ロータリーとのご縁と新たにもらった命に感謝

『Rotary』誌に掲載された国際ロータリー日本事務局長、中井啓介の素顔をご紹介します

※ブログ編集者注:『Rotary』誌(英文誌)2023年3月号の「スタッフコーナー」で、国際ロータリー日本事務局長の中井啓介が紹介されました。本稿はこの記事を翻訳・編集したものです。

駒ヶ根RCが協賛するマラソン大会で、RI第2600地区パストガバナーで現ポリオ根絶コーディネーターでもある伊藤雅基さんとともに。

私は東京から約48Km南にある藤沢市(神奈川県)で生まれ育ちました。カリフォルニア州のマリブのように、藤沢は砂浜とマリンスポーツで有名です。私も子どもの頃からウィンドサーフィンを楽しみ、明治大学(東京)入学後はボードセーリング部に入部して1988年ソウルオリンピック、セーリングDⅡクラスの日本代表候補選手となりました。卒業後も12年間、ボランティアで大学の監督を務めました。部のメンバーの中には、その後も全日本大会やワールドカップ、2012年ロンドンオリンピック、2021年東京オリンピックに出場したOBやOGもいます

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みんなが安全にプレーできるバリアフリーの野球場

入念な立案とパートナーシップで実現したロータリーのプロジェクト

寄稿者:キース・ブロック(ファーゴ・ムーアヘッドAMロータリークラブ会員、米国ミネソタ州第5580地区パストガバナー)

バリアフリーの「ミラクルフィールド」球場は、障がいのある子どもも安全に野球が楽しめるようにゴム引きされています。

2010年春、ロータリー会員たちから、障がいのある子どもも安全に野球が楽しめるゴム引きのバリアフリー球場「ミラクルフィールド」を作るというアイデアを持ちかけられました。私のクラブを含む近隣5クラブが合同で設立した「ファーゴ・ムーアヘッド・ロータリー財団」(以下「FMR財団」)では、その5年前にも、ロータリー創立100周年記念として、障がいのある子も一緒に遊べるインクルーシブな公園をファーゴ市内に作っていました。このため、「ミラクルフィールド」はFMR財団にふさわしいプロジェクトのように思われました。

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日米合同プロジェクトで米国高校生に平和教育

寄稿者:関 博子(東京米山友愛ロータリークラブ会員)

「核廃絶と平和構築」をテーマとする模擬国連を開催

10月22日、南カリフォルニアのPalos Verdes Peninsula 高校で開催された「ロータリー模擬国連会議(ROTARY MODEL UN Peace Conference)」 に参加してきました。これは、ロス在住の中曽根牧子ガバナーエレクトの協力で実現した高校生対象のプログラム「南カリフォルニアにおける青少年に対する平和教育活動」の一環であり、ロータリー財団のグローバル補助金を活用しています。同校で日本語を教える岩見幸子先生(元ロータリー財団奨学生)の協力もあり、日米ロータリークラブ、地元高校、Model UN(模擬国連)を推進する団体Best Delegateが連携して開催できました。目的は、高校生に平和について考えてもらいながら、将来のリーダーを養成することです。

南カリフォルニアという土地は、日系人も多く、多様な人種が共存する地域です。いじめ、ヘイトクライム、戦争が起きている状況の中で、子どもたちが命の尊さを学び、生きていく勇気を与えたいという思いもありました。

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アフガニスタン元留学生の命を救え!

寄稿者:勢井由美子(宮崎アカデミーロータリークラブ会員)

日本のアフガニスタン避難民が抱える問題

アフガニスタンの首都カブールが陥落し、タリバンが実権を掌握してからはや1年半。

コロキュームの参加者(命の危険が及ぶため一部の方は顔が見えないよう加工してあります)

元はというと、2001年9月11日にアメリカで起きた同時多発テロを契機に始まったアフガニスタン紛争がきっかけとなっており、それが日本を含む西側諸国の「自由と民主主義」という正義を守る闘いへと発展。タリバン政権打倒後にアメリカ・NATO軍が駐留を続けながら、この国を二度とテロリストの温床にしないための国づくりが行われていました。

日本はアフガニスタン復興支援として、祖国の将来を担う若者への教育支援を行い、日本政府国費による留学や国際協力機構(JICA)の協力で数多くのアフガニスタン人が日本の大学で学びました。以来、日本へのアフガニスタン人留学生の数は、20年間で約1400人にのぼります。

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視覚障がい者も自転車に乗るチャンスを

記事:Seoha Lee
写真:Seongjoon Cho

ペアを組んで自転車に乗ったキム・ミンホさん(クラブ会員)とリー・サンミンさん。

10月下旬のある朝、韓国のチョンジュ・ドリーム・ロータリークラブ会員たちがボランティアと一緒にチョンジュ市の川沿いの公園に集まりました。そこで行われるのは、4時間のタンデム自転車イベント。参加する視覚障がい者たちがやってくると、その場の雰囲気が一気に盛り上がりました。

過去5年間、このクラブは毎年、地元の視覚障がい者グループホームに住む人たちのためにタンデム自転車イベントを開催してきました。この施設の住人の多くはほかの障がいも抱えており、一対一でのケアを必要とします。このため、施設外に出るチャンスがほとんどありません。昨年のイベントは新型コロナのため今年5月に延期されましたが、今年のイベントは予定通り10月に開催されました。

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メタバースで例会を開くクラブ

寄稿者:フアナ・マリア・セラノ・マリン(メタバース・ロータリークラブ[スペイン]会長)

数カ月前、夫が所属するロータリークラブで卓話をした人が、バーチャルで交流できる場としてのメタバースの可能性について話しました。その後まもなく、私たちの地区の会員増強委員会メンバーが、メタバースに新しいクラブを結成することを提案しました。

「メタバース」とは、ユーザーがバーチャルな拡張現実を探索できるオンライン上の空間です。ユーザーは、自分のアバターをつくり、バーチャルな空間で活動や交流を行うことができます。ウィキペディア(英語版)には、「社会的なつながりに焦点を置いた3次元の仮想空間のネットワーク」と定義されています。少なくとも20年前にはゲームの設計においてメタバース技術の初期の要素が使われていましたが、今では利用者を増やしてオンラインでのつながりを広げるためにこの技術を採用する企業や団体が増えています。

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ロータリーボイス 2022年閲覧数トップ5

2022年も終わろうとしています。今年は皆さんにとってどのような一年だったでしょうか。新型コロナウイルスによる影響は現在でも続いているだけでなく、2月にはウクライナでの戦争が勃発しました。明るい要素をなかなか見つけられないような世界情勢ではありますが、今年もロータリーでは、世界の地域社会を支援する各種の活動が行われました。特に、ウクライナ支援のための災害救援基金には多くの支援が寄せられ、幅広い被災者の支援が実施されています。

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ウクライナから届いた日本への感謝のメッセージ

日本のロータリーが仮設住宅設置プロジェクトを支援

寄稿者:新井和雄(下館ロータリークラブ会員、国際ロータリー第2820地区パストガバナー)

ウクライナから届いた日本のロータリーへの感謝のメッセージ動画

ウクライナからのSOSに日本のロータリーが応える

ウクライナ第2232地区は、2021年9月に第2820地区(茨城)がホストを務めた「地球環境保全グローバルプロジェクト」に参加し、ウクライナ各地で海岸や河川、湖沼、各地の公園の清掃を行ってくれました。その縁もあって、今年2月23日にはオンラインでロータリー117回目の誕生日を一緒に祝い、そこでは国際紛争が始まる気配などまったく感じられませんでした。ところが一夜明けた24日、ウクライナ各地がミサイル攻撃され、多くの市民が被災したと昨年度ガバナー(2021-22年度)のボンダレンコさんから連絡がありました。

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今度は私たちが助ける番

~朝鮮戦争を経験した国、韓国の会員がウクライナを支援

※この記事は『Rotary Korea』誌2022年8月号に掲載されたものです。

寄稿者:ユン・ヨンジョン(アンサンOLGロータリークラブ会員、第3750地区パストガバナー)

2022年2月24日、私たちがロータリー創立117周年を祝った翌日、ロシアがウクライナに侵攻しました。それに続く戦闘で1,200万人以上が避難を余儀なくされ、そのうち近隣諸国に逃れた人は500万人以上に上ります。避難民の多くは、人道的支援に頼って生活しています。

キーウはソウルから遠く離れており、韓国がこの戦争の影響を直に受けているわけではありません。しかし、この危機で思い出すのは、1950年代初期の朝鮮戦争です。民間の死者、負傷者、行方不明者の数は300万~400万人に上り、わが国は破壊されました。

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モンゴルで人びとの命を救う「佐賀方式」

~モンゴルでの肝炎・肝がん対策支援

寄稿者:江口有一郎(佐賀ロータリークラブ会員) 

肝がん死亡率ワースト1の返上を可能にした「佐賀方式」

肝がんは、肝臓にできるがんで、放っておくと命にかかわる病気ですが、早期発見と早期治療により予防が可能です。

私の住む佐賀県は、特に60歳以上の方でC型・B型肝炎ウイルスの感染によるウイルス性肝炎の罹患率が全国でも非常に高く、そのため肝がんによる死亡率で全国ワースト1位が長年続いていました。これを解決するため、2012年1月から県と佐賀大学が中心となってさまざまな手法による疾病啓発プロジェクトを行い、当時、佐賀大学医学部の肝疾患センター長だった私がプロジェクトの責任者となりました。

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地球のためにできること

「人間の活動は気候問題の原因です。そのため、人間の行動が解決策にならねばなりません」(アントニオ・グテーレス国連事務総長、COP27開会の挨拶)

今月エジプトでCOP27(国連気候変動枠組条約第27回締約国会議)が開催され、気候変動と環境汚染問題に世界の目が注がれています。日本では国や自治体、企業、市民レベルでSDGsの取り組みが進んでおり、ロータリーでも草の根レベルでさまざまな活動が行われています。

COP27に出席した国際ロータリーのジェニファー・ジョーンズ会長は先日、国連環境計画(UNEP)のインガー・アンダーセン事務局長とナイロビで対談しました。その中でアンダーセン事務局長は、「地域社会が健全であるには、環境が健全でなければならない」と述べています。

国際ロータリージョーンズ会長と国連環境計画アンダーセン事務局長の対談

今回は、地域に根差して環境問題に取り組む日本の三つのクラブの活動をご紹介します。

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トイレは命を救う

2022年「世界トイレの日」のキーワードは「地下水」

きれいで安全なトイレを使えるのは日本では普通のことですが、世界にはトイレが使えずに屋外で排泄する人が数百万人おり、それが原因となって感染症で毎日何千人もの子どもが命を落としています。

毎年11月19日、国連によって定められた「世界トイレの日」には、トイレの大切さを認識し、安全な衛生設備が使えない数十億もの人びとに関する理解を深め、行動を起こすことが呼びかけられています。この問題は、公衆衛生だけでなく、教育、経済、環境にも深くかかわっています。特に多くの女性や少女にとって、安全に管理された衛生設備が利用できないことによる屈辱、不便さ、危険により、社会への全面的な参加が妨げられています。

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日本各地でのポリオ根絶活動に感謝

ポリオ根絶支援サイトからお寄せいただいたご活動の場所。このほかにも多くの活動が各地で実施されています。

今年も、10月24日の世界ポリオデーに合わせ、日本各地のクラブ・地区によってポリオ根絶活動が実施されました。子どもたちをポリオから守るためのご尽力、ありがとうございます!

