タンザニアに「甲子園」球場が落成

寄稿者:吉川 健之(大阪北RC タンザニア野球オリンピックチャレンジ支援特別委員長)

IMG_12252018年10月中頃、日本国外務省「草の根文化無償資金」および当大阪北ロータリークラブの支援により、タンザニアに野球場が完成しました。その名も「タンザニア コウシエン ベースボールスタジアム」。この野球場は、「タンザニア野球オリンピックチャレンジ支援プロジェクト」という3カ年プロジェクトの一環として当クラブが支援し、建設されたものです。このプロジェクトは世界野球ソフトボール連盟(WBSC)のウェブサイトでも取り上げられました。

まだ黎明期にあるタンザニア野球がオリンピックへのチャレンジという高い目標を掲げ、また、日本野球文化の普及を通して「正義、尊敬、規律」を学ぶことで、タンザニアの将来の成長を担う青少年の育成に寄与できる。そんな信念がこのプロジェクトには込められています。

この新スタジアムで、2018年12月6日~9日、「第6回タンザニア〝甲子園“ 野球大会(Tanzania KOSHIEN Baseball Championship」が開催されました。この大会の支援、また初日の開会式直前に開催された落成記念式典への参加のため、昨年大会に続いて開催地となった同国最大都市ダルエスサラームに、本事業の旗振り役である酒井朋久さん(直前会長)を団長として現地入りしました。

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前列左から:TaBSAマカタ会長、ムキワンベ大臣、マジャリワ首相、後藤日本大使

回を重ねるごとに盛り上がりを見せている当大会ですが、前大会からは開会式にタンザニアの青少年スポーツ担当大臣も参加されました。さらに今大会では、念願のタンザニア初となる国際戦に対応可能な野球場の完成ということもあり、落成式典はカシム・マジャリワ首相ご臨席の下で、厳重な警戒とともに行われました。日本側からも大使や書記官が参加され、多くの現地取材メディアも訪れて大変な盛会ぶりとなりました。

今回の訪問で最も感動したのは、首相がスピーチの中で、日本政府と大阪北ロータリークラブへの丁重な謝辞だけでなく、公の場にて「タンザニア国として東京オリンピックにチャレンジする!」と述べられたことです。私たちロータリアンの思いが、タンザニア国の思いに昇華した瞬間でした。

選手の子供たちは、「野球がとにかく大好き!」、「背が低くて体形に恵まれない自分でも公平に順番が回ってくるし、バッターボックスに立てば輝くことができる」、「もっと上達したい!」と目を輝かせていました。

tanzaniabaseballまた、試合終了後、優勝チームの選手たちが球場内を得意の歌とダンスで1周し、表彰式のためにグラウンドを整備していた日本のシニアボランティアの方を胴上げして感謝の気持ちを示すという感動的な場面もありました。

3年間のプロジェクトの後も、さらに1年かけて大会の運営支援を行っていきます。また、今年度の地区補助金を使用して、現地での野球普及活動支援のためのビデオ教材も製作中です。完成したビデオ教材が野球人口の増加促進に効果を発揮するとともに、当地での認知拡大がTABSA(タンザニア野球ソフトボール連盟)によって引き継がれ、今後も自立して運営されていくことを願ってやみません。

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タンザニアに「甲子園」球場が落成」への1件のフィードバック

  1. タンザニアでの野球普及には 栃木県佐野市からも 長尾くん 山崎くんも 関わってましたので とても関心が有りました
    関係者のご努力に 感謝いたします!!

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