
アレクサンドリア・リッチーさん。2019年6月2日、ハンブルグ(ドイツ)にて
アレクサンドリア・リッチー
バージニア・コモンウェルス大学ローターアクトクラブ会員/ジェームズリバー・ロータリークラブ(米国バージニア州)会員
医者になろうと決めたのは14歳のときです。両親からオリバーのことを聞いたときでした。
オリバーは私の兄です。13トリソミー(パトウ症候群としても知られる)という染色体異常をもって生まれ、1日という短い命で亡くなりました。私は兄に会うことができませんでしたが、両親からその話を聞いた日のことを今も覚えています。私の家族と同じような経験をする家族の悲しみを和らげてあげたい。そんな強い思いを抱きました。
オリバーを出産するとき、母は麻酔でひどく苦しみました。出産時によく使われる硬膜外麻酔は、痛みを和らげるために下半身の感覚をまひさせます。しかし、この麻酔が失敗する確率は14~17パーセントで、母もそのせいで苦しみました。私は大学で医用生体工学を学んでいたのですが、ある日、医学部の臨床医たちが工学部にやってきました。硬膜外麻酔の失敗は問題であると話し、これを解決できるか、と私たちに問いかけたのです。私は夢中で聞き入りました。母を苦しめたこの問題を解決するチャンスだと感じたからです。この問題が解決されなければ、ほかの女性たちがずっと苦しめられることになります。
私とほか6人の工学部生がこの問題に取り組み、医療用装置を開発しました(現在、規制プロセスを経ています)。ロータリーがなければ、このプロジェクトで成功することはできなかったかもしれません。というのは、このような製品の開発に必要な対人スキルを、私はロータリーで学んだからです。医療は近寄りがたい分野だと思いますが、ロータリーがなかったら大胆な心をもつことはできなかったでしょう。医療分野では、製品開発の大部分で人と人との関係構築が土台となります。ロータリーに入会する前、私にはこの土台を築くスキルがありませんでした。ローターアクト大会前会議のような場でロータリーやローターアクトとの交流を通じて、私はこのスキルを身につけたのです。
大会前会議に参加するのは今回で4回目です。参加するたびに、ローターアクトの輪が広がっていると感じます。初めて参加した年、私は新米のローターアクターでした。私の地区からの参加者は少なく、大会前会議の常連であるローターアクターの知り合いもいませんでした。しかし、みんなに温かく受け入れてもらい、地球の反対側に住む者同士であるにもかかわらず、私は家族のような感覚を覚えました。今やロータリー国際大会は、6月の恒例行事として私の予定表に毎年書き込まれるものとなっています。
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