10月24日の時点で、日本から40のクラブより活動情報をポリオ根絶支援サイトよりお寄せいただき、世界全体では4,000近くのご活動をご紹介いただきました。当サイトに寄せられたご活動のほかにも、世界・日本の多くのご活動やイベント、また個人によるポリオ根絶の取り組みも多く、その活動内容は多様性を増しています。

ご活動の一部をご紹介いたします。

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人生の70年をポリオとともに

寄稿者:リ・ジョン-グエン(ウォンジュ・ロータリークラブ会員、第3730地区ポリオプラス委員長)

ポリオ根絶の研修で講師を務めるリさん。

朝鮮戦争の終戦から1年後、私は韓国南部の村に生まれました。医療の状況が思わしくなく、生後9カ月でポリオに感染。高熱が数日間続き、両足がまひして動かなくなりました。両親は教師でしたが、当時はポリオに関する知識がほとんどなく、迷信的な方法や祈祷に頼るばかりでした。2歳になったとき、ようやくポリオと診断されました。

松葉づえなしでは歩けませんでしたが、明るく活発な性格だったので、村の友だちたちと楽しい幼少時代を過ごしました。入学してからは通学時に弟がかばんを持ってくれました。級友たちは、階上の教室に行くときは私をおぶってくれましたし、学校近くの丘の上にあった自宅まで送ってくれました。こうした周囲の温かい支えはありましたが、歩行器のネジがゆるんだり、松葉づえが何かにぶつかったりしたときに、転ぶこともよくありました。

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世界ポリオデーの特別プログラム

10月24日、ロータリーはソーシャルメディアで、世界ポリオデーのオンライン特別プログラムを放映します。このプログラムはセグメントごとに分かれているため、関心のあるトピックを選んで先に見ることができます。

今年のプログラムのハイライトは以下の通りです。

ジェンダー戦略:パキスタンにおけるポリオ根絶活動において、ジェンダーがいかに重要な役割を果たしているかに焦点を置き、ジェニファー・ジョーンズ国際ロータリー会長、ザイヌル・アベディン・カーン博士、ソフィア・ユヌス博士が話をします。

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ユニークなだけじゃない、世界各地のポリオ根絶活動

ポリオの根絶は、ロータリーが最も長く続けている重要なイニシアチブの一つです。パートナーとともに、122カ国で26億人以上の子どもたちにポリオの予防接種を行いました。ポリオの発症数は世界で99.9%減少しており、この疾病を永久になくすまで、私たちは活動を続けます。

今年も、各地のクラブや地区によって、さまざまな活動が実施されており、個々の取り組みが大きなインパクトを生んでいます。世界中のロータリー会員がどのようにポリオとの闘いを支えているか、以下にご紹介します。

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適応力を高める

行動計画シリーズその4:スコットさんにお聞きしました

Q. 適応力を高めることが、なぜ行動計画の優先事項の一つなのでしょうか。

スコット:誰でも、またどの組織でも、もっと大きな社会的インパクトをもたらそうとしています。ロータリーが影響力のあるリーダーとなり、パートナーとして求められる大きな機会が訪れていますが、変化のスピードが早い今の時代をリードするには、敏捷(びんしょう)さや時代との関連性を備えた組織となる必要があります。

Q. どのような課題がありますか。

スコット:ロータリーは、クラブや地区がばらばらに活動しており、しかも階層的です。そこにあるのは、チームではなく、規則、役員、役職、委員会です。管理層が多ければ多いほど、実際の活動から離れてしまいます。

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参加者の積極的なかかわりを促す

行動計画シリーズその3:オウォラビさんにお聞きしました

Q. 「参加者の積極的なかかわりを促す」とは、どのような意味ですか。

オウォラビ:簡単に言えば、人びとがロータリーへの参加方法を見つけてくれるとただ期待するのではなく、こちらから歩み寄って参加を促すことです。「どうぞお越しください」と言うだけでは十分ではありません。参加者中心のアプローチとは、もっとずっと積極的なものです。

Q. 行動計画において、参加者の積極的なかかわりを促すことはなぜそれほど重要なのですか。

オウォラビ:私はロータリーで、活動に参加し、新しいスキルを学び、リーダーシップを発揮する多くの機会に恵まれました。しかし、多くの人は、ロータリーの活動に参加する時間的余裕がないと感じています。ロータリーが会員維持の課題を抱えていることは、皆さんもご存知だと思います。

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参加者の基盤を広げる

行動計画シリーズその2:ハリデイさんにお聞きしました

Q. ロータリーの行動計画は、参加者の基盤を広げることを呼びかけています。単に会員数を増やすというだけではなく、会員基盤についてどのようにもっと幅広く考えることができるでしょうか。

ハリデイ:これまでは会員数の目標、つまり「何名が入会したか?」に主な焦点を置いてきました。しかし、ロータリーが強く、効果的となり、次世代のリーダーを育てたいと願うのであれば、もっと多くの人を歓迎し、その後もずっとロータリーが居心地の良い場所であると感じてもらえるようにする必要があります。これは、もっと多様でインクルーシブ(包摂的)になり、すべての人に公平な機会を与えなければならないことを意味します。

Q. ロータリーが参加者の基盤を広げる上で、多様性、公平さ、インクルージョン(DEI)が重要なのはなぜですか。

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より大きなインパクトをもたらす

~行動計画シリーズその1:ツスビラさんにお聞きしました

Q. 行動計画は「より大きなインパクトをもたらす」ことを私たちに求めています。どうすればそれを実行できるでしょうか。

ツスビラ:たとえ話でご説明しましょう。就学年齢のお子さんがいれば、学校での成績や試験でよい結果を出してほしいと思うのは当然です。しかし、親として、子どもの長期的な将来も考える必要があることを知っています。自分の子はどんな大人になるだろうか?親がいなくなった後、社会にどのように貢献していくのだろうか?

真のインパクトとは、プロジェクトでの私たちの活動をはるかに超えて続いていくものです。私たちが去った後もずっと持続していきます。

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クラブでSNSを始めよう

クラブや人びとのストーリーを伝えるような写真を撮りましょう。

SNSを使えばクラブの情報を簡単に発信できるとは聞いているけれど、うまく使いこなせない、目的がよくわらかないと感じている方もいるでしょう。SNS活用の目的はごくシンプルです。それは「つながりを築く」ことです。SNSを駆使してクラブの奉仕活動を紹介し、クラブの存在感をアピールすることで、地域社会とのつながりが築かれます。以下に、クラブでSNSをうまく活用するためのヒントをご紹介します。

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世界を魅了するメジャーリーグ

『Rotary』誌で紹介された日本人選手の活躍

『Rotary』誌2022年8月号に掲載された記事(1ページ目)

今月、野球の本場アメリカで活躍するエンゼルスの大谷翔平選手が、ベーブルース以来の104年ぶりとなる同シーズン「2桁勝利、2桁本塁打」を成し遂げ、この快挙に日本中が沸き返えりました。それとタイミングを合わせるかのように、ロータリーの英文機関誌『Rotary』誌の8月号に、大谷選手の活躍に言及した記事が掲載されています。千葉ロッテマリーンズの佐々木朗希選手も紹介しており、野球ファンの日本のロータリーファミリーには嬉しい内容となっています。

今回は、この記事の抜粋を日本語で皆さまにお届けします。今や各国からプレーヤーが集まる米国野球界の歴史や選手の多様性についても触れており、日本の方々にも興味深くお読みいただけるでしょう。

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日本留学で出会った被爆者との再会

~元平和フェローである私が考えた積極的平和と核軍縮の関係

記事:ロレーナ・ロドリゲス(2017-19年度ロータリー平和フェロー)

カリフォルニアで再会した川妻さん(右)と。

宿命、運命……。それを何と呼ぼうと、私は「偶然」というものは信じていません。私たちの体験は、自然、数、時間、事象、観念といった繊細な体系の中に織り交ざっています。最近に起こったいくつかの非偶然的なできごとも、私のこれまでの人生体験が紡いできた一本の糸とつながり、この記事を書くにいたっています。

ここに紹介する私のストーリーは、ロータリー平和フェローシップで修士号取得のために日本に留学し、初めて被爆者に出会ったときから、ロータリー積極的平和アクティベーターとなった最近までの、5年間にわたるストーリーです。

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定年後の人生をポリオ根絶に捧げる

生涯をかけてポリオ根絶に取り組む人にとって、定年や引退は必ずしも休息を意味しません。何年もポリオ根絶に身を捧げてきた今も、ポリオの危険にさらされる子どもたちのために、意欲を新たに次世代の活動家を鼓舞し続けています。

アリ・ファラーさん(ソマリア)

© Dr Ali Farah

1997年、壊滅的な内戦の最中、アリ・ファラーさんは、ソマリア初の全国予防接種日(NID)の試験的プロジェクトを開始しました。その活動があって今、ソマリアは7年以上にわたって野生型ポリオウイルスの感染者を出していません。

ファラーさんは、医師としてリスク下での激務を終え、2015年に引退。しかし現在も、ポリオチームへの技術支援、社会動員、予防接種員などの研修を通じて、ポリオとの闘いを続けています。

「ポリオ根絶のために活動を続けなければならないと常に思っています。これは人道的な活動です。今でもときどき専門スタッフから電話があり、AFP(急性弛緩性まひ)の事例やその他の専門的なことについて質問を受けています。必要なときにアドバイスやサポートができるのは幸せなことだと思います」

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貧しくても奉仕:アフリカの人びとから学ぶ

寄稿者:ヘレン・ダドリー(Coconut Groveロータリークラブ[米国フロリダ州]会員)

村の清掃プロジェクトに参加するユンベ・ロータリークラブ(ウガンダ)の会員たち。村の人たちに、手洗い、溜まり水をなくす方法、そのほかの健康・衛生習慣に関する研修も行いました(2022年2月)。

ユンベ(ウガンダ)の仮ロータリークラブのZoom会議に出席したときのこと。クラブ会員たちが話し合うのを聞きながら、私は涙を抑えきれませんでした。まだ国際ロータリーから正式に加盟認証されていないにもかかわらず、近くの村の人たちを助ける奉仕プロジェクトの計画をもう話し合っていたのです。しかも、創立会員である女性たちは、貧困ラインを大きく下回っていました。会議を聞いていたほかの参加者にチャットを送ったところ、その人も涙が出そうだとメッセージが返ってきました。

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誰をも温かく迎え入れるクラブの環境づくり

寄稿者:トム・ガンプ(第5950地区パストガバナー、国際ロータリー会員増強委員)

