ロータリーと女性

寄稿者:服部 陽子(東京広尾ロータリークラブ)

私の所属する東京広尾ロータリークラブは来年20周年を迎えようとしていますが、創立当初から会員の半数は女性で、現在に至るまでその比率はほとんど変わったことがありません。男性・女性の比率だけでなく、「日本語を解さない外国人も会員として活動できるクラブ」が創立のコンセプトでしたので、アメリカ人、フランス人、ドイツ人など国籍も様々で、日本語と英語の両国語で例会を行っている多様性豊かなクラブです。入会してくる会員も皆その多様性を十分に楽しんでロータリーライフを送っています。創立会員としてこのようなクラブに入会した私にとって、ロータリークラブに女性がいることはまったく当然で、改めて意識したことなどありませんでした。

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夜間例会の様子

それは私だけでなく、他の女性会員、そして男性会員も同じだと思います。ところが入会して2年後、当時、当地区にあった女性委員会の副委員長という役目が回ってきました。それで初めて、ロータリークラブに女性の入会が認められたのは80年代になってからのことであり、それがアメリカで最高裁まで行った判決の結果に関係していること等を知りました。そして周囲を見回してみれば、まだまだ男性会員だけのクラブがたくさんあることを認識したわけです。

女性委員会は女性会員ばかりで構成されていましたが、その活動目的が今一つ掴めず、思案の結果「女性のためのセミナー」開催と「女性と職業分類」をテーマに研究発表するという2点の活動を行いました。しかしながら、女性のためのセミナーの内容は男性のためのものと特に変わることがなく、一方、職業分類の方は、カタカナの職業が女性ロータリアンの方にやや多いという特色が掴めたにすぎませんでした。あれからロータリアンとして18年が過ぎた今、女性ロータリアンの強さを一つ挙げるとすれば、それは「粘り強さ」かもしれないという気がします。

クラブは歴史を刻んでいく中で順調に行く時ばかりでなく紆余曲折もありますが、どんな時にも揺るがず、どんと構えて耐える人は女性会員の方に多いように感じています。ロータリーのボイスでは、ロータリーの個性、性格を4つの言葉で表しています。「賢明さ」smart「思いやり」compassionate「粘り強さ」persevering「行動を促す力」inspiringの4つです。もちろんどれも男性女性を問わず持っているものではありますが、「四季の歌」にある「根雪を溶かす大地のような僕の母親」という一節のように、人を育てるということは並々ならぬ忍耐力、地道に愛を注ぎ続ける力が必要なのだと思います。ロータリアンの目指すところは、世界によい変化を生みだすことです。そのためには粘り強く、根気のある不屈の精神で、長期的に挑むことが大切です。母性豊かな女性ロータリアンの存在が、これからのロータリーの発展に大きく寄与することができたらどんなに素晴らしいことでしょう。

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仲良しの女性会員仲間と(写真中央)

7月から2750地区のガバナーを務めることになりましたが、力を入れる目標の一つはクラブが女性会員を増やすことを支援することです。当地区の女性会員の比率は約11%で、日本平均の約6%に比べれば倍に近い数字となっていますが、世界平均の20%から見ると半分程度ということになります。現在地区内に99のクラブがありますが、そのうち、24クラブは男性会員だけしかいません。会員を増やすのは、ガバナーでも地区でもなく、クラブの仕事です。来週行われる「会長エレクト研修セミナー」においては、女性会員増強の必要性を会長エレクトのみなさんに是非ともインスパイアしたいと思っています。

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