倫理的ジレンマ:あなたならどうする?(候補者の選出)

回答者:日本のロータリーコーディネーター(RC)

file000959098415Aさんのクラブは、海外クラブとの交換活動を企画しています。その目的は、海外での異文化体験と奉仕活動のチャンスを若者に与えることです。

このクラブは、ローターアクトクラブのスポンサーとなっています。そのため、この交流活動の参加者をローターアクトクラブから選ぶことになり、Aさんがその役割を担うことになりました。

まず、参加を希望するローターアクターに参加理由と目標に関する小論文を提出してもらい、それをもとにふさわしい候補者を選びました。

ところが、Aさんがこのことをクラブに伝えたとき、クラブ会長がほかの候補者を推薦してきました。そして、そのほとんどがクラブ会員の家族でした。クラブ会長が推薦した候補者たちはロータリーへの参加歴がなく、クラブの奉仕活動に参加したこともありません。

Aさんは、クラブの交換企画委員会に相談しました。しかし委員会は、ロータリーに参加してもらう良い機会だと言い、会長の意見を支持しました。

最適な参加者を選べるよう多くの時間と労力を費やしたAさんは、このような結果になることは不公平だと考えています。このようなとき、あなたならどうしますか?

第1ゾーン・ロータリーコーディネーター
第2510地区パストガバナー
酒井 正人(函館五稜郭ロータリークラブ)

最初にクラブの方針として、ローターアクターから候補者を選考すると決めて、Aさんにその役目をさせるとしたのですから、Aさんが選考した候補者を優先させるべきだと思います。しかし、クラブ内の摩擦を避けるために、会長の推薦した候補者にもローターアクターと同様の小論文を提出してもらい、「4つのテスト」に従って再選考する機会を設けてもらうようクラブ理事会に働きかけます。

第2ゾーン・ロータリーコーディネーター
第2760地区パストガバナー
田中 正規(西尾ロータリークラブ)

Aさんのクラブの所属委員会は不明で、参加者を選ぶ役割を誰から委託されたのかも分かりません。意見が分かれたのならクラブ全体で話し合ってみてはいかがでしょう。クラブ内にしこりを残さないためにも全員で話し合い、またそうすることでクラブが活性化すると思います。クラブ全員の家族は次回もチャンスがあるかもしれないので、Aさんが時間をかけて選んだローターアクターを、今後のためにも優先した方が良いと思います。

第3ゾーン・ロータリーコーディネーター
第2660地区パストガバナー
若林 紀男(大阪東ロータリークラブ)

Aさんはクラブ方針に沿って、ローターアクトクラブから交流活動に参加してもらう若者を厳正公平に選出されたのですから、クラブ会長の推薦候補者を採用対象にする特別な理由がない限り、クラブ会員の賛同を得られるとは思えず、採用した場合は大きな反論が出るのは目に見えています。会長には趣旨を含め、どちらがより目的に相応しいか、また良い結果を生み出すのかを粘り強く説明します。

似たような状況が皆さんのクラブで起きないとも限りません。事前に不安要素を取り除いておくため、一度クラブで話し合ってみるのも一案です。日本のロータリー公共イメージコーディネーターからのご回答を含む、こちらの「倫理的ジレンマ」もご参照ください。

関連リンク:
>> ロータリーコーディネーター
>> クラブの健康チェック
>> 記事「倫理の難問、酒の肴に」

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