8 月はロータリーの「会員増強・新クラブ結成推進月間」。会員基盤の成長について真剣に考える月です。会員制組織であるロータリーにとっては、会員基盤の成長を図り、インパクトを広げることが重要です。

会員基盤は、少なくとも三つの方法で成長させることができます:(1)入会への関心を高めることに力を注ぐこと、(2)既存会員の積極的な参加を促すこと、(3)地元のニーズに応える新クラブを設立し、さらに多くの入会者を引き付けること。歴代の国際ロータリー会長たちも、会員増強におけるこれらの側面を強調してきました。

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理数系分野のジェンダーギャップ解消をめざす

~女子高校生を対象としたワークショップでIT分野や社会問題への意識を喚起

寄稿者:川妻 利絵(広島西ロータリークラブ会員)

近年、理数系分野におけるジェンダーギャップが世界中の課題となっています。その中でも日本は、2021年ジェンダー平等指数が156カ国中120位であり、特に、大学の理数系分野における女性の割合はOECD加盟国では最下位というデータも発表されています。日本ではいまだに「理系=男性」という固定概念が強く、保護者や教員、教材が女子生徒を理数系選択から引き離しているとも言われています。

IOT(モノのインターネット)やAI(人工知能)などの新興技術の台頭で第4次産業革命の波が訪れている中、IT産業におけるジェンダーギャップは世界的課題として注目されています。わが国でもIT分野におけるジェンダーギャップの是正は重要性が高く、教育を通して課題解決することが必要と考えられていますが、特に地方都市ではIT分野を学ぶ環境が充分ではありません。

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ウクライナ発:ロータリーのネットワークに励まされて

~結束の中に希望と強さを見出したリヴィウのロータリークラブ

寄稿者:オレスト・セモテュック(ウクライナ、Lviv Internationalロータリークラブ会員、第2232地区広報委員会委員)

2月24日の朝はいつもと変わらず始まりました。起床、ジョギング、そして朝食。しかし、朝食を食べているときに、ラジオのニュースで、ウクライナがロシアに爆撃されていることを知りました。

すぐにほかの都市に住む友人や知り合いに電話し、安否を確認。幸いにもそのほとんどが無事でした。その日の午後、私が研究のために2018年に滞在したレーゲンスブルク(ドイツ)のテレビ局から電話があり、その後もほかのメディアから次々と問い合わせがありました。こうして、私の活動が本格的に始まりました。

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One Asia One Rotary-アジアのロータリーを繋ごう

「One Asia One Rotaryキックオフコンサート」~八神純子さんと共に

ウクライナから日本に避難された方々。One Asia One Rotaryでのコンサートでは、ウクライナ避難民の方々も招待されました。

寄稿者:福田哲三
(名古屋和合ロータリークラブ)

名古屋和合ロータリークラブと名古屋東山ロータリークラブは、それぞれ創立50周年と25周年記念の合同事業として『One Asia One Rotary-キックオフコンサート』を4月27日に開催しました。One Asia One Rotaryには、2026年の愛知・名古屋アジア競技大会に向けてアジア各国のロータリアンたちと奉仕事業等を通して交流を深めて行こう、という決意が込められています。

アジア各国のリーダーたちから届いた熱い思い

会場は愛知県芸術劇場の大ホール。地区内ロータリアンを中心に約1,300名が集まりました。第1部では両クラブ会長挨拶のあとタイ(3350地区)、シンガポール(3310地区)、フィリピン(3780地区)、インドネシア(3420地区)のガバナー、ガバナーエレクト、パストガバナーたちから熱いメッセージ動画が寄せられ、さらにウクライナ(2232地区)のRロスタイスラヴ・ルカーチ平和構築委員から被災者支援に対する感謝のメッセージ動画が届きました。

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ロータリーに存在する障壁について正直に話してみる

寄稿者:ブライアン・ラッシュ

(編集者メモ: ロータリーは2020年 9 月、ロータリーにおけるDEIの現状を評価し、組織全体でDEIを実践するための行動計画づくりを担うタスクフォースを結成しました。本ブログでは、タスクフォース委員のブライアン・ラッシュさんより、お話をお伺いしました。)

Q: ノーベル平和受賞者であるデズモンド・ツツ大司教やダライ・ラマ氏との共同作業を行った経験をお持ちですが、その経験からDEIについて学んだ重要なポイントは何ですか?

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ウクライナからデンマークへ:ロータリアンの家に身を寄せた17歳からのメッセージ

寄稿者:アルテム・ジアブロフ

私はカラジンハルキウ国立大学(ウクライナ)の1年生で、数学とコンピュータサイエンスの学士号を取得するために勉強しています。戦争が始まる1週間前、母は私をハルキウ(ウクライナ北東部)からイルピン(キーウに隣接)に連れ戻しました。

2月24日の朝5時、母に起こされ、戦争が始まったこと、そしてハルキウが攻撃されていることを知らされました。窓から外を見ると、10キロほど離れた空港に爆弾が落とされるのが聞こえました。その後、ウクライナの戦闘機がすぐ近くまで飛んできて、街からミサイルでロシア軍を爆撃しており、そこにいるのがとても恐ろしかったです。

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環境を守るために行動を

~環境関連のロータリー行動グループと協力しよう

昨年7月に「環境」がロータリー重点分野に加わり、天然資源の保全、生態学的な持続可能性の促進、地域社会と環境の調和促進など、全世界のロータリーファミリーが環境プロジェクトに力を注いでいます。クラブは、ロータリーのネットワークや補助金を活かしてこうしたプロジェクトを実施し、草の根の解決策や革新的方法を取り入れることで、気候変動や環境悪化の影響を抑えることができます。

環境への取り組みを開始、拡大する方法の一つに、環境と関連する数々のロータリー行動グループとの協力があります。以下にこれらのグループをご紹介します。

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ロータリー親睦活動グループで広がる医療従事者のネットワーク

自分の職業を奉仕に生かせることは、ロータリーの魅力の一つです。ロータリーでは、各自のスキルと経験を生かして地域社会のニーズに取り組みながら、職業での新たな機会や関心を見つけ、個人の成長を促すことができます。その方法の一つとなるのが、同じ職業や趣味をもつメンバーが一緒に活動することのできる「ロータリー親睦活動グループ」。本稿では、医療従事者のロータリー親睦活動グループ(the International Rotary Fellowship of Healthcare Professionals)のリーダーであるジョン・フィリップさんからお話を伺いました。

なぜ医療従事者のロータリー親睦活動グループのメンバーになったのですか?

フィリップ:12年前、地元のロータリーを超えて医療従事者の仲間とつながりたいと考えたのがきっかけです。このグループが、最前線で働く医療従事者たちとの世界的ネットワークへの扉を開いてくれました。無私無欲で奉仕するメンバーたちは本当に素晴らしく、職業面でも、ロータリー面でも、私のインスピレーションの源となっています。

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ローターアクトとロータリー:今こそ共に奉仕を

2020年、ローターアクトの立場向上委員会でワン・ロータリー・センターを訪れた著者

寄稿者:イグナシオ・ゴンザレス・メンデス(オリエンテ・デ・タルカ・ローターアクトクラブ会員)

実を言うと、ロータリーについて自分から知ろうとしたわけではありませんでした。ロータリーが私を見つけてくれたのです。世界観を変えるような幸運な出来事の連続で、ロータリーにより深く関わるようになりました。

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私がジェンダー平等推進に力を捧げる理由

~UNICEFのブログに掲載された記事より

寄稿者:シェカール・メータ(2021-22年度国際ロータリー会長)

2022年にコートジボワールで算数を学ぶRokiatouさん(5歳)。新型コロナウイルスのパンデミックにより、世界で数百万人の生徒が対面学習が受けられなくなり、多くの生徒が長引く学校閉鎖の影響を受けています。パンデミック後に女児が授業に戻る可能性は、男児と比べて低くなると見込まれています。

UNICEF(国連児童基金)ガーナのプログラムスペシャリストは、1月に発行されたUNICEFのブログで次のように指摘しました。「女児たちが健康で教育を受けていれば、経済発展、貧困緩和、子どもの福利の改善によって社会全体が恩恵を受け、次世代のための可能性がぐんと高まる」。私もこれにまったく同感です。

女児・女性も男児・男性と同じ機会が与えられている家系で育った私は恵まれています。母はジョードプル国立大学を卒業した最初の女性の一人であり、娘は博士号の取得を目指して学業に励んでいます。しかし、インドや世界各国ですべての女性と女児が同じ機会を与えられ、リソースを使用できるわけではありません。すべての女児が教育を望む一方で、家族の世話や家計のために労働を余儀なくされている女児もおり、私の自宅から数キロしか離れていない貧困地域でもそのような格差を私は目にしました。新型コロナウイルスのパンデミックによって、そのような不平等はさらに悪化しています。

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奉仕を通じた学び

2021年インターアクト賞(エッセイ部門)受賞作品より

受賞者:イサベル・オー、メスタ・スマナスカラ(オーストラリア、Balwyn高校インターアクト委員会)

フリンダース通りを歩くと必ず聞こえてくる「チャリン」という硬貨の音。フッと息を吸い込んでから私も「チャリン」と硬貨を容器に入れたが、駅に入るやその音は電車にかき消された。最後にちらりと振り返ると、その男性の希望をたたえた目がこちらを見て、都会の喧騒の中でやさしく「ありがとう」と口が動くのが見えた。街を行き交う人たちは皆、自分のことに没頭して、道端の(ホームレスの人たちが持つ)「Help」(助けてください)と書かれた紙や毛布には気づいていない。大勢の目があるにもかかわらず、そのすべてがスマホにくぎ付けで、地面に座っている人たちからあからさまに目を遠ざけているかのようだ。

電車に乗り込むと、その喧噪が徐々に薄れ、すぐに暖房の温かい空気が体に当たった。両親と体を寄せ合って座り、コートを無造作に膝にかけて、少しずつ遠ざかる高層ビル群を見つめていた。どんよりとした都会が離れていくのを見ながら、背筋が震えた。するとすぐに、あの冷たく無容赦な環境で暮らす人たちを思い、胸がぎゅっと痛くなった。

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広島から世界に目を向けて ~ここで自分たちにできることを

マツダ スタジアムで実現した「ロータリー奉仕デー」

寄稿者:田中 朋博(広島西南ロータリークラブ会員国際ロータリー第2710地区公共イメージ委員長)

カープロードなど、7ケ所で募金の呼び掛け

国際ロータリー第2710地区では、広島県と山口県の72のロータリークラブがそれぞれの地域ならではの奉仕活動を行っています。

コロナ禍で迎えた3年目の春、2022年4月28日に、初めての地区内クラブ合同奉仕事業となる『国際ロータリー第2710地区 ロータリー奉仕デー in マツダ スタジアム』を実施。広島東洋カープの主催試合にあわせて、マツダ スタジアム、広島駅とマツダ スタジアムをつなぐカープロードなど計7カ所で募金を呼びかけ、スタジアムの入場ゲートなどで資料配布やロータリークラブの公共イメージ調査を行いました。

