寄稿者:デニス・ワン(平和のためのロータリアン行動グループ創設者/ウェストポート・サンライズ・ロータリークラブ[米国コネチカット州]会員)
「四つのテスト」は、ロータリー会員が私生活や職業上の関係の中で生かしている倫理的な指針です。しかし、「四つのテスト」は、争いに対処し、期待する成果を出すために問題を解決し、決定を下すためにも生かすことができます。互いにとって利益があり、持続可能で、測定可能な解決策にたどり着く手助けとなるのです。平和とは、人びとが暴力なしに紛争を解決できたときに実現できるものであり、より良く、公平な人生のためにお互いに協力しようという意思がなければなりません。
「四つのテスト」は、ロータリー会員が難しい立場に置かれたときに進むべき方向を示す光となってきました。このテストは、共感、信頼、アカウンタビリティそのものなのです。私は、ロータリーにおける多くの基本理念にも通じる、「紛争転換」のプロセスを信じています。
「紛争転換」とは、紛争が平和的な結果に転換するプロセスです。紛争転換は、紛争解決や紛争管理のアプローチとは異なり、次のように定義されています。「現代の紛争では、立場を再構築することや、お互いに利益のある結果の特定といったこと以上のものが求められている。当事者や関係といった構成そのものが、特定の紛争が発生している場所以外にも延長する紛争的関係のパターンの中に組み込まれている可能性がある。紛争転換は、関係、関心、会話、必要であれば、暴力的な紛争が継続することを可能としている社会組織そのものに積極的に関わり、これらを変革していくプロセスである」*
以下は、紛争転換の観点から、「四つのテスト」をどのように利用することができるかの例です。
- 真実かどうか: 争いの事実を認め、定義する。事実、信念、憶測、意見の違いを明確にするために質問をすることから情報を集め、批判的思考を実践する。
- みんなに公平か: 当事者と影響を受ける人たちを特定する。問題解決や共通の目標の達成といったコンテクストで、違った観点を理解しようと努める。
- 好意と友情を深めるか: 希望する結果について話し合い、同意する。このプロセスを民主的なものとし、質問をする際は、互いへの敬意と、創造的かつ革新的な解決に導くような開放性があることを確認する。
- みんなのためになるかどうか: 新しい考え方、これまでにない方法、異なる視点に対し開かれた心と好奇心を持つ。持続可能で測定可能な、互いに利益のある解決策を導く。
「四つのテスト」は、希望する結果を達成するために行動を起こすための段階を踏んだプロセスです。このプロセスは、明確さと透明性に基づいています。また、全員の視点や懸念、希望やニーズを考慮に入れる必要があります。このプロセスは、どのような結果になろうと、それが互いに利益があり、持続可能で、成果を特定できるようなものとなるよう、また、親善を築き、信頼を得るためのプロセスなのです。
皆さんの地域社会で争いに対処したり、紛争転換を目的に活動するにあたって、ぜひ「四つのテスト」に照らして判断してみてはいかがでしょうか。より詳しい情報が必要な方は、私までご連絡ください。
*出典:Hugh Miall, Conflict Transformation: A Multi-Dimensional Task (ヒュー・マイオール著 紛争転換:多次元的タスク)
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