活動の原点 ~みんなの一歩が大きなパワー~

寄稿者:山田弘樹(やまだ こうき)(名古屋熱田ローターアクトクラブ直前会長)

雲ひとつない晴天の初夏、名古屋の金山駅前で私たちは声を張り上げていました。

「日本に滞在する難民の支援のため、ご協力お願いいたします!」1

この日は、日本に逃れてきた難民を支える寄付金を集めるため、NPO法人名古屋難民支援室の方と共同で募金活動を行っていました。

企画が立ち上がったとき、難民の「な」の文字さえ思い浮かびませんでした。私たちには漠然と「なにか国際問題に取り組みたい」という思いがあり、たびたびファミリーレストランに集まっては、身の回りで起きている社会問題について語り合っていました。メディアは世界情勢を頻繁に報道していたこともあり、メンバー同士で「日本は平和だね」という流れから「海外は平和じゃないね!?」という問題意識が芽生えました。

そんなとき、偶然にも難民支援の地元NPOと繋がる機会が2あり、代表の方と難民の方を例会に招待してお話しいただきました。そこで、日本に逃れてくる難民の悲惨な実態を目の当たりにしたのです。

私たちはすぐに行動し、NPOやロータリークラブ等の協力を得て、難民を支える募金活動を始めました。また、さらに大事な目的として、支えを必要とする難民が日本にもいるということの周知に取り組みました。皆さんが学校や会社から家に帰って、あたたかい夕食を食べることができる一方、そうでない状況がこの世界にあります。

時変わり、私たちは胸を高鳴らせながら、異国の地を踏みしめていました。

国内で難民支援の国際奉仕活動を行う一方で、海外に関心のある私たちは、「みんなと海外旅行にいけたらいいよね!」という些細な一言をきっかけに、台湾での活動をかたちにしました。台湾にローターアクターの知り合いがいるメンバーを通じてコンタクトした結果、先方も会おうと言ってくれました。

せっかく出会って観光するだけでは勿体なかったので、彼らの奉仕活動5に参加させてもらいました。内容は、孤独死を防止するための募金活動。台湾は将来的に、高齢化のペースが世界一になるのだそうです。海外での募金はハードルが高そうだと思っていました。ただ、日本で、みんな一緒に募金活動の掛け声をする等、クラブメンバー一丸となってやってきた経験から勇気を得て実行できました。

また、台湾の募金活動は、お金ではなく買い物時のレシートの裏についてくる宝くじを集めるという方法であり、二国間の募金活動の違いも知ることができました。懇親会では、台湾の伝統料理でもてなしていただき、日本では味わえない、異国ならではの風土と匂いを感じることができました。

帰国後、台湾の国内ニーズに合った活動を体験して、地元のニーズに合った奉仕活動もまた重要であると感じました。今年度は愛知県の交通事故ワースト1脱却を目指した活動を行っております。今年度の活動も、過去の活動も、私たち名古屋熱田ローターアクトクラブメンバーの「気づき」や「きっかけ」が原点です。今、あなたが何気なく感じる疑問にも、奉仕活動の出発点があるかもしれません。

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