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子どもたちの未来に夢を馳せる ~遺贈の選択~

林直子先生とインターアクターたち。

約四半世紀にわたり桐光学園インターアクトクラブの顧問をされている林直子先生より、この度、ロータリー財団への遺贈のお申し出をいただきました。インターアクトクラブ顧問として、なぜロータリーに寄付することを選択されたのか。その理由を林先生に伺いました。

先生とロータリーとの最初の接点はどのようなものだったのでしょうか。

林:学校で、部活動の顧問としてインターアクトに携わるようになったのがきっかけです。それ以前は接点がありませんでした。顧問になってはじめて、ロータリーが素晴らしい活動をされていることを知りました。

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平和の祈りを込めたコンサート

広島の家族がロータリーを通じてウクライナを支援

エレナ・ボンダレンコ(平石)さん

寄稿者:エレナ・ボンダレンコ(平石)  

私は、ウクライナ東部のドニプロという都市で育ちました。父はウクライナ人、母はロシア人です。留学のため21歳で来日し、広島市内の会社に勤めました。広島西南ロータリークラブ会員である夫・雅史と出会って、今では10代の息子3人を育てています。夫を通じてロータリーについて知り、7年ほど前にベトナムに赴いてロータリーの孤児院支援活動にも参加しました。

2年前から、末の息子のバイオリン留学のためドイツに住んでいます。ウクライナでの恐ろしい戦争が勃発したのは、2月下旬に日本に一時帰国していたときです。ウクライナの親せきや親友たちのことを考えると心配でたまりませんでした。キーウやドニプロだけでなく、マリウポリとドネツクから脱出できずにいる知り合いもいます。

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がん患者とのファッションショーで実感:ローターアクト入会の価値

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寄稿者:マリア・バレンティーナ・マルティネス・ベロ(Ing. Boris Walterローターアクトクラブ会員)

私は、ベネズエラのローターアクトクラブ会員です。この8年間、ローターアクトを通じて、自分自身、そして人びとの生活をより良くするための奉仕プロジェクトを行ってきました。

このプロジェクト(Rotaract Juntos por una VIDA Color de Rosa)では、10月の1カ月間を乳がん患者のための奉仕に捧げ、以下4つの目標に取り組みます。

  1. 講演を通じて認識を高める。
  2. 美容室から髪の寄贈を集める。
  3. バザーを開催し、検査、薬、治療のための資金を集める。
  4. 10月末にファッションショーを開催する(がん患者の方がモデルとなり、地元デザイナーの服を披露します)。

現在、私はこのプロジェクトの指揮を執っているほか、歯科医師としての専門性を生かして、化学療法や放射線療法を受ける人びとのための専門歯科医療ユニットを通じた患者のケアに取り組んでいます。

ローターアクトは自分の才能を人のために生かす機会

私にとって「才能を生かす」とは、心を喜びで満たすこと、そして目的を持って人生を送ることです。私たち一人ひとりの才能が大切なのは、それが唯一無二の、自分だけのものだからです。私は、自分の才能を生かして世界のニーズに取り組めることを、ローターアクトで発見しました。今では、人類への奉仕にベストを尽くすことが私の情熱です。

私は常に、創造性を最大限に発揮してイベントを企画し、人びとに最高の体験を提供することに熱意を傾けてきました。熱い思いがあればこそ才能が開花し、最も高いレベルで躍動できる瞬間が生まれます。そんな瞬間をとらえ、人びとの人生にも変化をもたらせるようになったのが、ローターアクトを通じたプロジェクトでした。

がん患者の方たちとのファッションショーなんて想像もしていませんでしたが、今ではクラブの一大イベントとなり、がんと闘う方たちからも大きな期待が寄せられています。患者が主役となるこのファッションショーでは、1年間を「診断の秋」「治療の冬」「復帰の春」「治癒の夏」と表現した斬新なコンセプトを採用しています。ステージは患者にとっての癒しの空間であり、経験を分かち合う場となります。

また、このプロジェクトはがん患者のエンパワメントにもつながっています。患者の方はモデルとしてのスキルや自信をつけるためのレッスンを通じて、自尊心や自己肯定感を抱くようになります。さらに、患者さん一人ひとりが、がんに苦しむほかの人たちを支えるリーダーへと変わっていき、支援の土台とつながりが形成されます。

ローターアクトは最高の経験が得られる場所

私は、自分の得意なことや好きなことを組み合わせて、クラブの財産とすることに力を入れてきました。そのおかげで、信じられないような特別な経験をし、人として成長することができました。自分の才能を通じてローターアクトとつながり、その絆が断たれることはありませんでした。私のようにローターアクトに留まる人は、自分が探しているもの、つまり人生の目的を見つけることができるから、そうするのだと思います。

>> ローターアクトについて

最近の記事
>> 祖国のマラリア根絶が私の使命
>> ポール・ハリスの名言10選
>> ウクライナへの救援物資を積んで真夜中に走るトラック

祖国のマラリア根絶が私の使命

寄稿者:エリック・リスワニソ(ヌドラ・ロータリークラブ/ルサカ・ローターアクトクラブ会員[ザンビア])

マラリアについて最もやるせなさを感じるのは、予防できたはずの病気で家族たちが苦しんでいることです。子や親を亡くし、仕事や経済的安定を失うことは、悲惨な状況をもたらす可能性があります。

私は幼少時に両親を亡くし、私と弟妹にとって生活は困難となりました。幸い、親戚からの援助のおかげで学校を卒業し、弟妹たちの教育費をサポートできました。しかし、自分の経験から、親を失って一生苦しんでいるほかの多くの人の苦境に目が向くようになりました。結婚して2歳の娘がいる私にとって、特に5歳未満の子どもや妊婦に悪影響を及ぼすマラリアを根絶することは、他人事ではなく「自分ごと」です。

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ポール・ハリスの名言10選

ポール・ハリス。執務室にて

ロータリー創設者ポール・ハリス(1868年4月19日~1947年1月27日)は米国ウィスコンシン州ラシーンで生まれました。今や世界200以上の国・地域に46,000以上のクラブを擁するロータリーは、1905年、若き弁護士だったハリスのビジョンから生まれました。

歴史上の偉大なビジョナリーの一人といえるハリスが残した言葉は、現代人の心にも響きます。

ハリスの生誕記念日にちなみ、その名言10選をご紹介します。

「私たちはこう問います。最も優れた人間の才能を戦争のための科学に捧げなければならないのに、戦争を回避するための科学には捧げないのか、と」(1940年)

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ウクライナへの救援物資を積んで真夜中に走るトラック

寄稿者:セバスチアン・アダミ(クラーゲンフルト-ヴェルターゼー・ローターアクトクラブ[オーストリア]会員)

集めた物資をトラックに積むKlagenfurt-Wörtherseeローターアクトクラブ(オーストリア)のメンバー

3月2日の夕方、私は6カ国のローターアクト会員や仲間とともに、ポーランドとウクライナの国境近くに救援物資を届けるため、トラック5台でオーストリアを出発しました。徹夜で走り続けましたが、トラックを見た沿道の人たちが懐中電灯やそのほかのサインでエールを送ってくれたことに元気づけられました。トラックにつけた国旗から、私たちが救援物資を運んでいることがわかったのです。

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青少年交換学生が考える平和

ロータリー青少年交換の学友たちに「1. あなたにとって平和とは?」「2. その実現に必要なものは?」を伺いました(『ロータリーの友』2022年2月号に掲載された記事より)。

後藤 久美(2001-02年度、第2530地区からハンガリーに派遣)
看護師(東京北Exchangeロータリー衛星クラブ会員)

1.人々の健康が不公平に扱われることなく保障され、安心した生活を送ることができること。人は心身の健康を維持できれば、他者を思いやる心を育める。自分から周囲へ、さらにその周囲へと愛情が連鎖して自然と心地よい空間が広がると、私は思う。相互の思いやりをたくさんつくるために、健康を保つシステムを構築している社会であることが、平和につながると考える。

2.看護師である私が患者さんに対し意識していることは、心のケア。患者さんの身体的回復に併せ、心の状態もより良くなるよう、気持ちに寄り添い、いかに笑顔を増やせるか。日々の経験から学んだことは、相手を思いやる気持ちが心の平和につながる、ということ。これからは、ロータリー衛星クラブの一員としても、このことを大切にしながら活動していきたい。

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アカ族の人たちにトイレを

寄稿者:松永 雄一(原町中央ロータリークラブ会員)

原田さんとアカ族の方たち

私たち原町中央ロータリークラブ(福島県南相馬市)では、2020年よりタイ北部の少数民族アカ族のためにトイレを設置する活動を行っています。

そもそものお話は、国際ロータリー第2580地区ガバナーエレクトである嶋村文男さんとの交友から始まりました。2019年、嶋村さんが所属する東京東江戸川ロータリークラブがロータリー財団の地区補助金を利用してタイのアカ族に浄水機を寄贈し、その贈呈式にお誘いをいただいたのです。

私のクラブはロータリーの奉仕活動についてはまだまだ開発途上であり、これからの活動のためと、半分は物見遊山のような気持ちで参加を決めました。同じクラブの奉仕活動に熱心な佐々木英夫さん夫妻もお誘いしました。

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「令和の寺子屋」プロジェクト

寄稿者:村田 雅明(京都南ロータリークラブ会員、「令和の寺子屋」プロジェクト担当理事)

「答えのない問題に対して、自分の頭で考え、自ら行動して正解を作り上げていく人材を育成しよう、そのために、各界で活躍する3人のカリスマを集め、子どもたちの人生を変えるようなインパクトのある“授業”を行おう」

私たち京都南ロータリークラブは、「日本の未来を創る」を合言葉に、“令和の寺子屋”プロジェクトを立ち上げました。ユネスコが進める「世界寺子屋運動」に触発された当クラブが、答えのある問題を正確に解ける能力を養う公教育とは別に、子どもたちに刺激を与えることを目的にしたものです。

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キーウを逃れたウクライナ人会員からのレポート

稿者:イリーナ・ブシュミナ(第 2232地区[ウクライナ]ローターアクト代表)

イリーナ・ブリュミナさん

戦争勃発から数時間以内に、私は姉夫妻と生後3カ月の甥、そして一匹の猫とともに、車でキーウを逃れました。国境に着いたときには既に男性の出国が禁止されていたため、義理の兄を残して国外に脱出しました。5日間の運転を経て、6日目にウィーン(オーストリア)にたどりつきました。 

その途上の3泊は、ホテルではなく、ロータリアンやローターアクターの自宅に泊めていただきました。国際ロータリーが大家族であるとはよく言われますが、この時にそれを実感しました。いつでも支えてくれるのがロータリーファミリーであることを、肌身で感じました。

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倫理的ジレンマ:あなたならどうする?(例会場でのパワハラ)

回答者:日本のロータリーコーディネーター

今回の「倫理的ジレンマ」では、近年ニュースで取り上げられることが増えた「パワーハラスメント」への対応について検討します。次のシナリオについて、日本の3名のロータリーコーディネーター(RC)にご意見をお伺いしました。

