クラブ広報「仕掛け」と「仕組み」

寄稿者:深尾 兼好(第2730地区 鹿児島西ロータリークラブ)

「アーンドメディア(Earned Media)」という言葉が今、我々広告屋の世界では、ちょっと気になる言葉になっています。直訳すると「獲得する」という意味ですが、それはこのメディアが、広告によってではなく、話題の創出によって信頼や評価を獲得しようとするメディアだからです。最近は、売り物がいくら良くても、体験談や評判といった世間での評価をまずSNSで調べてみるのが通例です。Public Relations Word Cloud tag cloud isolatedかつては情報を一気に広めたければ、広告とパブリシティだけで事足りたのですが、近年は広報をPESO= Paid 、Earned 、Shared 、Owned というメディアの機能で語ることが多く、その中のEarnedやShared、つまりパブリシティとSNS、更にOwned Media (ホームページ) をバランスよく活用することが広報の基本とされるようになりました。これはロータリーでも全く同じことが言えます。市民社会で理解され、信頼関係を築き、最終的に会員増強に繋ぐには、知らせる努力が必要です。

「ロータリーって何?」と聞かれて、「?」という市民がほとんどです。いくら素晴らしい理念を掲げ、地域に貢献する活動をしていても、それを伝えなければ、地域の支援は得られません。クラブが必要とする人たちにも届きません。陰徳がロータリーの身上という会員もおられますが、広報を無視して善行を行っても、それは自己満足に過ぎません。跡を継ぐ仲間がいなければ奉仕活動は一代で消滅します。ロータリー広報の役目は、共感してくれる仲間に思いを込めてプロポーズすることです。

「仕掛け」と「仕組み」

ロータリーの広報を行う上で、最も大切なのは、地域の話題となる奉仕プロジェクトを企画、実行すること。ロータリーに無関心な市民にその素晴らしさを逡巡と説いても振り返らせることはできません。『振り返らせる仕掛け』を作ることが第一。話題になれば共感が生まれます。共感は仲間を集めます。次にそのニュースを『広く知らせる仕組み』を作ります。ロータリーの広報は広告コストを掛けずに情報を発信するのが役目。そう言った意味ではホームページやソーシャルメディアの活用は極めて有効と言えます。

その中で特に今、注目されているのがオウンドメディアの見直し。SNSの弱点でもある集積(ストック)が、ホームページの特性、検索エンジンのカバー(SEO)さえできれば、課題を抱えた人、情報を探している人との接点になるからです。ホームページにあらゆる情報や写真データをストックし、検索に応えるコンテンツを置いて待ち構え、必要に応じてSNSやアナログツールに転載すればホームページはクラブ情報の有用な倉庫として機能します。最近は動画を作成し、You Tubeに投稿したり、会員研修やイベントに使用したりするクラブもあるようです。またホームページのデータからプレスキッドを作成し、マスコミ、官公庁にリリース。同時にポスター、チラシ、DM、名刺にも情報を盛り込めばPRツールとして機能します。

内容がいいから広報しなくても人が集まるはず。自分が感動したから人が耳を傾けてくれるはず。ボランティアだから、多少拙くても理解してくれるはず。といった「はず」が多いのがロータリーの特徴です。ロータリアンが期待するほど一般市民はお人好しではありません。また単年度制の特徴として、やりっぱなしが多く見受けられます。継続を図るなら、市民の声に耳を傾け、計画の見直しを行い改善しなければなりません。広報は積み重ねです。

我がクラブは、2006年から過去6回に亘り、ロータリーファミリーと称される4つの世代(プロバス・ロータリー・ローターアクト・インターアクト)を中心に鹿児島市民を巻き込み、鹿児島を考えるパネルディスカッション4世代フォーラム』を実施してきました。このイベントが前述の『振り返らせる仕掛け』です。第6回は、「日本国家発祥〈神話〉の地であり、日本の近代化に先鞭をつけた町でありながら、何故、都会に行くと方言を隠し故郷を卑下する県民性を持つに至ったのか?」を論じ合おうと計画しました。市民の共感を得て仲間を増やす格好のネタです。広報は関心を喚起させなければなりません。そこで『広く知らせる仕組み』を作りました。準備情報の一切をクラブのWebサイトにアップ。各担当者が正確な情報を共有するためです。

メインビジュアルでは「吼えろ!」と一喝。鹿児島県の形を火を吐く竜にデフォルメしてインclub pr by Kenko Fukao1パクトを出しました。ポスターは見せるメディア、チラシは読ませるメディアです。当然表現は異なります地区内全クラブにポスター・チラシを送付。公共掲示板・学校関係・メンバー企業にも掲示を要請しました。

そしてEarned Mediaの活用。FBのイベント招待に、内容・画像を掲出し公開。地区の「FB」には、そのままシェアできる画像をアップし、メンバー個々・グループのFBで「いいね」を要請しました。SNSは上手に活用すれば凄い威力を発揮します。更に、「吼えろ」に対する反発を煽り話題化するために「Line」で問題提起、動員の切掛けを作りました。

パブリシティ対策としてはニュースリリースを作成、2週前に記者クラブに持ち込み、主要紙、放送局には担当者が直接訪問しイベント告知と取材を要請しました。インハウスコミュニケーションとしては、週報、月信に予告を掲載するとともに、クラブウェブサイトのカレンダーにアップ、逐一準備経過を報告。本番当日は会場設営、受付、進行運営全て手分けして行いました。プロジェクトに参画することがクラブのモチベーションをアップさせるからです。

ホールには市内全クラブの活動パネルも展示しました。プログラムと合わせて、会員外の参加者には、ロータリーの広報誌を配布。受付にはポリオのポスターやPC動画(イベントオープニングにも使えます)を設置し、ロータリーの活動への理解を求めました。リソースは国際ロータリーのウェブサイトから取り寄せられます。当日は一般市民・学生が多く、熱い討論が新聞やテレビでも報道されました。

広報は「仕掛け」と「仕組み」。田舎のクリエーターの思い込みですが、クラブ広報のヒントにでもなれば幸甚に存じます。

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