寄稿者:富樫寿彦(中条ロータリークラブ)
中条ロータリークラブは、2016-17年度の社会奉仕活動として、新潟県胎内市の「夏井地区のフラワーブリッジに照明灯を寄贈する」プロジェクトを計画しました。以前から夜間の事故防止と防犯面で危険性を指摘されている場所であり、実現に際しては、クラウドファンディングを通じて、企画意図を説明し、不特定多数の人びとから広く支援を募る形を利用してみよう、と考えたのです。利用したのは、日本初で最大のクラウドファンディングサービスを提供する「READYFOR」です。
クラウドファンディングは、一般的に知られている活用法以外にも、復興支援や環境保護、社会交換など多様なプロジェクトに利用されています。本事業も、社会貢献事業に分類され、当クラブがどのような団体で、どのような活動を行っているのかを広く知っていただく場として最適であると考えました。このウェブサイトは、アーカイブされるのが特徴で、プロジェクト終了後も検索され、閲覧される可能性が高くなります。ロータリークラブが具体的にどのような奉仕活動を行う団体なのか、それを広く知っていただく事で、公共イメージの向上と広報活動にも役立つと考えました。
クラウドファンディングを始めるには審査があり、通過後も準備に大きな労力を割かなければなりません。また、リターンと呼ばれる返礼を考える必要があります。当クラブでは、地域の特色を反映したいと考え、「ふるさと納税」的な要素を取り入れました。また、金銭を取り扱う上で必要とされる堅実なリスクマネジメントを考慮し、細心の注意を払いながら進めて、ようやく公開されます。
公開後は支援が入ります。当初から目標達成は厳しいかもしれないと考え、最終的にはクラブですべてを賄おうと考えていましたが、本当に見ず知らずの方々から温かい支援が入るのです。「田舎育ちなので、暗い道の怖さ、よくわかります。子どもたちや地域の方の安全に役立ちますように」との応援コメントを添えてご支援をいただいた時は、報われた思いがしました。
このプロジェクトは、公開日数を40日間とし、最終日の12月20日に達成することができました。達成後は、期間延長や支援金の増額を行わず、プロジェクトの終了を選択しましたが、未だに閲覧者は増えています。
振り返ってみると、簡単な事ではありませんでしたが、ロータリークラブの奉仕活動の目指すべき方向性を先取りできたかもしれないと感じています。そして、結果として、ロータリークラブの広報・公共イメージ向上に繋がる形で社会奉仕事業ができたことは実に有意義であり、大きな充実感が残りました。本当に、クラウドファンディングを利用して良かったと思っています。
※READYFORサイトで、「プロジェクトを探す」から、「ロータリークラブ」で検索できます。URL:https://readyfor.jp/projects/nakajo_rc
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