あるクラブは、長年、同じレストランで例会を開いてきました。クラブ会員はこの会場を気に入っており、場所も便利だと言っています。しかし最近、レストランのスタッフ数名が辞職し、経営者(ロータリー会員ではない)が深刻なパワーハラスメントを行ったことで、パワハラ防止法に基づく勧告を受けたことが明らかになりました。

クラブには直接の関係がないことですが、近年の「パワハラ」への関心・認識の向上と相まって、レストランに対する批判が地域社会で厳しくなっています。レストランとクラブの関係は良好ですが、一部の会員は新しい例会場を検討すべきだと感じています。こんなとき、あなたがクラブリーダーならどうしますか?
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彼は砂糖を入れますか? 障がい者のインクルージョン

寄稿者:ジェレミー・オッパーマン(ロータリーDEIタスクフォース委員、ニューランズ・ロータリークラブ会員[南アフリカ])

最近、スーパーのレジでカードの暗証番号を入力し終えたときのことです。レジ係の人が、そこにいた私の友人に「(目が見えない)彼はどうして、どのボタンを押せばいいか知っているの?」と尋ねました。

私はそういう質問に慣れていたので、友人がどのような反応をするか興味深く待つことにしました。不思議なことに、障がいのある人に会うと、多くの人は本人に直接声をかけるのではなく、一緒にいる人に声をかけることが多いのです。

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クラブを越えたつながりを生み出す

寄稿者:タマラ・ゴイコビッチ(バニャ・ルカ・ローターアクトクラブ[ボスニア・ヘルツェゴヴィナ]会員)

パリでのGlobal Citizen Liveでロータリーのソーシャルメディアを担当したチーム。(左から)Pauline Amielさん、Tamara Gojkovicさん(筆者)、Hanh Minhさん、Mona Mousaさん。

ロータリーに入会前、ロータリーの名前だけは聞いたことがありましたが、それ以外のことは知りませんでした。あるとき、大学の助手をしている方から、地元ローターアクトクラブに入会しないかと誘われました。私が大学や複数の非営利団体で活発に活動していたことから、ローターアクトが私にぴったりだと思ったそうです。もう4年も前のことですが、そのおかげでまったく新しい人生が開けました。ローターアクト入会を誘ってくれたことを、とてもありがたく感じています。

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「真実かどうか」

寄稿者:ジェレミー・オッパーマン(Newlandsロータリークラブ会員[南アフリカ]、ロータリーDEIタスクフォースメンバー

「大主教さん(The Arch)」の愛称で親しまれているノーベル平和賞受賞者、デズモンド・ツツ名誉大主教(※)の誕生日イベントを見ていた私は、国際的に尊敬されているリーダーたちからのメッセージを聞いて驚きました。それらはいずれも、感情的で大げさなお決まりの賛辞ではなかったからです。

南アフリカの大学教授であるトゥリ・マドンセラ氏、二人の元大統領(南アのマンデラ元大統領、モザンビークのマシェル元大統領)の未亡人であるグラサ・マシェル氏、アイルランド元大統領で国連特別顧問(環境)のメアリー・ロビンソン氏は、ツツ大主教への心のこもった短いメッセージを述べた後、すぐに「真実」について語り始めました。

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ノーベル賞を受賞したロータリアンたち

ノーベル化学賞を受賞したベンジャミン・リストさん。© Frank Vinken for MPG, Max-Planck-Institut für Kohlenforschung

2月はロータリーの「平和構築と紛争予防月間」。平和構築への貢献と聞いて、ノーベル平和賞を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。

昨年10月、ドイツのロータリー会員、ベンジャミン・リストさんがノーベル化学賞を受賞したというニュースに、全世界のロータリー会員が沸き返りました。歴史を見ると、これまでにもノーベル賞を受賞したロータリアンがいたことをご存知でしょうか。

今回は、ノーベル賞を受賞したロータリー会員(および名誉会員)をご紹介します(このリストは、国際ロータリー歴史資料部が把握している情報のみを含んでいることにご留意ください)。

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特攻隊の体験を生々しく伝える 「自分の命を大切に」

~千玄室・茶道裏千家大宗匠が語る

寄稿者:下村由加里(奈良西ロータリークラブ会員、第2650地区インターアクト委員)

講演をした茶道裏千家前家元 大宗匠・千玄室さん

第2650地区では、平和学習をテーマに、インターアクターが学校の授業では知ることのできない命の尊さについて学び、見て感じ、自分の心で考えるための夏期研修(3泊4日の鹿児島訪問)を予定していました。しかし、新型コロナウイルスの感染状況によりこれを中止するという苦渋の決断が下され、楽しみにしていたインターアクターたちのがっかりする姿が思い浮かばれて身を切る思いでした。ロータリアンは自分が望めば一生ロータリアンでいることができますが、インターアクターは18歳までという制限があります。高校のインターアクトクラブの場合、3年生は就職や進学が絡むため、活動は1年と2年の実質2年間。2回続けて夏期研修が中止となれば、一度も夏期研修に参加する機会がなく卒業することになります。以前にインターアクトクラブの例会を訪問した時、「どうしてインターアクトクラブに入会したか?」と質問したところ、「夏期研修ですごい経験をしたと先輩から聞き、自分も参加したくて入会した」という声が少なくありませんでした。

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各地のロータリー奉仕デー

2021-22年度の会長イニシアチブの一環として、シェカール・メータ国際ロータリー会長は、実践的かつ行動的なロータリー奉仕デーの開催をクラブに呼びかけています。この行事は、ロータリー重点分野の一つ以上に該当し、ロータリー内外からボランティアを集め、地域社会の課題に取り組むものとすることが奨励されています。

今年度、すでに多くのクラブがロータリー奉仕デーを実行しています。その一部をご紹介します。

日本:広島陵北ロータリークラブ、広島北ロータリークラブ、広島安佐ロータリークラブが協力し、ロータリー奉仕デーとして旧太田川と河川敷の清掃活動を行いました。会員のほか、その家族や地元の学友会、地域ボランティアを含む合計270人が参加しました。詳しくはこちらから

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人の力とつながり:2022-23会長テーマのロゴ

イマジン ロータリー」。これが、ジェニファー・ジョーンズ会長エレクトが、2022年1月20日(木)に発表した2022-23年度会長テーマです。ジョーンズ氏は、大きな夢を抱き、行動を起こすことをロータリー会員に求めています。「私たちには皆、夢があります。しかし、その実現のために行動するかどうかを決めるのは私たちです。想像してください、私たちがベストを尽くせる世界を。私たちは毎朝目覚めるとき、その世界に変化をもたらせると知っています」

このテーマロゴと2023年国際大会のロゴは、オーストラリア先住民族の現代アート、デザイン、コミュニケーションを専門とするアーティストでグラフィックデザイナーのリキ・サラム氏(Riki Salam)によってデザインされました。ケアンズのYidindjiの地で生まれ育ったサラム氏は、父方がMuralag、Kala Lagaw Ya、Meriam Mer、Kuku Yalanjiの人びと、母方がニュージーランド南部の島に住むNgai Tahuの人びととのつながりを持っています。

このロゴは、オーストラリア先住民族の現代アート、デザイン、コミュニケーションを専門とするアーティストでグラフィックデザイナーのリキ・サラム氏(Riki Salam)によってデザインされました。サラム氏は、メルボルンで開催される2023年ロータリー国際大会のロゴも手がけており、二つのロゴを視覚的な共通言語で結び付けています。

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活動のインパクトをこの目で見る

寄稿者:サムソン・テスファイエ・ウォルデテンセ(第9212地区[エチオピア]直前ガバナー)

私が所属するアジスアベバ・セントラル-メラ・ロータリークラブは現在、エチオピア南部の村々に24の井戸を建設するプロジェクトを実施しています。私たちは、現地で集めた情報やデータを活用して、地域社会のニーズとその解決策を特定しました。

プロジェクトの目標は、村人たちが安全な水にアクセスできるようにし、生活の質を高めることです。近くに安全な水がないために、村人たちは長距離を歩いて水汲みをしなければなりません。しかも、その水は汚染されており、感染症の原因となることが少なくありません。

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【メンバー募集中】ロータリー財団の専門家グループ

~ 職業の専門知識を世界で生かす ~

現在、ロータリー財団専門家グループ(Cadre)のメンバーを募集しています。日本のメンバーが不足しているため、以下の内容をお読みいただき、申請をご検討いただくか、皆さまのお知り合いで適任と思われる方への情報シェアをお願いいたします。

ロータリー財団専門家グループとは、ロータリー重点分野のいずれか、または財務監査に関する専門知識をもつロータリアンのグループです。現在、75以上の国に500名を超えるメンバーが登録されています。

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最も貧しい国での豊かな生活

寄稿者:江田慶子(2019-20年度ロータリー財団奨学生)

電気もガスも水道もない場所で本当の異文化理解

シアバターを生産する女性(写真提供:江田慶子)

私が青年海外協力隊として4年間を過ごしたブルキナファソは、世界でも最も貧しい国のひとつで、国連開発計画(UNDP)による人間開発指数(HDI)では、189カ国中182位(2019年度)と最下位近くに位置しています。

私の配属先の女性組合では、伝統的な手法でシアの実から採れるシア脂(シアバター)を生産・加工・販売することで貧しい女性たちの収入向上を目指していました。赴任当初の私は、そこで働く女性たちが約束の時間に毎回遅れてくることにとてもイライラしていました。というのも、待ち合わせの時間から1時間以上待たされるのは当たり前、時にはすっぽかされることもあり、その度に「急用ができたから」とまったく悪びれる様子がないのです。口論が重なり、なかなか思うように仕事も進みませんでした。

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ロータリーボイス 2021年閲覧数トップ5

新型コロナウイルスによって私たちの生活様式が一変してからほぼ2年が経過しようとしています。新たな変異種の脅威も押し寄せ、暗中模索の状態が続いています。この場を借りて、命を落とされた方々に哀悼の意を表するとともに、私たちの命を守るべく前線で仕事をしてくださるエッセンシャルワーカーの方々に深く感謝いたします。

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街の新たな看板でロータリーをアピール

By: エバ・パーマー、第7280地区ガバナー補佐(米国ペンシルバニア州)

私たちのクラブは、地域に根差した活動を実施し、ロータリーについて広く人びとに伝えることにコミットしています。クラブの戦略計画も含め、活動のすべてにこの信念が組み込まれています。ですから、私たちが住む街オイル・シティが街の入り口に立つ看板を一新しようと考えているという話を聞いた時、私はすぐにその機会に飛びつきました。街の美化や観光支援の一環となると思っただけでなく、ロータリーを推進する機会になると考えたのです。

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医療業界でバリアフリーの必要性を伝える

~自身の障がいを受容し、チャレンジし続けるロータリー元奨学生

寄稿者:野口万里子(2002~2003年度ロータリー財団奨学生)

