今回は2つの「倫理的ジレンマ」をご紹介します。
クラブからロータリー国際大会に派遣されるAさんに関するジレンマ
最近、Aさんがクラブに入会しました。Aさんは、製品の海外販売もしている会社を経営し、顧客にはロータリアンも含まれます。しかし、クラブの活動や奉仕プロジェクトにはあまり意欲と関心がありません。
このクラブでは毎年、ロータリー国際大会に派遣する会員を理事会が選出しています。そこで、Aさんに意欲を高めてもらおうと、来年の大会にAさんを派遣することに決めました。
Aさんはこれを承諾。しかし、自社のブースを出展することを計画しており、本会議や分科会に出席する時間があまり取れないようです。これではまるで、ビジネスの宣伝だけが目的で大会に出席しているようです。
国際大会の目的とは何でしょうか。ロータリー章典には、「国際レベルにおいて、全ロータリアンを刺激、鼓舞、激励し、かつ情報を与えること、ならびに組織の戦略目標を進展させるためのフォーラムとして機能すること」と記されています。その一方で、会場に設置される企業・団体のブースもまた、大会に出席する多くのビジネスリーダーにとって魅力的な要素となっています。あなたが理事会メンバーなら、Aさんにどのように対応しますか?
クラブ奉仕で活躍したBさんに生じたジレンマ
Bさんのクラブでは、奨学生を支援するための資金を集めています。そこで、地元企業・商店から寄贈物資を集めて、競売プロジェクトを実施することになりました。
計画委員のBさんは企業・商店を訪問し、多くの品物を収集。その甲斐あって競売は成功し、資金目標も達成できました。
年度末のこと、クラブ会長が、競売プロジェクトに捧げた時間を報告するよう会員にお願いしました。Bさんは、企業・商店への訪問や品物収集など、準備段階にかかった時間を報告。ところが、準備段階の時間はプロジェクトの時間として認めてもらえませんでした。
Bさんは、プロジェクトに捧げられた時間であれば、当然認められるべきだと感じています。
ロータリーの奉仕プロジェクトでは、縁の下の力持ちとなる会員がいるものです。クラブの記録に残ることがなくとも、その活躍は成功を支える大きな力となっています。もちろん、記録に残らなくても成功すればそれでいい、みんなで一緒に活動できて嬉しかった、と感じる方が大勢いるでしょう。しかし、上記のように公然と「認められない」と言われると不満に感じてしまうかもしれません。こんなとき、クラブはどう工夫できるでしょうか?
皆さんのクラブでも、似たような状況が起きるかもしれません。クラブでの経験を一層豊かなものとするために、これら2つのジレンマについて一度考察されてもよいかもしれません。
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上記の2つ、気にしてたらロータリーやってられません。
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