世界に平和の種をまく ― ロータリー米山記念奨学事業 ―

寄稿者:小沢 一彦(米山記念奨学会理事長、2007‐09年度国際ロータリー理事)

私が理事長を拝命している公益財団法人ロータリー米山記念奨学会が、2017年7月、財団設立50周年を迎えました。ロータリー米山記念奨学会は日本のロータリーが協同で運営する奨学財団で、財源はすべて、ロータリー会員を主とする寄付金で成り立っています。Yoneyama2

事業の始まりは1952年、“日本のロータリーの父” 米山梅吉氏の名を人びとの心に刻むため、東京ロータリークラブが奨学金事業の構想を立てたことにさかのぼります。日本で学ぶ外国人留学生への支援と交流を通じて「平和日本」世界の人々に理解してもらい、また、友好の懸け橋を作る米山記念奨学事業は、すぐに日本全国へと広がりました。2017学年度は793人が奨学生として採用され、これまでに累計で125の国・地域から19,808人の外国人留学生を支援しています(2017年7月1日現在)。この規模は、民間の国際奨学団体としては日本最大です。

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この奨学金の最大の特長は世話クラブ・カウンセラー制度」です。米山奨学生一人ひとりに、地域のロータリークラブが「世話クラブ」となり、さらに世話クラブの会員が「カウンセラー」となり、日常の相談役をつとめます。奨学生は毎月、世話クラブの例会や奉仕活動に参加することで、通常の留学生生活では得られない出会いと交流を経験できます。日本のロータリー会員にとっても、多様な文化や価値観への理解を広げる好機となっているのではないでしょうか。

半世紀にわたるこの事業の“資産”、それは、「米山学友」と呼ばれる元奨学生たちの活躍であり、ロータリアンと奨学生が育んできた心の交流そのものにほかなりません。一般的に、財産には増減がありますが、私たちの“財産”は決して減ることがないのです。

米山学友は世界を舞台に多方面で活躍しています。駐日大使や政府の通訳者、教育・研究者をはじめ、何らかの形で日本とのつながりを持ち続けている学友がほとんどです。さらに、元米山奨学生を中心に組織される米山学友会も、日本国内に33、海外に9つあります。こうした人的財産こそ、米山梅吉氏が生前願っていた国際理解、世界平和への道であり、今後のロータリーが進むべき道だと信じています。Yoneyama3

2017-18年度は財団設立50周年。より多くの皆さまに、“よねやま”の活動に触れていただきたいと願っています。さらに、米山梅吉氏生誕150周年となる2018年2月4日、東京・お台場で記念式典を開催します。これまでこの事業に情熱を注いでくださった多くの皆さまとともに、事業の成果を祝し、次の50年へ向けた第一歩としたいと思います。今年度も、より一層、皆さまのご理解とご支援をよろしくお願い申し上げます。

関連リンク:
>> 米山記念奨学会ホームページ
>> 米山記念奨学会フェイスブックページ

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