不安を抱えながらドイツに留学

「障がい者もおしゃれし、みんなと同じステージで輝く場所があっていい」と思い、ミセスコンテストにチャレンジした野口さん。

私は、ロータリー財団の国際親善奨学生として、ドイツ・フランクフルトへ異文化体験留学をさせていただきました。大学卒業直後で22歳の時でした。

私自身オランダ生まれで2歳で帰国し、幼少時より外国は身近であり、海外で勉強するという夢を抱いていました。多くの国を見て、一人で外国へ行けるようになることを望んでいました。

2002年8月、大阪よりフランクフルト空港に到着。最初はとても大きな不安を抱いていました。本当にフランクフルトで生活できるのだろうか。なぜならば、私は生まれつきの聴覚障がいだからです。胎内時に母が風疹を発病したため、難聴児として出生しました。加えて、重度聴覚障がいにより独特の発音です。

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障がい者インクルージョンのパラダイム転換

「多様性・公平さ・インクルージョン(DEI)」シリーズ第8回

2020年9月、ロータリーは組織内における多様性・公平さ・インクルージョン(DEI)の現状を評価し、ロータリー全体でDEIの価値と実践を推進するための包括的な行動計画を作成することを目的に、DEIタスクフォースを設置しました。一連のブログ記事で、タスクフォースの取り組みと「多様性・公平さ・インクルージョン(包摂)」の重要性について、メンバーの方々に伺っていきます。第四弾となる今回は、ジェレミー・オッパーマンさんにインタビューします。

Q:ご自身も障がい者であることは、障がい者問題についての考え方にどのように影響したと思いますか。

オッパーマン:私は、自分が盲目だから多様性や障がい者の公平さを推進するスペシャリストになったわけではありません。その前に10年以上、満足できるキャリアに就いていましたから。ただし、盲目であることによって、この主題について真実味をもって話せるという利点はあります。障がいを身をもって体験し理解している私は、十分な理解と共感をもってこの問題を扱うことができます。

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同窓会をきっかけに青少年交換の学友たちが新クラブを立ち上げる

By Fernando Pinto Nercelles(チリ、Pehuén de Las Condesロータリークラブ会員)

Fernando Pinto Nercellesさん

ここ数年、ロータリー会員、特にリーダーとしての立場にある人びとにとって、会員増強は難しい課題となっています。

私が委員長を担っている地区学友委員会では、学友との関係を維持するために、一人ひとり個別に連絡するという方法を用いてきました。これはこれで充実した経験ではありますが、十分とは言えません。地区で会合を重ねた結果、今こそ革新的な試みをすべきだということになりました。

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学友、アメリカでガバナーになる

山梨県出身のロータリー学友・中曽根牧子氏(アメリカ・グレンデールRC)が2023-24年度第5280地区(アメリカ・カリフォルニア州)のガバナーに選出されました。今回、スポンサー地区の第2620地区のロータリー財団学友会がインタビュー。その一部を抜粋して紹介します。

ロータリー国際親善奨学生への応募のきっかけ

本格的に留学したいと思うようになったのは、高校時代にアメリカ・サウスダコタ州に1年間留学したことがきっかけです。「外国語を習得するには少なくとも1年間その国へ行き、その国の四季を体感することが大切である」と感じたことが始まりでした。そこで、東京外国語大学ドイツ語科在学中、政府の奨学金に応募したのですが落選。どうしようかと思っていたところ、先輩からロータリーの奨学金について教えていただきました。それまで、私にとってロータリーの印象は、地元の名士ばかりが所属する、とても敷居の高いところ。ロータリーとは全く関係のなかった私が交流の機会を持つことはないものと思っていました。ですから先輩から教えていただいた時に、ぜひ受けたいと思い、応募したことがロータリーとのご縁の始まりです。

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DEIで大切なのは小さな変化で一歩ずつ前進すること

「多様性・公平さ・インクルージョン(DEI)」シリーズ第7回

2020年9月、ロータリーは組織内における多様性・公平さ・インクルージョン(DEI)の現状を評価し、ロータリー全体でDEIの価値と実践を推進するための包括的な行動計画を作成することを目的に、DEIタスクフォースを設置しました。一連のブログ記事で、タスクフォースの取り組みと「多様性・公平さ・インクルージョン(包摂)」の重要性について、メンバーの方々に伺っていきます。第三弾となる今回は、トッド・ジェンキンズさんにインタビューします。

Q:ウォルマート、グーグル、フェイスブック、アメリカン航空、ケロッグといった大手企業と仕事をされてきましたが、DEIという点でロータリーはこれらの企業から何を学ぶことができますか。

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視覚障がい者教育のための教師研修:ブラジルと日本のクラブによる協力活動

読書の補助機器の使い方を学ぶ教師

By Aurea Santos

視覚障がい者の教育を支援するにしても、そのための訓練を受けた教師がいなければ実現は困難です。そこで、ブラジルのロータリー会員は、専門スキルのある教育者を増やすために、教育支援団体 Dorina Nowill 財団とのパートナーシップを結びました。

サンパウロ・リベルダージ・ロータリークラブが、日本の富士宮ロータリークラブの支援を受けて実施したこのプロジェクトでは、2019年4月から5月にかけて、169名の教師が研修を受けました。

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「おしん」は世界中にいる

〜 ロータリーの「女児のエンパワメント」の取り組み 〜

寄稿者:山田 邦子
 女児エンパワメントアンバサダー
 第2840地区パストガバナー

2021-22年度国際ロータリー会長のシェカール・メータ氏は、会長肝いりのイニシアチブとして「女児のエンパワメント(Empowering Girls)を挙げています。その目的は、女児の安全、健康、教育、福祉を向上させることです。

なぜ女児のエンパワメントが重要なのでしょうか。

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ロータリーDEIタスクフォースとの対話

「多様性・公平さ・インクルージョン(DEI)」シリーズ第6回

2020年9月、ロータリーは組織内における多様性・公平さ・インクルージョン(DEI)の現状を評価し、ロータリー全体でDEIの価値と実践を推進するための包括的な行動計画を作成することを目的に、DEIタスクフォースを設置しました。今後の一連のブログ記事では、タスクフォースの取り組みと「多様性・公平さ・インクルージョン(包摂)」の重要性について、メンバーの方々に伺っていきます。第二弾となる今回は、タスクフォースの委員長であるバレリー・ウェイファーRI副会長にインタビューします。

Q: ティムホートンズ(カナダのコーヒー・ドーナツチェーン)のフランチャイズ店を経営されていますが、インクルーシブ(包摂的)な従業員の雇用で知られていますね。インクルージョンを優先した事業経営が他社との競合において有利になることを、直に学んでこられたと思います。ロータリーのような団体にとって、DEIを文化の一部とし、運営のアプローチとして積極的に取り入れることには、長期的にどのようなメリットがあるでしょうか。

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デジタル時代とコロナ時代のロータリークラブ

寄稿者:天野志乃布(愛知三州ロータリークラブ会員)

「新しいカタチ」のロータリークラブ

緊急事態宣言下でのガバナー補佐訪問例会(2021年9月09日撮影)

私は祖父と父がロータリアンだったので、「ロータリークラブは平日の昼間に仕事を調整し、例会に参加する団体」だと思っていました。なので、いざ入会を誘われたときには、日中に仕事を抜け出して出かけることに対して、何となくモヤモヤを感じました。

けれども、2017年3月に設立された愛知三州ロータリークラブは、「新しいカタチ」のロータリークラブだと知り、「これならできそう!(=続けられる)」と入会しました。何が新しいのかというと…

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成功するクラブのレシピ:5つの材料

寄稿者:バートン・ゴールデンバーグ(米国第7620地区直前ガバナー)

パティシエがさまざまな材料を混ぜあわせておいしいケーキを焼くように、ロータリーでもいろんな「材料」をうまく混ぜあわせることで優れたクラブが出来上がります。さまざまな材料の中で、私が最も大切だと思った5つの材料をここにご紹介したいと思います。

材料1 「独自の個性」

私の住む町には4つのクラブがあり、互いに近接していますが、それぞれが独自の個性をもっています:

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日本発 & 世界各地のポリオ根絶活動

いよいよ世界ポリオデー(10月24日)が間近に迫ってきました! 現在、世界各地でポリオ根絶活動が実施されており、日本でも今までにない大きな規模の活動が実施されています。

ポリオの根絶は、ロータリーが長年にわたって取り組んできた最も重要な活動の一つ。みんなで盛り上げましょう!

世界中のロータリー会員がどのようにポリオとの闘いを支えているかをご紹介します。

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パンデミックが収束したと言うにはまだ早い

~ビオンテック社CEO ウグル・サヒン氏とのインタビュー

※本稿は、ドイツとオーストリア向けロータリー雑誌によるインタビュー記事(2021年8月1日にrotary.deに掲載)を翻訳したものです。

欧州では例年通りの夏が戻ってきたかのように見えるこの数カ月間も、独ビオンテック社はコロナワクチンの改良に取り組んでいます。同社CEOウグル・サヒンさんが現状と今後の見通しについて語りました。

妻のテュレジさんおよびクリストフ・フーバーさんと共同で2008年にビオンテック社を設立したサヒンさんは、何より科学を重んじ、大げさな身振りや哀れを誘う話はしません。2020年11月9日、「有効なワクチンが開発された」という誰もが待ち焦がれたニュースが世界を駆け巡り、同社は12月からワクチン提供を開始。今年3月末にワクチン接種の効果が明らかになって以来、同社の株価は高騰しています。

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「ロータリー奉仕デー」地球環境保全グローバルプロジェクト

寄稿者:新井和雄(国際ロータリー第2820地区ガバナー)

2021年9月12日、国際ロータリー第2820地区(茨城県)の呼びかけに、世界各地のロータリークラブが呼応し、それぞれの国のそれぞれの地区で市民と共に、海岸や河川や湖沼を綺麗にするプロジェクトを行いました。

第2500地区(北海道)
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ロータリーの未来に不可欠なのは「成長」

By シェカール・メータ(2021-22年度国際ロータリー会長)

成長とは、あらゆるものに起こる自然現象であり、生きていることの唯一の証でもあります。アメリカのビジネスマンで、ファイアストンタイヤ・アンド・ラバー社の創業者であるハーベイ・ファイアストーンは、かつてこう言いました。「成長と人材育成こそ、リーダーの最も重要な使命である」

これはロータリーにも当てはまります。過去20年間、会員数は120万人にとどまっており、今こそ会員を増やして成長を遂げるときであると私は考えます。12カ月間で130万人へと成長するのは大胆な目標だと思われるかもしれませんが、「Each One, Bring One」(みんなが一人を入会させよう)に取り組めば十分に可能なことです。

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適応力であなたのRYLAを創造する

寄稿者:カレン C. ローブ(米国コロラド州のロータリー会員)

ロータリーで最近、「多様性、公平さ、インクルージョン」(DEI)という言葉をよく耳にします。DEIと聞いて、RYLA(ロータリー青少年指導者養成プログラム)を思い浮かべる人はいないかもしれませんが、RYLAでもDEIを強化することができます。

第5450地区(米国コロラド州)では、「RYLAプラス」と銘打った、障がいのある青少年を対象とする活動を行っており、障がい者支援団体Easterseals Coloradoとの提携の下、障がい者法に準拠した施設でユニークなプログラムを開催しています。参加者のニーズをサポートするため、訓練された医療スタッフとカウンセラーが配置されています。「1週間でうちの子に何をしたの?」と言う保護者もいますが、それは参加者のポジティブな変化を目の当たりにし、誇りをもってそういってるのです。

個人的な動機

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学問と実践を結ぶことを夢みて

寄稿者:ジャンルカ・ボナンノ(京都大学東南アジア研究所・トリノ大学世界情勢研究所准教授、国際平和と開発機構[IPSO]理事長、ロータリー学友)

私はイタリアと英国の二重国籍を持っていますが、ロータリーとともに歩む旅は、2009年に京都で始まりました。当時、大学院で国際関係の博士号取得を目指していた私は、ありがたいことにロータリー米山記念奨学金をいただき、博士課程での研究を続けることができたのです。

その時はただの奨学金だと思っていましたが、思いがけず、職業的、人間的に大きく成長する機会がもたらされることとなりました。

学問と現場の乖離に気づく

学者の家庭に生まれた私は、子どもの頃、世界中の大学の誰もいない教室でよく遊びました。日頃から身近なところで教育に触れていた私は、幼いときから、いつかは教授として教育に携わることになると思っていました。

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ポリオ根絶へのコミットメント:クラブ支援の記録にご協力ください

簡単に入力できるようになりました!

