いじめのない社会を目指す『青い鳥』プロジェクト

寄稿者:嶋村 文男(東京東江戸川ロータリークラブ会長)

きっかけは当時中学一年生に入学した長男への「いじめ」でした。残念なことに、「いじめの問題」の記事が新聞に掲載されない日がないほど、日本各地で悲惨な事件が起こり社会問題化しています。

我が子への「いじめ」への対応が終わってからも、「大津いじめ事件」など、2、3カ月に一度くらい、新聞にいじめの報道がされる中、いつかロータリーで「いじめ問題」に取り組みたいと考えていました。anti-bullying forum for youth 1

2年前に会長になる事が決まってからは、クラブメンバーにその心の内を話し、理解を求め、プロジェクトをスタートさせました。地元、江戸川区教育長との面談、区内にある33の中学校校長会との交渉等を、メンバーで手分けして行いました。すべては「生徒が毎日元気で通えるいじめのない学校作り」を合言葉に、地域社会を良くするためのロータリアンによる社会奉仕活動となりました。今回のプロジェクトは、2部構成で実施しました。第1部では、地域社会にいじめを正しく理解してもらう目的で、重松清原作の映画「青い鳥」の上映会と、「NPO法人ジェントルハートプロジェクト」の篠原宏明氏の講演を行いました。このNPOは、学校でのいじめが原因で自殺した子どもの親が集まる団体です。会場となった「タワーホール船堀」には、約300名の来場者があり、地域社会に「いじめ問題の本質」について、一石を投じることができました。

第2部は、「いじめ防止生徒会フォーラム」と題し、区内19校、69名の生徒会メンバーが集まり、14テーブルに分かれてディスカッションを行いました。私たちロータリアンとローターアクターが進行役となり、各々の学校での取り組みや、いじめについて考えていることを話し合い、最後にテーブルの代表者が一人ずつ発表しました。anti-bullying forum for youth 2

私たちは、事前に進行役の勉強会を開催し、自らが初めて顔を合わせる生徒さん同士が、リラックスして話ができる雰囲気作りに注力しながら進めました。もともと学校での生徒会運営に関わる生徒さんなので、私たちの想像以上に自分の意見を話す生徒さんも多く、50分間のフォーラムはあっと言う間に終わり、大変良いフォーラムとなりました。進行役として参加したローターアクターにとっても、リーダーシップを磨く良い機会になり、まさに青少年奉仕活動の実践ができた思いです。

フォーラムに参加した生徒さん同士でメールアドレスの交換など、微笑ましい光景も見られました。生徒さんや校長先生からも好評で、次年度は行政サイドでの開催が検討されており、私たちの奉仕活動が行政を動かす力となったようです。

今回のプロジェクトを通じて、ロータリーの公共イメージの向上もできたほか、若い会員がクラブの社会奉仕活動を通じて多くのことを学び、次なるステップアップにつながったのは間違いなく、これからが楽しみです。感謝。

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