ロータリーとのつながりで開けたピアノ人生

寄稿者:吉田 昴城

私は現在、ウィーン国立音楽大学ピアノ科に在籍し、教授、ならびにピアニストでもあるヤン・イラチェック・フォン・アルニン先生のもとで、日々勉強しています。

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現地で開かれたコンサートにて

まずはじめに、私が留学に至るまでの経緯、ロータリークラブとの出会いを、紹介いたします。

2011年3月11日、誰もが忘れもしない東日本大震災発生。私の故郷である福島県、浪江町もとても大きな被害を受けました。震災後、原発事故の影響により帰宅困難となり、ピアノの練習もままならない生活が始まりました。

当時の私にとって、ピアノが弾けない生活など考えたこともなく、180度環境が変わってしまったと言えるでしょう。そんな時、ロータリークラブの被災者支援プロジェクトを知りました。そのプロジェクトとは、被災した高校生を対象に20日間ほどのオーストリアへの招聘、というものでした。幼少よりピアノを弾いてきた私にとって、音楽の都ウィーンは、まさに憧れでした。震災、原発事故で落ち込んでいた私にとって、そのプロジェクトはとても魅力的で、活力の源となりました。私はすぐに応募し、運にも恵まれウィーンへ行けることになりました。

私がウィーンに到着し、まず最初に抱いた感情。それはまさに、「心地良い」でした。

街中が音楽で溢れ、音楽家たちがここで勉強していたと思うと心が踊りました。私の敬愛する作曲家であるベートーヴェンも、ウィーンに35年もの間暮らしていました。滞在中、現地のロータリアンの好意により、日本大使館にて催されたパーティにて演奏する機会をいただきました。

また、帰国後、在日オーストリア大使の公邸にて演奏する機会に恵まれました。在日オーストリア特命全権大使ユッタ・バストル大使より激励いただき、大変心強く思いました。ユッタ・バストル大使、たくさんのロータリアンのお力添え、またオーストリア・アントンブルックナー音楽大学からの激励もあり、留学が決定しました。

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恩師でもあるKnopp直子先生とのコンサートにて

私の留学生活は16歳の時より始まりました。私はまず、アントンブルックナー音楽大学のアカデミー(学部の前の過程)に在籍し、クノップ直子先生に師事しました。初めての一人暮らしの中、まだ右も左も分からない私に、生活からピアノに至るまで、多くのことを手助けしてくださいました。彼女の存在は、私にとってとても心強く、音楽、またドイツ語の勉強に専念する事ができました。

ブルックナー音楽大学では、日本にいた頃はまだ経験した事がなかった室内楽、ピアノ協奏曲などを勉強したり、とても充実した新鮮な日々を送ることができました。それから、当時師事していた先生の勧めもあり、2015年10月にウィーン国立音楽大学へ入学しました。

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とてもお世話になっているロータリアンである高槻ロータリークラブの近藤眞道様とKnopp ご夫妻

ウィーン国立音楽大学は世界でもトップレベルの音楽大学で、ピアノのレッスンも少し変わったものでした。今までは、先生が手取り足取り教えてくださっていたものの、ウィーン国立音楽大学では基本的に曲を自分の力のみで勉強し、自分なりに完成させたものに先生がアドバイスしてくださるというものでした。そのレッスン方法は、卒業後、演奏家として活動していく上で、とても大切な事となります。

私は、多くの方との出会い、そして好意によって生まれたこの機会を、1秒たりとも無駄にせず、一人前の音楽家になれるよう、さらに精進します。そのためのステップとして、さまざまな国際コンクール、講習会などに積極的に参加していきたいと思っています。

また、それで終わりではなく、演奏でたくさんの人に感動を届けられるようになり、応援してくださった方々へ恩返ししたいと思います。

 

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ロータリーとのつながりで開けたピアノ人生」への2件のフィードバック

  1. 2680地区ロータリークラブ会員です。
    娘が昨年秋よりミズーリ州セントルイス ワシントン大学に留学しています。
    知り合いもなく不安に思い現地のロータリークラブ例会に参加希望します。
    セントルイスのロータリークラブ例会についてご存知の方の情報を教えてください。
    その為にボイスに寄稿できればと思います。
    よろしくお願いいたします。

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    • 曽山様、ブログ記事へのコメントをありがとうございました。お返事が遅くなってしまい、大変失礼いたしました。セントルイスのロータリークラブについてですが、ロータリーウェブサイトのクラブ検索機能をご利用いただくことをお勧めいたします。こちらのリンクをお開きいただき、所要事項を入力いただくと、クラブを検索できます。リンク:https://my.rotary.org/ja/search/club-finder 適切なクラブを見つけましたら、直接ご連絡をお取りいただいて問題ないと思います。また、ロータリーボイスへの寄稿をご検討いただけるようでしたら、globalcommunications@rotary.orgまでご連絡ください。よろしくお願いいたします。

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