10月24日は「世界ポリオデー」です。皆さまのクラブにおけるポリオ根絶へのコミットメントを世界に示すため、活動その他の支援の記録にご協力ください。

これにより、何十年も前にロータリーが行ったポリオ根絶の誓いに現在も会員が熱意をもち、行動していることを伝え、ポリオ根絶の重要性への認識を高めることができます。

こちらからご入力いただけます: www.endpolio.org/ja/register-your-event *
(入力時にエラーが生じる場合は英語のページでお試しください)

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最新レポートで見る世界平和の現状

寄稿者:マイケル・コリンズ(Michael Collins、経済平和研究所、アメリカ局長)

画像をクリックするとレポート(英語、PDF)をダウンロードできます

去る6月、経済平和研究所(the Institute for Economics and Peace=IEP)が、今年で15年目となる世界平和度指数を発表しました。この指数は、全世界の平和度を測る主要な基準のひとつです。2017年以来、IEPとロータリーは戦略的パートナーシップを結び、世界各地で平和を効果的に築く新たなツールを会員に提供してきました。私も、世界平和度指数を算出するプロセスに携わりながら、ロータリー会員の皆さんと協力する機会に恵まれたことを嬉しく感じています。

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家庭内暴力への取り組みがクラブを変えた

寄稿者:デイビッド・ハーモン(オーストラリア、Ballina on Richmondロータリークラブ会長)

過去10年間、多くのクラブが経験してきた会員数の減少に歯止めをかけるには、会員や地域社会を巻き込むに足りる大義名分が必要となります。そこで私たちのロータリークラブは、3年前に座談会を開き、地域社会に真の変化をもたらす課題を特定しました。それが、家族内暴力・虐待に取り組むプロジェクトです。このプロジェクトを開始後、会員数は31人から76人に増えました。

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成功するコミュニケーションのカギは「一貫性」

寄稿者:リズ・コートニー(第8ゾーン公共イメージコーディネーター補佐)

新型コロナウイルスが世界に蔓延して以来、私たちの仕事場はバーチャルな世界へと移行し、コミュニケーションの手段としてテクノロジーの活用が急増しています。ソーシャルメディアやオンラインのマーケティングツールのおかげで、コスト効率の高い方法で大勢の人に情報を届けられるようになり、ロータリークラブが多くの人の目にとまる機会も増えています。研修リーダーである私は、正しいクラブ名入りロゴを一貫して使う方法についてクラブを頻繁に指導します。地域社会でのクラブへの信頼と認知を築くには、この「一貫性」がカギであり、オンラインとソーシャルメディアでは特に重要です。以下は、普段から私が研修でクラブに伝えていることです。

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DEIの文化はロータリーにとってなぜ大切なのか

「多様性・公平さ・インクルージョン(DEI)」シリーズ第5回

ロータリーは2020年9月、組織内における多様性・公平さ・インクルージョン(DEI)の現状を評価し、ロータリー全体でDEIの価値と実践を推進するための包括的な行動計画を作成することを目的に、DEIタスクフォースを設置しました。今後の一連のブログ記事では、タスクフォースの取り組みと「多様性・公平さ・インクルージョン(包摂)」の重要性について、メンバーの方々に伺っていきます。第一弾となる今回は、ケイティ・ハリデーさんにインタビューしました。

問:ロータリーのDEIタスクフォースのメンバーとして、DEIの実践と理解の促進においてロータリーが抱えている課題は何だと思いますか。これらの課題を克服するには、何が必要でしょうか。

ハリデー:ロータリー特有の課題は、組織の巨大さです。世界各国の文化の違いもあります。また、DEIに疎い企業や組織で働く会員のいるクラブは、この取り組みやDEIという点で自分たちに何が求められているのかをよく理解していないことがあります。

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学友がクラブを成長させる:3つの実例

寄稿者:トム・ガンプ(パストガバナー、米国ミネソタ州、Edina / Morningsideロータリークラブ会員)

私はよく、「どうやってクラブを成長させたらいいでしょう?」、「新クラブの会員をどうやって見つけることができますか?」と聞かれます。その答えは、学友(プログラムの元参加者や元奨学生)です。学友は見落とされがちですが、ロータリーがどのような団体か、どのような重要な活動を行っているのかを知っています。まさに入会候補者にふさわしい存在だと言えるでしょう。

ロータリーの学友は、世界中で活動するリーダーの素晴らしいネットワークです。クラブは、学友を講演者として招待したり、奉仕プロジェクトに参加してもらったりできますが、まずは時間と労力をかけて、学友の参加を妨げている障壁を取り除くことが肝心です。それができれば、学友の洞察力と才能を、ロータリーの成長に生かすことができるでしょう。

三つの実例をご紹介します。

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コロナ禍の中で第一歩を踏み出したローターアクトクラブ

寄稿者:中川博之(大阪難波ロータリークラブ会員) 

大阪難波ロータリークラブは1976年に設立され、今年で45周年を迎えます。節目を迎えるにあたり、2020−2021年度にはスローガン「世代を紡ぎ、親睦と奉仕を未来へ」を掲げ、その一つのプロジェクトとして18歳〜30歳の若い世代から成るローターアクトクラブの設立を計画しました。

若い人たちが気軽に集まれるイベントを計画

まず、「ローターアクトクラブを知ってもらうにはどうしたらいいか?」と考えました。とりあえず説明会を開催しよう!となったのですが、堅苦しい説明会ではなく、若い人たちがランチを食べながら気軽に楽しめる、そんな時間にしようと考え、当クラブ主催の「ローターアクトのことを知っていただく懇親会」を企画しました。

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子ども食堂とともに歩むロータリークラブ

寄稿者:藤野直子(名古屋名東ロータリークラブ会員)

皆さんは、「子ども食堂」をご存知ですか?

「夏休みに、一日の食事がバナナだけ」というお子さんがいることを知った東京都大田区の八百屋さんが、ご飯を食べさせてあげたことから「子ども食堂」は始まりました。それから9年、今では日本中に、約5000カ所もの「子ども食堂」ができました。地域のボランティアグループなどが運営する子ども食堂では、無料または安い金額で食事を用意しています。本当に空腹なお子さんもいれば、わいわい楽しいから来るお子さんもいます。「こども食堂が、唯一の外食」というシングルマザーの親子も来ます。「一人で食べるご飯はつまらない」と言って、子ども食堂のボランティアをしてくれるおじいちゃんもいます。学校には足が向かない中学生がお子さんの遊び相手になってくれたり、大学生が宿題を教えたり、それぞれの思いやりと優しさが集まって“心休まる居場所”となっているのが「子ども食堂」なのです。

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災害と紛争 — 女性の立ち上がる力

By Victoria Ifould(災害救援団体「シェルターボックス」スタッフ)

ロータリーとシェルターボックスは、20年以上にわたり、災害時に人びとが「家」と呼べる場所をもつことができるよう協力活動を行ってきました。シェルターボックスは、災害に見舞われた世界各地の家族に緊急シェルターやその他の必要な援助を提供し、生活の再建を支援しています。

通常の状態でジェンダーにおける不平等を経験する女性や女児は、災害時にも不平等を経験します。災害時や紛争時において女性が死亡する割合は男性より高いことが分かっています。また、女性に対する暴力が増加し、生活手段や教育へのアクセスにおいても女性は多くの困難を経験します。このため復興プロセスでは、女性の強さと立ち上がる力に着目することが極めて重要となります。

二人の女性をご紹介します。

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シリア紛争の10年

By Victoria Ifould(災害救援団体「シェルターボックス」スタッフ)

シリア危機は、これまでにシェルターボックス*が対応してきた最大かつ最も長期にわたる課題です。2012年12月以来、40万人以上を支援し、テントや冬用衣類の提供など、必要な支援を行ってきました。
(* シェルターボックスは、災害救援活動におけるロータリーのパートナー団体です

紛争開始から10年が経過した現在も、繰り返される争いによって故郷を追われる家族が後を絶たず、緊急シェルターが引き続き必要とされています。また、長年使用され、修理が必要なシェルターも多くあります。

年月を重ねるごとに、シリアの惨状は主要なニュースメディアで取り上げられなくなります。しかし、世界中のロータリークラブやローターアクトクラブからの継続的な支援のおかげで、シェルターボックスは支援活動を続けることができています。 シリア紛争の報道では、しばしば数字や統計が注目されます。現地では、これまでに1,230万人もの市民が避難生活を余儀なくされていますが、この数字から状況を想像し、紛争が人びとに与えている影響を理解することは難しいでしょう。統計の背後にある、10年間の悲惨な現実を伝えることが重要なのです。

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人身売買の撲滅をめざす世界初のクラブ

寄稿:ウーシャ・レディ(Community Action Against Human Traffickingロータリークラブ会長)

教師である私は、自分が務める学校の生徒たちがお金のために性的搾取の犠牲となっていることを知りました。中には6歳の生徒もおり、しかも、それが麻薬を買う金稼ぎのために家族によって行われていました。子どもが2~3日連れ出され、また家に戻ってくるのです。私は自分に何もできないことに無力さを感じていました。

モデルやダンサーのスカウトと偽る人に勧誘されたという大学生たちとも話をしました。学生たちはそのことを恥じ、誰かに打ち明けるのをためらい、特に警察には話したがりません。

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水と衛生の課題に取り組むロータリー行動グループ

By Brian Hall(WASHロータリー行動グループ運営委員長)

