって楽しいだけでなく、自分にとってもストーリーを共有することによる癒しの効果が得られます。最初は心を開いて話すことは難しく、不安に感じることもありますが、やがては互いを理解して共感できるようになります。
ほかのメンバーの話に耳を傾けることも利益となります。話し手の感じ方や考えに同調することもあり、信頼や共同体意識が芽生えます。これらはすべて平和につながるでしょう。
私たちがさまざまな話し方を学び、それを発展させていくと、人生のあらゆる局面で役立つようになります。また、今日のインターネット時代に失われつつある感覚を取り戻すこともできます。
トーストマスターズとの連携によってロータリークラブ会員は多くを得ることができます。
- クラブ内に話の上手な人が増えることで例会の質は向上します。クラブは時として、話し手としての腕前に関係なく、トーストマスターズのプログラムに人を招待することがあります。このような機会は話のトレーニングになります。
. - リーダーシップ育成の質を向上できます。私のロータリークラブでは、会長エレクトに選ばれた人が、会長としてスピーチをする機会に備えるためにトーストマスターズに参加しました。一方、彼の参加によってトーストマスターズのメンバーは、例会運営の方法について学ぶことができます。
. - トーストマスターズのメンバーとなったロータリー会員は、ロータリーのストーリーを効果的に一般の人たちに伝えるためのスキルを磨くことができます。
. - 効果的にロータリーのストーリーを伝えることができれば、ロータリー入会の魅力も伝えることができます。私が所属するトーストマスターズクラブではロータリーについて話をすることが多いので、ロータリアンでない人がロータリーについて学び、入会することもしばしばです。
当初、私たちがトーストマスターズクラブを立ち上げたのは、メンバーのスピーチ力とリーダーシップスキルを伸ばしたかったからです。しかし、実際は期待以上の成果が出ており、深いレベルで人とつながり、末永く続く関係を築くことができます。
ロータリーとトーストマスターズの組み合わせによって大きな夢が実現します。コミュニケーションとリーダーシップのスキルを磨けば磨くほど、世界の問題に取り組むための準備が整うでしょう。
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