~宮城県南三陸町長が感謝のメッセージとともに国際ロータリー事務局を訪問

南三陸町の佐藤仁町長(左)と小沢一彦元ロータリー財団管理委員
2011年3月11日の東日本大震災の後、「ロータリー東日本震災復興基金」には世界中のロータリー会員や他団体から多額の寄付が寄せられました。これらの寄付で、多くの被災地支援プロジェクトが実施されました。
支援を受けた地域のひとつに、宮城県本吉郡南三陸町があります。この町では、津波の被害による死者と避難生活に伴う震災関連死が620人を数え、いまだ行方不明者が200人以上います。町の住宅の約6割に相当する3,143戸が全壊という大きな被害を受けました。
あれから8年以上を経た2019年8月22日、南三陸町の佐藤仁町長が国際ロータリー日本事務局(東京都港区)を訪れ、ロータリーからの復興支援に対して感謝の意を述べました。
佐藤町長はこう語ります。「壊滅した町がここまで復興できたのは皆さまのおかげ。町民が苦しんでいる時にロータリアンの皆さまが行ってくれたご支援は、これからも決して忘れることはできません」

南三陸名産の南三陸杉で作られた御礼の品
ロータリー東日本震災復興基金に寄せられた約880万ドル(約9億円)の寄付は、221件のプロジェクトを通じて被災地への支援に充てられました。この基金の委員長を務めた小沢一彦さん(元ロータリー財団管理委員)は、感慨を込めて次のように語ります。「これらのプロジェクトには、フィリピン、韓国、ドイツといった海外のロータリークラブからの支援も加わり、基金の3倍以上の大きな額のプロジェクトになりました。委員は全員、手弁当で活動し、基金はすべてプロジェクトに充て、最後に残った335万円は、ロータリー財団管理委員会の許可を得て、その後発生した熊本地震の被災地区へのお見舞金として送りました」
この訪問では、佐藤町長から感謝状と同町名産の南三陸杉で作られた御礼の品が国際ロータリーに送られ、代表して小沢氏が受け取りました。
佐藤町長からのメッセージ
ロータリークラブ会員の皆さま、こんにちは。
皆さまにおかれましては、東日本大震災で被災した当町に対し、心温まるご支援を賜り、この場をお借りして御礼を申し上げます。
さて、南三陸町は、宮城県の北東部に位置する人口約1万3,000人の小さな町です。これまでも幾度となく津波に襲われてきましたが、明治29年の明治三陸地震、昭和8年の昭和三陸地震、昭和35年のチリ地震津波では、大きな津波被害を受けています。
平成23年3月11日、そんな小さな町に東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)により発生した巨大な津波が押し寄せ、800人余りの尊い命が奪われたほか、住宅や商店などの建物も約6割が全半壊し、道路や漁港といったインフラ施設も、そのほとんどが被災しました。役場庁舎も流失し、被災直後は、まさにぼうぜん自失といった状況でした。
しかしながら、ロータリークラブ会員の皆さまをはじめ、世界中の個人や団体からのご支援により、復興計画10年のうちに、すべての復興事業を完遂できる見通しとなりました。一度は壊滅した町がここまで復興することができたのは、苦しい時に力になっていただいた皆さまのおかげです。本当にありがとうございました。
現在の南三陸町は、東日本大震災クラスの津波が来ても町民が安心して自宅で過ごせるよう、すべての住宅を高台に移しております。また、商店街や海水浴場も復旧し、昨年度は、観光客数が過去最高となったほか、海藻藻場では全国初となるラムサール条約の保全対象リストに志津川湾が登録されるなど、新たな価値を創造するまちづくりの一歩を踏み出しております。
最後になりますが、今後とも、変わらぬご支援を賜りますよう、お願い申し上げますとともに、会員の皆さまのますますのご発展とご健勝をお祈り申し上げます。
また、機会があれば、ぜひ南三陸町に足をお運びください。
南三陸町長 佐藤 仁
このストーリーは『ロータリーの友』10月号にて掲載中です。
(執筆担当:時山)
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