メルボルン(オーストラリア)のあるロータリアンは、インドネシアの湧き水からカドミウムを除去する方法を知りたいと感じていました。同じ頃、ジンバブエのあるロータリアンは、下水を農業用に処理する方法について情報を求めていました。また別のロータリアンは、エチオピアでの水文地質調査の見直しを必要としていました。

いずれのケースでも、ロータリアンは、水と衛生(WASH)のロータリー行動グループに連絡を取りました。このグループは、水と衛生に関する専門的知識と豊かな経験をもつロータリアンで構成されています。結果として、3名のロータリアンは数日以内に必要とする情報を得ることができました。

この行動グループは、地域社会における水と衛生へのアクセス拡充に取り組むクラブと地区に、さまざまなサポートを提供するために結成されました。グループが独自のプロジェクトを行うのではなく、ロータリアンによる活動の効果を最大化させるために支援を行います。具体的には次のような方法でサポートを行います。

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青少年が学び、奉仕する「奉仕学習」

社会奉仕と学習を組み合わせた新たなアプローチ


By ケイトリン・カンジャロッシ(国際ロータリー プログラム・参加促進担当スタッフ)

ロータリーの青少年プログラムに参加する若者の数は、年に35万人以上。しかし、ロータリーでは最近まで、これらの若者による奉仕活動への参加を促す直接的な手段がありませんでした。2019年春に国際ロータリーの青少年プログラム担当部に入局した私は、この事実に驚きました。

ロータリーでは、インターアクター、RYLA参加者、青少年交換学生や、指導する大人たちに対して「奉仕に参加しましょう」と呼びかけながら、奉仕活動を始める方法や、どのようなプロジェクトが実施できるのか、参加をどう促せるのかなど、必要なガイダンスを提供していなかったのです。

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新クラブの成長を後押ししよう

寄稿者:トム・ガンプ(第5950地区ガバナー、Edina/Morningsideロータリークラブ[米国ミネソタ州]会員)

私の地区には新しいクラブがいくつかあり、いずれもとても元気なクラブです。結成後も成長し続けています。

創立会員の88%は、ロータリー初心者です。ロータリーの活動方法を知らない人もいるので、これらの新クラブを大切に育てていく必要があります。その方法はシンプルです。会員が熱意をもつ分野に焦点を当てて活動し、柔軟さを取り入れ、多様な会員を迎え入れ、そして何よりも、楽しんでもらうことです。

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コロナ禍でも会員増を実現:7つのヒントをご紹介

寄稿:デイブ・ライランダー(Dave Rhylander、米国コリアービル・ロータリークラブ会長)

地域社会での奉仕が認められ、商工会議所による「非営利団体オブ・ザ・イヤー」を受賞したコリアービル・ロータリークラブの会員の皆さん

新型コロナ流行の中でもクラブを成長させることは可能でしょうか。その答えは「イエス」であると、私たちは胸を張って言うことができます。新型コロナウイルスはロータリークラブだけでなく世界に多くの課題をもたらしましたが、それでも、会員の意欲をかき立て、奉仕への参加を促し、入会への関心を高める方法はあります。

昨年6月、私たちのクラブは20%の会員増加を目標に掲げ、現在までに13人の新会員が入会しました。なぜ「20%」かというと、2000年代のはじめに100人だった当クラブの会員数が年々減っており、年に20%増なら3年後(またはそれよりも早く)に会員数が100人に戻るという計算だからです。たやすい目標でないことはわかっていましたが、ビジネスやスポーツと同じく、まずは目標を定め、達成に向けた計画を立てることが大切です。

1年足らずで13人の入会がどのように実現したのか。私たちが実行した七つの項目をご紹介します。

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ワクチンボランティア 最高の日

By Steven Sanbo(第6690地区パストガバナー)

私が思い出すのは、何百人もの人びとの顔。希望、安堵、感謝、恐怖、喜び、興奮、絶望、不安、そして涙。マスクの裏に隠されたこれらはすべて、2月にアリゾナの集団予防接種センターで目の当たりにしたことです。

何百人もの、これほど多くの感情が浮き出た顔を見るのは、2014年、貿易学校を開くためにロータリーでグアテマラを訪れたとき以来です。活動現地付近でマグニチュード7.4の地震が発生し、村人たちは、支援、食料、水、シェルターを求め、行方不明の家族のための希望を必要としていました。私とほか2人のロータリアンは、シェルターボックスを出動させるボランティアとなり、希望に応えるために活動したことを覚えています。

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インパクトを測ることはなぜ大切なのか

データ重視のアプローチでプロジェクトの成果と進展を記録

『Rotary』誌2021年3月号より

ローターアクトとRYLA学友が結成したEクラブ「Rotary Social Impact Network (RSIN)」は、設立当初から奉仕活動においてデータ重視のアプローチを取ってきました。

加盟認証後の最初のプロジェクト「Plastic Free July」では、プラスチックごみに関する認識向上キャンペーンを実施。データでプラスチック使用量を計算し、プラスチックごみの少ない生活様式を促進することが狙いでした。クラブはまず、オンラインの環境インパクト計算機を使って各会員が一日に使うプラスチックの量を調べ、これを基準値としました。各会員が生活様式を切り替える努力をし、プロジェクトの終わりにもう一度計算して成果を確認しました。

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大きな目標に向けた小さなステップ

寄稿者:ラファル・トンデラ(ワルシャワ・ユゼホフ・ロータリークラブ/ワルシャワ・ローターアクトクラブ会員)

さまざまな方法で水・電気を節約し、プラスチックゴミの無駄を減らしました

豊かな自然はポーランドの誇りです。国際ロータリーが正式に「環境」を重点分野のひとつに決めたとき、当地区(第2231地区)のインターアクトクラブ、ローターアクトクラブ、ロータリークラブは大喜びしました。これを記念してプロジェクトを行うことに決めましたが、その成果は発起人である私たちも驚くほどでした。

「大きな目標に向けた小さなステップ(Small Steps Towards a Bigger Goal)」プロジェクトは、第1920地区(オーストリア)のローターアクターたちによる「エコチャレンジ」からインスピレーションを得たもので、私たち独自の趣向も加えました。ポーランド国内16のローターアクトクラブとロータリークラブが、「水と衛生週間」である3月、ささやかな行為で大きなインパクトをもたらせることを実証したのです。

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世界で機会の扉を開くロータリーの「外交官」たち

寄稿者:ジュディス・ディメント(ロータリー代表ネットワーク リーダー)

この1年は誰にとっても未曾有の時となりましたが、国連など22の機関のロータリー代表である私たちにとっても同じです。いわばロータリーの「外交官」である私たちの仕事は、これらの機関の主要人物と会い、関係を深めながら、ロータリー重点分野での協力を推進することです。しかし、コロナ禍の現在、これは容易な仕事ではありません。ほかの多くのロータリアンと同様、私たちもバーチャルな方法を活用して「ネット外交」を行っています。

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ハイブリッド例会を始めてみよう

寄稿者:ジム・マーグラフ(Lamorinda Sunriseロータリークラブ[米国カリフォルニア州]会員)

ハイブリッド例会の方法を説明した動画のプレビュー(日本語字幕入り)

4年前、妻がとっぴな質問をしてきました。

「火星探索に行く宇宙飛行士たちが、地球の家族や友人と連絡しあえる方法がないものかしら?」

この質問をきっかけに、私たちの旅が始まりました。とはいえ、火星への旅ではありません。その旅とは、この地球での社会的孤立の問題を理解し、テクノロジーを使って遠く離れた家族や友人とつながる新しい方法を開発するために、私の7番目となる会社Kinoo.familyを立ち上げる旅、そしてロータリーとのかかわりをさらに深める旅です。

火星に行くロータリアンはまずいませんが、私たちの多くが社会的に孤立し、愛する人たちの近くにいたいという気持ちを抱いています。2020年には、驚くことに、コロナ禍でのロックダウン開始後間もなく、ロータリークラブの80%がZoomなどのビデオ会議ツールでバーチャル例会を開きはじめました。

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世界各地のクラブによる環境プロジェクト

ロータリー会員は長年、地球を守るさまざまな活動を実施してきました。今年7月から「環境」が正式にロータリー重点分野の一つとなることで、ロータリーで環境を守る機会がさらに広がるでしょう。今回は、世界各地で実施されているロータリーの環境保護活動をいくつかご紹介します。

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ロータリーでハラスメントのない環境をつくる

寄稿者:ケイティ・ハリデー(アデレードライト・ロータリークラブ会員)

ロータリーにハラスメントが存在する余地はありません。ハラスメントがあったら、誰も入会したり、ロータリーで活動を続けたいとは思わないでしょう。

会合、行事、活動でハラスメントのない環境を維持するというロータリーの方針は、ハラスメントが一切容認されないことを明確に述べています。クラブ会長をはじめ、ロータリーの全リーダーがハラスメントに関するロータリーの方針について毎年研修を受けることも規定されています。

しかし、ロータリーでハラスメントをなくすことは、リーダーだけの仕事でしょうか。ハラスメントを認めず、無視せず、言い訳しない文化をつくり、維持する責任は、私たち一人ひとりにあります。

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Magic of Rotary ~ロータリーの力~

一つの出会い、一つの行為が大きな変化に

寄稿者:河地妙美(日本ロータリーEクラブ2650会員)

パンデミックが世界を席巻する今、私たち社会の危うさが一層あらわになっています。せわしくアップデートされる世の中では、失望や怒りが渦巻き、大切な思いやりや共感、そして対話を忘れてしまったかのような出来事が報道されています。

でも私たちはひとりではありません。人が動けば、水面に石を投げ入れた時のように、その影響は周囲に広がっていきます。私たちには、未来のために良いことを行う力があります。出会いによって別の世界が現れ、ひとつの小さな行為が大きな変化を起こします。

人と人の出会い、そこで生まれるつながり、そのつながりの連鎖が、社会を動かします。ロータリー会員である私は、これを幾度となく体験してきました。私はこれを、「Magic of Rotary」と呼んでいます。

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都市養蜂で「自然+コミュニティ」のスタイルを

京都東みつばちプロジェクト(Kyoto-East NICO² HONEY PROJECT)

寄稿者:仲田吉儀(京都東ロータリークラブ)

平安神宮の大鳥居のすぐ近くで、みつばちの飼育に取りくむ京都東ロータリークラブ会員(写真をクリックすると別のウィンドウで開きます)

平安神宮のすぐ近くで

京都市左京区に位置する岡崎地区は、平安神宮、京都国立近代美術館、京都市動物園、コンサートホールなどが集まる京都の文化ゾーン。私たちは、平安神宮の大鳥居を間近に臨むビルの屋上で、みつばちの飼育を始めました。

きっかけは、かつて35年の歴史ののちに終結したローターアクト復活の呼び水にするという発案で、かねてから都市養蜂に関心があり、都市養蜂家とのネットワークを有する森田会長肝いりのアイデアでした。巣箱を置いている岡崎地区は京都東クラブの所在地で、クラブのバナーには平安神宮の大鳥居の絵柄があしらわれています。まさに京都らしい、最高のロケーションでの試みとなりました。

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