情報提供者:植田俊應
(奈良県、あすかロータリークラブ2017-18年度会長)
本年度、バリー・ラシン国際ロータリー会長は、地元地域の人びとへのインスピレーションとなり、次世代のために持続可能な活動を行っていこうと呼びかけています。
あすかロータリークラブ(第2650地区)では、この期待に応える革新的な活動を長年にわたって続けてきました。今回、直前クラブ会長の植田俊應さんに、クラブが実践している「チームASUKA」についてお伺いしました。
―― 「チームASUKA」とは?
植田:当クラブは、2004年に「あすかロータリークラブ」に名称を変更し(旧称「橿原中央」)、それを機にクラブ事業の見直しを行いました。
「寄付による奉仕活動」から、「汗をかく奉仕活動(自ら体を使って行動する奉仕活動)」への転換です。奉仕先に心を寄せ、メンバーが汗することで、より一体感のある事業にしたいと考えたからです。
また、「誰かのために奉仕する喜びや素晴らしさ」を次世代に引き継ごうと考え、若い世代に呼びかけて一緒に活動できる人を募集することにしました。
当初は会員の家族や会員企業に呼びかけ、わずか3名でのスタートとなりました。
しかし、参加者の「楽しかった」「やり甲斐を感じた」「ロータリーを身近に感じた」などの感想が伝わり、回数を重ねるごとに人が増えていきました。
心の絆を深めるため、「チームASUKA」と命名。地元でも知られるようになり、現在の登録メンバーは100名以上、当クラブの奉仕事業になくてはならない存在となりました。
チームには性別・年齢を問わず、学生・社会人・海外研修生など様々な方が登録しています。会費や出席義務、会員組織はありませんが、年間を通じてクラブ会員と友好を深めています。
活動方針が決まると、準備・検討の段階から終了まで、クラブとチームがともに汗を流して成長を続けてきました。
―― チームの信念は何ですか?
植田:「チームASUKA」の目的は、奉仕活動を通じて奉仕の心をもつこと。それぞれ異なる境遇にいる青少年が、活動では心を一つにし、全員で事業を作り上げていく過程を大切にしています。
活動を通して達成感も味わえるよう、毎年テーマをもって計画を立てています。近年は、継続して被災地の支援活動を行っています。「被災地支援・助け合う心」です。
青少年は未来を担うかけがえのない存在であり、人間は一人では生きられない、助け合って生きているということを、「チームASUKA」の活動を通じて知っていただきたいと考えています。
『奉仕する心を感じてもらい、感謝されたときの気持ちを味わってもらいたい』
その経験が若者の心に「奉仕の灯」となって、少しでも明るく、大きく拡がっていくことを心から願っています。
―― ロータリアンと交流することはありますか?
植田: 年に2回、合同例会を行い、相互の親睦を深めています。奉仕事業が決まると、チームメンバーには、打ち合わせ会議から参加いただきます。また、事業が終わると、反省会を兼ねて親睦会を開催しています。
2004年から現在までの奉仕活動はすべて、「チームASUKA」との共催です。
クラブ会員と活動することで、ロータリーを身近に感じてもらえます。彼らがいつか、どこかのロータリークラブに入会できれば、とてもうれしいことだと考えています。
―― 予算はどのように工面していますか?
植田:「チームASUKA」の登録者も年々増え、本年116名となりました。
登録者の増加に伴い、クラブの予算だけでは運営が難しくなります。そこで5年前にパスト会長にお願いし、「チームASUKA応援団」を組織していただきました。
現在では、すべてのパスト会長に入団いただき、資金面でサポートしていただいています。
―― 抱負は?
植田: これまで、青少年事業、地域の高齢者福祉事業、被災地支援事業など、さまざまな奉仕活動を行ってまいりました。
「若者の心に奉仕の灯をともすこと」そして、「奉仕先に寄り添う心を育てる」ことを基本として、今後も活動を展開してまいります。
また、第2650地区の2018-19年度ガバナーとして、当クラブより中川基成会員が就任いたしました。クラブ会員と「チームASUKA」が一丸となって、サポートしていきたいと感じております。
>> あすかロータリークラブHP
(執筆担当:加藤まさ)
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